あんのことのレビュー・感想・評価
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フィクションであってほしい
どうかフィクションであってほしい救いのない悲しい映画
すごく重くて苦しかった
涙なしでは見られませんでした
あんが優しいのがまた悲しい......
とにかく河合優実さんの全身全霊の演技がすごい
今年の日本アカデミー賞新人賞はきっと彼女だろう
希望が見えたからこそ絶望してしまう、のではないこと
2024年。入江悠監督。虐待され、売春させられ、薬物依存から抜けられない少女が、ある刑事に出会って更生していくが、コロナ禍に見舞われ、刑事の裏の顔を知り、突発的に他人の赤ちゃんまで押し付けられてしまってついに、という話。実話をもとにした実写化らしい。
希望のない生活をしていた主人公が、なまじ希望が見えてしまっただけに、分厚い家族の壁と自己嫌悪の壁に跳ね飛ばされて絶望してしまう話、ようににみえる。たしかにそれはそうだが、「なまじ希望が見えた」ことは決して悪いことではない。「なまじ」がだんだん大きくなっていけばよかっただけで、「なまじ」を見せてくれた刑事や雇用主や施設の老人たちの存在はすばらしい。刑事は「公務員だから当然」のようなことを言っていたが、そんな崇高な使命感を抱く公務員はむしろ稀少だろう。
問題は、それが大きな社会的な力になる前に、それをくじくべく、しつこく「家族」と「自分自身の内面」と「性」(刑事の)が立ちふさがってくることだ。人間の根元の部分を拘束するこれらのファクターが主人公の更生を阻む。むしろ、これらを放置できない人の善さが破滅につながってしまうというのが現代社会の実情だなのだ。虐待してくる母親を殺すことができれば、主人公は解放されるのだから。それができない人間としての「善さ」によって破滅するとは、社会の方がおかしいのではないか。彼女を救うべく、例えばあの新聞記者には、本人の頭をかすめた「記事を書かないこと」ではないほかのことができたのではないか。そう問いかける映画である。
希望と絶望の狭間で
悲壮な環境、親は日々暴力、薬物や売春、不登校… そんな女子が、 底...
悲壮な環境、親は日々暴力、薬物や売春、不登校… そんな女子が、
底辺から抜け出そうともがく様子、
頑張りを積み重ねる様子、
信頼していた人や場所が現れるものの、
それらに、ある日急に接触できなくなる絶望 etc.
実際の出来事を基にした映画だといいますね。
ここまで、救いの手すらも断ち切る容赦なさ。
作品として、ここまで徹底的に描写されたことには、拍手です。
鑑賞後の印象では、
やり切れなさが、重くのしかかり。
咀嚼するのに時間がかかりそうです。
やり切れなさ、他の映画で似た印象を抱いたのは
"Close" とか "Tori et Lokita" は近いでしょうか。
鑑賞後、気になりだしたのは
うちの親類や友人らは大丈夫だろうか、
直ちに切り離すべき、有害な人物はいないだろうかと、
点検したくなりました (大丈夫だと思っていますが)。
あんが守ったものは
痛々しい、グロい、を恐れていたが違った。
日の差す方へと懸命に伸び行く主人公の、
けなげで爽やかな一面が強く印象に残る。
下層で喘ぐ人々を自業自得と見てとる人も多いが、
主人公の不遇は決して自身の行いが招いたものではなく
環境に由来するところが果てなく大きい。
だが強いる周囲の人々もまた環境に歪められたのだろうとしか思えず、抜け出す道筋がいかに細く険しいものかを思う。
その中で主人公が守り抜いたものは最後、小さな命だったが、
あれはひとつの象徴ではないかと感じた。
荒み切った環境の中、人生の全てを投じ彼女が守ってきたものは
それでもモラルだったのではなかろうか。
守るために全てを受け止め、飲み込み続けたからこそ果てた。
実の母を手にかけなかったことを振り返る。
コロナがなければ仕事や学校の繋がりが残っていたかもしれない。
環境の恐ろしさをここにも垣間見る。
100%の味方は存在しない
祖母と毒母と暮らす主人公あんは、売春や覚醒剤から抜け出せない暮らしを送っている。
風変わりな警察男との出会いで、心の支えや更生と自立の道を得るが、警察男と断絶される。
同じシェルターマンションの住民の女から、突然子どもを預かることになるが、見ず知らずの子供との暮らしに生きがいを見い出す。
コロナ禍で実家に連れ戻された主人公は、毒母の独断で子供と断絶させられ、ドラッグに走り、罪悪感と絶望の果てに命を絶つ。
ー
家族にしろ、強い立場を利用した警官にしろ、執筆後は疎遠になった記者にしても、
主人公の味方でも、やはりどこか限界や一線があって、
どんなに不遇な境遇でも結局は一人でどうにか生きてくしかないツラさは誰しもがある。
とは思いつつも、やっぱり圧倒的な不条理が存在することを突きつけられる。
絶望
センチメンタル教育映画
フィクションの意義とは?
新聞記事から着想を得て脚本、監督をしてますが、これこんな苛烈にする必要あるかなと、強く疑念を抱きました。
これを持って社会に警鐘鳴らすなんて甚だ思い違いだと感じました。出てくる大人がみんな弱い。弱すぎてあんを追い詰めるのだけど、それはそういうケースでしかなかった、で片付けられてしまうでしょう。河合優美さんが主演されてますが、奇しくも同じ時期にルックバックの方が理不尽にさらされながらも救いがあるフィクション故の救済がある分感じ入るところが段違いです。とても後味が悪かったです
心は千々に乱れ、感想も千々に乱れる…
実話をもとにした作品。胸が潰れそうになる。にわかには信じられない現実に驚くばかり。既成の概念が覆される。
毒親のもとに生まれ落ちた悲劇、と一言ですませることもできようが、この作品を鑑賞したあとの心は千々に乱れる。
なんのために、どうして、こんなことになるのかと、頭は混乱し、心はあらぬ方向で救いを求めてしまうのである。
子は親を選べないといわれるが、仏法的思想のなかには、子は親を選んで生まれて来るという考えかたもあるそうだ。
でも、そんな深淵?そうな教えは、この際どうでもよいのである。現実の世界での人の生き死には現実の世界の価値観で判断されればいいことであって。それ以上でも以下でもないのである。でも、である。
糾弾されるべきは母親であり、母親の生きながらの堕地獄は間違いない。地獄の人生を歩むことになるだろう。
この罪深すぎる母を罰するために、この母から生まれ出たとすれば、すこしは溜飲が下がる気もするのである。
まったく見当はずれの感想になったか…。
心は千々に乱れ、そんな感想で自分を納得させるしか方法がないのである。
ひどすぎる!!!
とてもリアリティを感じた空気感
悲しく、辛いストーリーだったが、とてもリアリティを感じた。キャストそれぞれがスクリーンの中で活きていたからだと思う。人は一人では生きられない、また自立して一人で生きてると思っていても、必ず社会の中で、人と関わって生きているのだということを、明確に描いている。人に頼ることは時に自分勝手、甘えてると映るかもしれない、しかし、全て正しく考え正しく出来る人間なんていないのだ。人とのつながり、思いやり。心を保ち、人間が生きるのに必要なこと。改めてこの作品を見て思い返したりした。
辛い、でも観て良かった
シン積木くずし
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