劇場公開日 2024年1月12日

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「あまりにも価値のある作品だった」ビヨンド・ユートピア 脱北 主人公のこと我が子と思ってる人さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あまりにも価値のある作品だった

2024年2月11日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

序盤の10年会えていない息子のために服を用意するお母さんで完全に自我が崩壊する。やめてくれ。しんどい。

北朝鮮を逃げ出したらどうなるのか?
どうやって逃げ出すのか?
そのあとの生活は?
そもそも北朝鮮ってなんとなくやべえって分かるけどどうやべえのか?
などなど、分かっているようで全く分かっていないことを叩き付けるように教えてくれる作品でした。
個人的に一番「分かっているようで全く分かっていないこと」は、脱北の目的が「生きていけないから」だったことでした。
皆が何かを切欠にこの国もうヤダ!!って逃げ出すのではなく、家族の誰かが脱北したとかスパイ容疑をかけられたとかで仕事が貰えなくなり、このままでは食べていけないから逃げるしかないという人ばかりで、故郷を離れたくない、懐かしい、と思う人がいるということは目から鱗でした。そりゃ懐かしいとは思うだろうが、最低限食べられれば留まっていたのか…と…
でも情報規制されていれば当然なのに、この考えが既にまるっきり第三者の、知ろうともしていない人間のものだと分からせられました。ヒン…

ベトナムとかラオスとか、中国にだって、この異常さを理解してくれる人はたくさんいるはず。
自国が親北だからって(もちろん国全体の利害を考えてそういう立場なのでしょうが)、これをヨシとしない人がいるに違いない国の人たちにも見てほしいです。
助けられることはなくても知るだけでも。
韓国ではこっそり受け皿を作ってあげてるのが本当に素晴らしいです。
もし日本に逃げてきたら、私たちは何ができるのだろう?
直接できることがなくても、この作品から学ぶだけでも非常に価値のある経験だと思います。
もっと広域で上映してほしい。
あらゆる全ての人が見るべき作品です。

主人公のこと我が子と思ってる人