あんのことのレビュー・感想・評価
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希望と絶望の狭間で
悲壮な環境、親は日々暴力、薬物や売春、不登校… そんな女子が、 底...
悲壮な環境、親は日々暴力、薬物や売春、不登校… そんな女子が、
底辺から抜け出そうともがく様子、
頑張りを積み重ねる様子、
信頼していた人や場所が現れるものの、
それらに、ある日急に接触できなくなる絶望 etc.
実際の出来事を基にした映画だといいますね。
ここまで、救いの手すらも断ち切る容赦なさ。
作品として、ここまで徹底的に描写されたことには、拍手です。
鑑賞後の印象では、
やり切れなさが、重くのしかかり。
咀嚼するのに時間がかかりそうです。
やり切れなさ、他の映画で似た印象を抱いたのは
"Close" とか "Tori et Lokita" は近いでしょうか。
鑑賞後、気になりだしたのは
うちの親類や友人らは大丈夫だろうか、
直ちに切り離すべき、有害な人物はいないだろうかと、
点検したくなりました (大丈夫だと思っていますが)。
あんが守ったものは
痛々しい、グロい、を恐れていたが違った。
日の差す方へと懸命に伸び行く主人公の、
けなげで爽やかな一面が強く印象に残る。
下層で喘ぐ人々を自業自得と見てとる人も多いが、
主人公の不遇は決して自身の行いが招いたものではなく
環境に由来するところが果てなく大きい。
だが強いる周囲の人々もまた環境に歪められたのだろうとしか思えず、抜け出す道筋がいかに細く険しいものかを思う。
その中で主人公が守り抜いたものは最後、小さな命だったが、
あれはひとつの象徴ではないかと感じた。
荒み切った環境の中、人生の全てを投じ彼女が守ってきたものは
それでもモラルだったのではなかろうか。
守るために全てを受け止め、飲み込み続けたからこそ果てた。
実の母を手にかけなかったことを振り返る。
コロナがなければ仕事や学校の繋がりが残っていたかもしれない。
環境の恐ろしさをここにも垣間見る。
100%の味方は存在しない
祖母と毒母と暮らす主人公あんは、売春や覚醒剤から抜け出せない暮らしを送っている。
風変わりな警察男との出会いで、心の支えや更生と自立の道を得るが、警察男と断絶される。
同じシェルターマンションの住民の女から、突然子どもを預かることになるが、見ず知らずの子供との暮らしに生きがいを見い出す。
コロナ禍で実家に連れ戻された主人公は、毒母の独断で子供と断絶させられ、ドラッグに走り、罪悪感と絶望の果てに命を絶つ。
ー
家族にしろ、強い立場を利用した警官にしろ、執筆後は疎遠になった記者にしても、
主人公の味方でも、やはりどこか限界や一線があって、
どんなに不遇な境遇でも結局は一人でどうにか生きてくしかないツラさは誰しもがある。
とは思いつつも、やっぱり圧倒的な不条理が存在することを突きつけられる。
絶望
センチメンタル教育映画
フィクションの意義とは?
新聞記事から着想を得て脚本、監督をしてますが、これこんな苛烈にする必要あるかなと、強く疑念を抱きました。
これを持って社会に警鐘鳴らすなんて甚だ思い違いだと感じました。出てくる大人がみんな弱い。弱すぎてあんを追い詰めるのだけど、それはそういうケースでしかなかった、で片付けられてしまうでしょう。河合優美さんが主演されてますが、奇しくも同じ時期にルックバックの方が理不尽にさらされながらも救いがあるフィクション故の救済がある分感じ入るところが段違いです。とても後味が悪かったです
心は千々に乱れ、感想も千々に乱れる…
実話をもとにした作品。胸が潰れそうになる。にわかには信じられない現実に驚くばかり。既成の概念が覆される。
毒親のもとに生まれ落ちた悲劇、と一言ですませることもできようが、この作品を鑑賞したあとの心は千々に乱れる。
なんのために、どうして、こんなことになるのかと、頭は混乱し、心はあらぬ方向で救いを求めてしまうのである。
子は親を選べないといわれるが、仏法的思想のなかには、子は親を選んで生まれて来るという考えかたもあるそうだ。
でも、そんな深淵?そうな教えは、この際どうでもよいのである。現実の世界での人の生き死には現実の世界の価値観で判断されればいいことであって。それ以上でも以下でもないのである。でも、である。
糾弾されるべきは母親であり、母親の生きながらの堕地獄は間違いない。地獄の人生を歩むことになるだろう。
この罪深すぎる母を罰するために、この母から生まれ出たとすれば、すこしは溜飲が下がる気もするのである。
まったく見当はずれの感想になったか…。
心は千々に乱れ、そんな感想で自分を納得させるしか方法がないのである。
ひどすぎる!!!
とてもリアリティを感じた空気感
悲しく、辛いストーリーだったが、とてもリアリティを感じた。キャストそれぞれがスクリーンの中で活きていたからだと思う。人は一人では生きられない、また自立して一人で生きてると思っていても、必ず社会の中で、人と関わって生きているのだということを、明確に描いている。人に頼ることは時に自分勝手、甘えてると映るかもしれない、しかし、全て正しく考え正しく出来る人間なんていないのだ。人とのつながり、思いやり。心を保ち、人間が生きるのに必要なこと。改めてこの作品を見て思い返したりした。
何かが少し違ったなら
辛い、でも観て良かった
シン積木くずし
衝撃的な映画
kino cinema新宿にて鑑賞。
予告編は観ていたが、これを観た後には「本当に実話なの!」という衝撃が重くのしかかってくる入江悠監督作品🎥
毒母親に売春を強要されヤク中の香川杏(河合優実)は、自分も売春している毒親と身体不調の祖母と団地に暮らしていた。
毒親からは殴る蹴るのDVも受けて荒んだ生活をしていて、小学校も出ていない。
そんな折、一見変わった刑事の多々羅(佐藤二朗)に補導されたことを契機に、赤羽の「元ヤク中どうしの会」に誘われて、あんはヤクを止めて、難しい漢字も書けないので学校にも通い始める。そして、あんに希望が見えかけた生活になっていく。
刑事=多々羅に近づいたジャーナリスト桐野(稲垣吾郎)とあんの三人は、カラオケ行ったり、酒を飲んだりと仲良く過ごしていたが、桐野はなにやら刑事を調べている様子。
そして、決定的な記事を桐野が書いて世間に広まると、赤羽の会も無くなり、新型コロナウイルスが始まり……と、あんの居場所が段々なくなって……。
いやぁ、凄い映画だった‼️
新型コロナウイルスが始まった頃に、こんな事件があったのか!……という驚きとともに、様々な偶然が一人の女性の運命を狂わしてしまう残酷さに圧倒された。
この作品であんを演じた河合優実を初めてスクリーンで観たのが『由宇子の天秤』だった。
しかし、この女優、出演する作品ごとの「役作りが見事」だと思う🙂✌️
あの閉塞感あふれるコロナ禍はじまった頃の出来事を、丹念にスクリーンに映して見せた見事な映画であった✨✨✨
<映倫No.123711>
意外と
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