あんのことのレビュー・感想・評価
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壮絶な家庭環境に茫然自失✖️
ノンフィクションがベースなので仕方ないが全く救いようのない絶望😔の連続でした。覚悟して観た方がいいです。
河合優実ちゃんが主演だったので当初から観ようと決めて初日初回上映にて鑑賞しましたが今季最高の絶望感と胸糞悪さに満たされるとはある意味凄い作品でした。
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不遇で哀れな少女ではなく、
不遇で哀れな少女ではなく、人生を立て直したいと懸命に生きた輝くひとつの人生ととらえました。心に残ったのは、苦しい場面よりも、あんの働き学ぶ日々の姿です。何気ない日常に生きる喜びが込められていました。河合優実さんの演技が素晴らしくファンになりました。
ああ無念の無間地獄
とにかく奈落の底に突き落とされる作品でした。母親からのDVだけでも嫌な話なのに、母親に売春を強要されてそのあがりを取られるは、そんな現実を忘れるために薬物中毒になったりリストカットをするは、そんな闇深き世界に生きる主人公の杏の姿は、可哀想を通り越して直視できないものでした。
ようやく人情味ある刑事の多々羅や週刊誌記者の桐野に救われて、シェルター住まいや介護の仕事を得、さらには社会人向けの小学校に入学したものの、コロナ禍の到来とともに失業の憂き目に遭い、学校も政府の命令で閉鎖されてしまう。さらには助けてくれた多々羅は不祥事で逮捕され、そのきっかけを作ったのが桐野が書いた記事だったことも分かる。その上シェルターも毒母に見つかって自宅に引き戻されてしまうなど、まさに無間地獄の様相。そんな彼女に残された選択は、悲劇的な結末しかありませんでした。
いやあ、なんとも救われない作品でした。
そんな悲しい物語でしたが、注目したのは主役の河合優実の渾身の演技でした。どん底で死んだように生きる杏、周囲の助力で立ち直り必死に生きようとした杏、再度絶望に陥って本当のどん底に落ちてしまう杏を演じ分け、杏が旧知の存在であるかのような人物として立体的に演じた彼女の演技は、本当に素晴らしかったです。
そんな杏を助けようとした多々羅を演じた佐藤二朗も、佐藤二朗らしさ全開で非常にしっくりしました。また桐野を演じた稲垣吾郎も「正欲」の時と同様に複雑な心理に陥る役柄をきっちりと演じていました。そして何よりも、毒母を演じた河井青葉の人を苛立たせる演技が出色物でした。杏に対して理不尽な要求をする毒母を、画面に向かって何度怒鳴ろうかと思ったくらいに、彼女の”鬼畜”を表現した演技は素晴らしかったです。
もう一つ関心したのは、杏が悲劇の結末を迎える直前に、シェルターのベランダの窓の外に飛んでいるのが見えた”ブルーインパルス”らしき飛行機の戦隊飛行の姿でした。コロナ禍で奮闘する医療関係者にエールを送るという名目で行われた”政治的”パフォーマンスでしたが、杏には届きませんでした。
というか、コロナ禍で致し方なかった面もあるとはいえ、学校が閉鎖されたのも、保健所が介護施設に対して出勤人数を制限するよう要請した結果仕事を奪われたのも政府方針の結果だった訳で、そんな人にとってブルーインパルスを飛ばすなんて、悪い冗談にしかなりませんわな。監督がどういう意図でこのシーンを入れたのか分かりませんが、この批判精神に少し溜飲が下がったところではありました。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
事実に基づくがゆえに
やはり後味悪い系な映画でした。
初動評価が良かったので、勇んで見に来てみましたが、やはりというか。。。
・演技良し
・演出も良し
なのですが、事実ゆえか、ところどころ盛り上がりに欠けたり、月末も「うーん」という感じに。
コロナが影響した悲劇の一つなのかなと思いました。
不適切にもほどがある‼️❓
ああ、この映画を観て、体調崩してしまいました。
救いが無い、ようやくシェルターに避難してもこの結末。
ただ、幼児の命の恩人としてのみ。
薬物中毒の恐ろしさ、酷い家庭環境、売りの現実。
ヒロインは演技とゆうか、生き様を見せられているようで、引き込まれすぎて、しんどい。
刑事は二面性を、佐藤二朗が見事に演じました。
稲垣吾郎は俯瞰した冷徹な視点。
コロナであろうがなかろうが、なんとゆう負の連鎖、生きる希望もありません。
事実の新聞記事に触発されたとゆうが、なんか救いがないと、観賞後しんどいだけです。
覚悟がないと観れないのでしょうか。
ただ、ただ、茫然自失、ごめんくさい。
子供にされたことを仕返しする人と、
してもらいたかったことをする人とがいる
あんは後者だった
おばあちゃんはあんには優しかったようだけど本質はあんの母親と同じなんだろう
幼児食について細かく記したノートの切れ端のゆっくり舞い落ちてくる様子が、ブレッソンのやさしい女のストールのようだった
救いがない
実話に基づいているそうですが詳しいことは調べず、予告だけ見て映画館に行きました。
単純に売春・クスリをしていた主人公が良い刑事さんに出会って更生していくストーリーなのかと思いきや…。
介護施設で働くことを希望した理由もお祖母ちゃんのため。
大人の手を借りて一人暮らしを始め、夜間学校にも通い始める。
順調だと思っていたときに世話になった刑事がとある理由で逮捕され、コロナが流行り始めた。
居場所になりつつあった職場も夜間学校も、自助グループも失ってしまったけれど自宅では黙々と勉強を続けていた。
突然子供を押し付けられて慣れないながらもお世話をしてあげる主人公を見て、優しい子だと再認識。
自分だったら親、友人に慌てて連絡して助けを求めるだろうけど彼女にはそれが出来る人が居なかったんだろうな。
結局子供の面倒を見る主人公だけどそれがきっかけとなって悲しい結末を迎える。
生まれ育った環境が良ければ、刑事が逮捕されていなければ、コロナが流行らなければ、子供を押し付けられなければ…。
主人公、あんちゃんのことを思うと悲しい気持ちになりました。
けれどあぁいう環境で育つ子というのも珍しくないんでしょうね。
色々と考えさせられる作品でした。
とても辛く、悲しい物語
映画を観る前から、悲しい物語とは、理解していましたが、どん底の状態から、救いの手を差し伸ばされて、新しい人生に、自らチャレンジするだけではなく、生きる喜びすら感じていた主人公に対して、映画とわかりつつも、途中まで応援したくなっていました。
とはいえ、物語が突然変わるわけでもなく、信用する人に裏切られ、コロナに翻弄され、毒親に絡まれ・・・ とても辛く、悲しい結末を迎えてしまい、やり場のない気持ちだけが残ったエンディングでした。
作品としては、この不遇な主人公役である河合優実さんの素晴らしい演技に、ただただ、拍手したいと思います。
脳裏に焼きついてた現実
小学生の頃、友人N君の家にあがると、あんの住んでる様な部屋で驚いた事がある。
まあ私の家も決して裕福な家では無かったんですが、えっ?って当時衝撃な印象があった。
そして数人で部屋で遊んで居ると、父親?みたいな人が帰って来て、「お前ら全員外出ろ」って言われ、空き地みたいな所に連れて行かれ、なんとN君を容赦なく殴り続けた。
私たち他の者は、現実で初めて殴り続けられる光景を目にして、次は自分がやられるんじゃないかと気が動転し、全員逃げてしまった。
帰って母にその事を話すと、なんか険しい表情で話を終わらせた。
今思えば母は何かを飲み込んだんだろね。
次の日N君は顔面を張らせながら、普通に学校に来た。
笑顔で話すN君に、みんな怖くて昨日の事も聞けなくて、何も無かった事にした。
学校の先生も触れなかっと思う。
その後N君は引っ越して行った。
映画を観ながらN君の事を思い出して、今どうしてるんだろ?と感じた。
時代が時代とはいえ、これが私たち、いや社会全体が見て見ぬフリをし、これが現実でN君もこれを受け入れてしまってたんだ。。
あぁ、映画と関係ない事書いてしまいましたが、私がこの作品を観て一番感じた事でした。
河合さんすごい表現力ですね、ますますファンになりました。
素晴らしい力作でした。
悲しすぎる結末……
辛かった過去をリセットし、明るい希望を持って確実に前に進み始めた主人公。
それを簡単に崩しにかかる第三者。
逃げるに逃げられず。
自らを解放するために主人公が選んだバッドエンディング。
実話を基にしたストーリーだけに、やるせなく心が締め付けられるほど苦しくなり、しばらく立ち上がれませんでした。
あんはどこにでもいる (追記)(追記2)
絶望さえ知らなかったあんが希望を持ち前へ進んでいく。
救ってくれた刑事、仕事、始めた勉強、慕ってくれる老人、押しつけられた子供、子育て。
すべて奪われ、失ってしまったあんは自ら命を絶つ。
救いのないストーリーだが、実話がもとになっている。
この映画のあんは実際にいた。
いや今も私たちのすぐそばにいる。
数年前、職場に体験学習に来た高校生に宿題を出した。
今日どんなことを教わって、どんな体験をしたかを親に報告してくださいと。次の日、「お母さんは疲れているからと言って私の話なんか聞いてくれなかった」と悲しい顔で答えてくれた女の子を思い出した。
この豊かな国の現実。
寄り添ってくれる人、支えてくれる人がいれば。
「関心領域」を思い出した。
私たちは気づかないふりをしているだけ。
子供を押し付けられるのが唐突すぎて。
それまでに少しでもあの母(早見あかり)子との交流が描かれていれば、最後のシーンがもっと生きてきたのでは。
刑事の裏の顔も必要だったのだろうか。
高速うどん早打ち少女から、主人公の友だちの眼鏡っ子ビート板、数々の話題作で出番は少ないながらキラリと輝き、主演作では抜群の破壊力、いや演技力で、世のおじさんたちを虜にし、不適切の純子ちゃんで国民的スターとなった、いまや主演作品がカンヌで受賞、と世界が注目する女優となった河合優実。
あらためて素晴らしい女優さんだと思う。
どこか山口百恵に似ていると思う。
(追記)
映画なんだから、せめて少しは希望のある終わり方がよかったと思う人は多いと思う。
しかし、それだと「あぁ良かった。いい映画だったな。」で終わってしまうだろう。
どうしようもなく救いのないストーリーであるが、この映画はそれが現実だと突きつけてくる。観終わった後、何かアクションを起こさなければ、と考えさせられる。
あん、あんのこと、どこにでもいるあんのことを、映画の中だけのことではないと、この映画は、そして河合優実の演じているとは思えないほどの存在感が、観た者の心に訴えかけてくる。
観るべき作品だと思う。
(追記2)
2回目鑑賞。
途中音楽が流れていないのに気づかないくらい見入ってしまった。
「ミッシング」 今までのキラキラしたイメージを捨てて熱演している石原さとみがいた。
「違国日記」 前作に続いてガッキーではない女優新垣結衣がいた。
「かくしごと」 母となり母を演じる杏がいた。
「蛇の道」 フランス語を話しフランスでさまになってるカッコいい柴咲コウがいた。
「朽ちないサクラ」 最後の最後に期待に応えて泣きの演技を見せてくれた杉咲花がいた。
そして今作「あんのこと」には、ただあんが、会ったことはないけれども、そこには香川杏という女性が存在していた。河合優実の凄さだと思う(めっちゃ贔屓目)。
テレビ番組で初めてバラエティーに出た河合優実が、ゆりあんレトリーバーと一緒に「受賞した女優のリアクション」のネタをしていた。とても楽しそうだった。
河合優実はきっと何らかの賞は獲るに違いないから、その時は思い出して笑ってしまうだろうな。
ここ2.3年で映画を多く観るようになった私は否が応でも河合優実とい...
ここ2.3年で映画を多く観るようになった私は否が応でも河合優実という俳優から逃れられなくなった。昨年なんか観る映画観る映画みんな河合優実が出ていてそしてそのどれもが印象深い演技だった。
実話をもとにしているということもあるのだろうが演じるではなくそこに確かに居るというような存在感を放つ彼女は本当に素晴らしい俳優だと思う。共演者の佐藤二朗も「彼女は僕が10年かけて手に入れたものをもう持っている」というようなことをインタビューで語っていたけれど同意しかない。
その佐藤二朗演じる刑事がこの映画を私に最後まで見せてくれたように思う。今時こんな刑事がいるのかいきなりあんな行動をする刑事がいるのかと。取調室のシーンは不謹慎にもクスッと笑ってしまった。実在の人物をモデルにしているそうだけどどことなくフィクションじみた存在の彼がなんとかこの目をそらしたくなる物語の終わりを私に見せてくれた。
そんな二人を見守る、監視しているのかもわからないが、稲垣吾郎演じる週刊誌記者の役もハマり役だったように思う。ばるぼらもそうだったのだけれどなんかこう文字を書く役が合うように思う。彼が文豪役の映画とか見てみたい。
とにかく演者の演技が誰も彼も素晴らしかった。どの人物からもこの物語を伝えなければという気概を感じた。
その大本は監督の思いからなのだろうか。コロナ禍で知人が亡くなり何があったのかを残しておきたいというようなことをどこかで見た気がする。あの頃家族がコロナになったのが一番大きな出来事くらいで粛々と日常生活を送っていた私には思い至らない世界を見せてくれたこの映画を、やっぱり見に行ってよかったと思う。楽しくはない。救われない。でも救われるばかりだった杏が誰かを救えるようになっていたことが、私にとってはこの物語における唯一の救いだった。自分の知らない世界をまた一つ知ることができたように思う。
ツラいけれど観るべき
とにかくツラい。見通すのも苦しくなるほどに。
しかしこうした生を送った女性がいたということを我々は知るべきだ。社会の一員として。
この映画には数々の問題が含まれている。ネグレクト、DV、児童虐待、売買春、性的搾取、貧困、麻薬、依存症、セーフティネット、報道、そしてなによりもコロナ禍による断絶。
彼女をあそこまで追い詰めたのはコロナ禍なのか、社会なのか… いや、コロナ禍に押し潰されない強度を持った社会を築けなかった我々の責任だろう。
しかしカメラはそうした残酷な状況を描くだけでなく、時に訪れる幸せもきちんと捉える。
シェルターで一人暮らしを始める時に窓から外を眺める表情。日記を万引きしようか考えた挙げ句にヨガマットをプレゼントとして買う瞬間。漢字ドリル。またシャブに戻ってしまったときに「大丈夫だ」と繰り返してくれる人。ハンバーグ。玩具。公園。
それをほんの少しの台詞とともに微細な表情で感じさせる河合優実の演技はまるで本当にそんな子がそこにいるかのように圧倒的だった。複雑な面を持つ役を演じた佐藤二朗も素晴らしい。
とはいえ、冒頭のシーンが再度映されたときの「この時だったのか」という絶望感は衝撃的…
ツラいけれど、絶対に観るべき映画。
忘れられてしまう人々の悲劇
母子家庭の貧困のリアルに背筋が凍る。
実話をベースに描かれたという物語が、壮絶な貧困の現実を観客に投げかける。
入江悠監督の腰の据わった演出と、抑えた芝居の佐藤二朗、主人公あん役の河合優実が注目だ。しかしなによりも母親の春海役の河井青葉は、2024年の映画賞で助演女優賞の有力候補となる存在感だった。
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