あんのことのレビュー・感想・評価
全530件中、21~40件目を表示
こんなどんでん返しは望んでいなかった。
売春してシャブの常習犯であった杏が多々羅刑事との出会いから、心の傷を癒していく。ムロツヨシ演じる人情と温かみがある刑事役めちゃくちゃいいな〜と思っていたら、まさかの展開。。。こんなん信じられませんよ。彼女が老人ホームで働いた事、一時的ではあるが赤の他人である子供の世話をした事。そのどれもが多々羅刑事がいなければなし得なかった事であるのだが、結局は心の根底にある醜欲に従っていただけなのだろうかと思ってしまう。ただ杏を慰めている様や杏の死を知った時の様を見るに、悪い人には見えず恨めないのがなんとももどかしい。桐野の記者として真実を明るみにしなければいけないという責務とそれに従って彼女の死を招いてしまったのではないかという
葛藤に苦しむ姿も見ていて心苦しいものがあった。こんな悲劇のような彼女の人生であったが、見るものを夢中にさせ、余韻をここまで残せる所に今作の凄みを感じた。
辛い…
実話が元になっているのが、辛い。
小学生の時に万引きさせられていた。その時点で、なぜ児相に繋がらなかったのか…。そこで保護されていたなら、違う人生になっていたかも。
12歳で売春
周りの大人の中に、善意ある大人はいなかったのか?
アル依存の親で、小学校も通えなかったから、自分でその場から抜け出せる知識も知恵もない。
今でもそんな人がいるのが、辛い。
本当に必要な人のところに助けの手が伸びていない。生活保護の申請も、実態を調べる前に門前払い。
話に引き込まれるけど、辛すぎた。
あん役の河合優実さん、素晴らしい!
この映画を観た後に朝ドラ「あんぱん」観たら、出演されているじゃないですか。全然気付かなかった。
なりきり具合が凄すぎて、印象強すぎて、「あんぱん」観ててもあんがチラつく。
重たい
辛いけど見てよかった
実際の事件を元にしているだけあって本当にリアル。
責任感の無い親に虐待されて生きる子供の現状を知ることができた。本当に辛い。
酷い環境から抜け出して真っ当に生きようとする、無知ゆえに自分を守れない、愛情深いあんに涙が溢れます。
河合優実ちゃん、辛い役なのに素晴らしい演技をありがとう。
希望とは何か。
河合優実さん圧巻の演技です!
しんどい
素晴らしい、と表現するのが相応しいのか、わかりませんが、心に残る作品でした。
ただ、幸せになって欲しかった。
主人公への感情移入が大きかっただけに、この結末は、しんどすぎる。
心身ともに万全な状態でのご鑑賞をお勧めします。
出演者の皆さんの演技は流石。特に主演の河合優実さん!凄かった。
逃げ場がどんどん無くなる地獄映画🪦
日本の作品にしてはセット感の無い家の中だったり
アホみたいなセリフも無く効果音もほとんど無くストレスフリーでストレスがかかるのを満喫できました!
似たような作品だと遠いところがほぼまんまの内容でそちらも相当イヤーな気分も満喫できるナイス👍な作品です。(イヤな気分🟰映画を観て最も味わいたい感覚😂アクション映画の痛快感とか笑えるコメディよりも自分にとっては重要な要素です🫡)
この作品に関しては見た人の家庭の事情も含めて胸糞度合いにかなりの差があるとおもうんですが自分はそこまで胸糞でも無く普通に皆様の上手い演技を堪能するって感じでした!(とはいえ母親役の人のクソバカゴミっぷりには感動しましたよ!こんなバカクズゴミムシはとっとと死ねよって思いながら見てる時点で演技が上手いが故にイライラさせられて感情を突き動かされているって😱😡😭証拠ですから👍)
そういやあそこでアイツが逮捕されてなかったらあんは死なないで住んだのかもしれないけど あんが性犯罪の被害者になってたのか?(最後に刑務所で自殺したと聞いて泣いてる場面があるって事は あんに対してはそういう感情で助けた訳では無いからレイプはしなかったんだろうと自分は思いました😢
あと超個人的な意見ですが胸騒ぎの600倍はこちらのほうが胸糞です🤣
気づいたら応援していた。
河合優実さん、万歳!
アカデミー賞受賞記念の舞台挨拶に行きました。
冒頭河合優実さんが、公開から10ヶ月も経つのにこの映画がまだかかることと、たくさんの方にこの映画を届けることができたこと、こうして舞台挨拶ができることに感謝の言葉を述べていましたが、こちらこそ、素晴らしい作品と演技を、本当にありがとうございました。この先もいつまでもみんなの記憶に残る素晴らしい作品を届けてくださいね。
入江監督が、杏さんの最後の登場シーンを青空とベランダの所で止めたことをお話しされていましたが、そのことが杏さんや杏さんを演じた河合さんに対する最大のリスペクトではなかったかと思いました。お話を聞いていて入江さんの優しさと素晴らしさに本当に感動しました。
河合さんも、杏さんとはお別れしたとは思っていない、とおっしゃっていましたが、入江さんが最後のシーンをカットすることで杏の人生を生き直すという河合さんの想いを繋いだのだと思いました。
去年の公開初日にこの映画を見た時に重い辛い気持ちになりましたが、今回の舞台挨拶をお聞きして河合さん、入江さんの杏さんに対するお気持ちや優しさをとても感じることができました。行って良かったです!
河合さんはこの先、お元気で活躍され、やがて世界にも羽ばたく俳優さんになることと確信していますが、そのお姿を見た時には、杏さんが向こうの世界で楽しく過ごされていることを、願い祈りたいと思います。
最後に、アカデミー賞最優秀主演女優賞をお取りになった河合優実さん。いつかはそうなると思っていましたが、もうその賞をゲットしたなんて、嬉しい限りです!この先も何度も素敵な映画を見せて、何度もアカデミー賞の舞台に登場してくださいね!応援しています!入江さん、次は河合さんがほっこりする映画を見せてくださいね!
河合優実さん、受賞おめでとうございます、というよりも、
河合優実さん万歳!ずっと応援していますね!
救いがない
あんのことを忘れない
去年最も見たかった邦画の一つ。
が、地元の映画館では上映せず。隣町の映画館に行こうとしたが、都合付かず。結局見れぬまま上映は終わり、レンタルを待っていた。
何とか時間を作って観に行くべきだったと後悔した。去年のベストの一本になっていただろう。
見て面白かった/楽しかったの類いではない。悲しく、苦しい。が、胸に響き、突き刺さる。邦画に毎年一本は必ず現れる力作。
コロナ禍、新聞に掲載された小さな小さな記事。一人の少女の事を伝えてくれた入江悠監督に感謝。
21歳の杏。
幼い頃から母親から虐待。
小学校も中学校もろくに通わず。漢字もほとんど読めず、計算も出来ない。
母と足の悪い祖母と団地のごみ屋敷部屋で貧しい暮らし。万引きを繰り返す。
母親から売春の斡旋をさせられたのは12歳の時。
薬物に手を出したのは16歳の時。
虐待、不登校、極貧、犯罪、売春、クスリ…。少女が身を置くあまりにも過酷壮絶な現状。
100%同情はしかねない。そういう現状だったとは言え、犯罪やクスリに手を出してしまったのは自分の弱さであり愚かさ。
が、母親から受ける虐待は痛ましい。
幼い頃庇ってくれた祖母には優しい。
当初は跳ねっ返りが強かったが、根はいい子なのだ。
こんな地獄から抜け出したい。
彼女にだって夢はある。
しかし、どうする事も出来ない。
自分一人の力じゃどうにも出来ない限界がある。
誰か、手を差し伸ばしてくれる助けが…。
居た。
覚醒剤使用と常習で逮捕。
その時担当になった一人の刑事。多々羅。
口も柄も悪い破天荒な性格。が、人情に厚い。
杏の面倒を見る。職安に付き添い。事務的対応の職員に怒号。自身が開く薬物更生者自助グループ“サルベージ”を案内。
介護施設で働き始める。彼女の夢。祖母を介護する為、介護士になりたい。多々羅の口からそれが語られた時、胸打った。
最初働いた介護施設は酷い雇用形態。次の介護施設が決まる。
この時力になってくれた人物がもう一人。多々羅の友人のジャーナリスト、桐野。彼のツテで。
ここの施設の経営者も良かった。ある時居場所を突き止めた母親が乗り込んできて、騒ぎを起こす。バツが悪くなった杏は辞めようとするが、引き留める。
働きぶりが認められ、本採用にも向けて。担当老人からも気に入られる。
その都度障害になる母親を断ち切る為、家を出る。DV被害者が住むシェルター・マンションへ。こういうのがあるんだ…。
もう一度勉強し直す為、夜間学校にも通う。
現状から抜け出したい、自立したい、介護士なりたい…本人の熱望。多々羅との出会い、桐野との出会い。
生気の無かった杏の顔にも笑みがこぼれるようになり…。
更生と夢へ向けて歩み始めたかに思えたが…。
多々羅に不祥事。警察という立場を利用して、サルベージの薬物更生者の女性に関係を強要。
そんなリークがあり、探っていたのが桐野。記事を書く為に近付いていた。
多々羅は警察を辞め、逮捕。サルベージも閉鎖。
時は2020年。あの世界的パンデミック…。
介護施設は人員削減。夜間学校は休校。
一瞬にして頼れる人も居場所も失い…。
それでもまだ“救い”はあった。
マンションに住む若い母親から突然幼子を預けられる。
最初は困惑するが、面倒を見る。介護施設働いていたからか、面倒見は良い。
一緒に遊び、食事を作り、手探りながら育児に奮闘。愛情を注ぐように。
が、またしても。居場所を突き止めた母親が現れ…。
救いの無い悲劇的なその人生。
しかし、絶望の中にも、差し込んだ希望の光や根底に人の温もりを感じる。
入江監督は同情的に描く事を避け、懸命に生き直そうとした姿を心掛けたという。
救われ、笑顔がこぼれ、幸せを感じる事もあった。
行き付けのラーメン屋、カラオケ、仕事や自立引っ越しが決まって3人で集まってお祝い…。
それまでの人生には無かった事。
ここに居て、いいんだ。
こんな新しい人生を、歩んでいいんだ。
…そうあって欲しかった。
体現したキャストの熱演。
昨年大ブレイクした河合優実だが、それを象徴する本作。熱演。
生気の無い序盤から、次第に生気を取り戻す。本来は素直でピュアな性格を滲ませて。
悲しみ、苦しみ。あるシーンの嗚咽には胸かきむしられた。
屈託のない笑顔は彼女の本来の顔なのだ。
幼子へ見せる眼差しと優しさ。
モデルとなった女性へ敬意を払って演じたという河合優実。…いや、演じたというより、在りし日の姿を生きた。
佐藤二朗も『さがす』に続く名演。本当にこの人は福田学芸会から一刻も早く決別した方がいい。
荒々しい性格だが、嗚咽する杏を「大丈夫、大丈夫」と抱き締めるシーン、サルベージで自分の事を話した杏を「よく話した」とまた抱き締めるシーン…人情が滲み出る。
しかし…。まさかの不祥事。いや、犯罪。ショックだった。
どっちが彼の本当の顔なのだろう。薬物更生者の為に熱く奔走する姿は本当なのだろう。その裏で自分の力を利用して女性に手を出してしまったのも本当の姿なのだろう。
人に混在する二面性。考えさせられる。入江監督もモデルとなった刑事の二面性に衝撃を受け、本作を作るきっかけの一つになったという。
サルベージの取材と偽って、本当は多々羅の悪行を暴く為近付いた桐野。
一見するとジャーナリズムを正義の盾にして相手を騙したヤな奴だが、彼の立場もまた辛い。
多々羅との友情は本物だった。それ故葛藤。杏への気遣いも本物。
稲垣吾郎が巧演。
吾郎ちゃんの歌声も久々に聞いた。にしても…、桐野が多々羅に女性への性暴力について追及するシーン。今見ると何だか…。
複雑ながらも感情移入してしまう人物も居れば、一切出来ない者も。
杏の母親、春海には震え上がった。
娘へ愛情の欠片は微塵もナシ。殴る、蹴る。娘は身体を売って金を稼ぐ“もの”。娘を“ママ”と呼ぶおぞましさ。
私も多くの映画を見ているが、これほどの毒親…いや、猛毒親はなかなか居ない。この存在が居たからこそ杏へ感情移入してしまう。憎悪すら抱かせる超絶嫌われ役を引き受けた河井青葉の怪演も特筆。
早見あかりが演じた杏に幼子を押し付けた若い母親には賛否分かれる。子供を押し付け育児放棄したくせに、最後の最後、杏さんに感謝したいなんて、よくもヌケヌケと。
隼人くんが実母の元に戻って幸せに育てられるのか…? 悪い母親のようには思えないが…。
隼人くん、まだまだ幼く、このほんのひと時の記憶など無いかもしれない。が、成長して、ふと思い出してくれたら…。
僕は幼い頃、母親とは違う女性と少しの間暮らした事があった。とても優しくしてくれた。
ラストは見る者を、また杏を、絶望の底へ叩き落とす。
母親から祖母がコロナに感染したと聞き、再び団地へ。
それは嘘。杏をまた身体を売って稼がせる為に。隼人は人質に。
せっかく更生の道を歩み始めた杏。振り出しに戻ってしまう。
帰ると、隼人が居ない。泣き喚く隼人をウザがり、母親が児相に連絡して連れ去った後だった。
このクソ親…!
全てを断ち切られ、失った杏は…
当初は独りでいる事が自分の人生だった。
が、ひと度人と触れ合って、出会って。
その温もりを知ったら、もう独りには戻れない。
人の輪、夢、自立。自分の人生を歩み始めた。
それを全て失った。奪われた。
当初の独りの比ではない。
立ち直れないほど身を襲う孤独と絶望…。
空にはブルーインパルスが飛ぶ。賛否分かれる中一年延期で開かれたスポーツの祭典。
その華やかさの陰で、誰に知られる事もなく…。
どうすれば良かったのか…?
何が悪かったのか…?
何が間違っていたのか…?
そもそも毒親と悪運の元に生まれてしまった事。
自らの弱さ。
多々羅の裏の悪行。
桐野の暴露。
答えは出ない。永遠の水掛け論。
コロナが決定的なとどめを差した事は否めない。
いつまで続くの?…と思ったコロナもやっと鎮静化。
多くのものを奪っていった。
多くの人が失った。
志村けんさんが亡くなった時、言われた事。コロナが憎い。
本当にそう。コロナが憎い。
コロナさえ無ければ、私たちの生活も、世界も、平常通りだった。
杏も新しい人生を生きていただろう。
人生や世の中は本当に不条理。突然、何が起きるか分からない。
それでも懸命に生きた証。
あんのことを忘れない。
主人公のあんが確かに存在して息づいていた。
けっこう痛い。
見終わったあと久々に引きずる映画だった。
まるで「禁じられた遊び」の初見時のように(ラストの後、あの子はどこに行くんだろう、って、生き延びたのかなって)引きずる。
今回も、もしあの時~だったら、とかけっこう「if」を考えてしまう。
監督が入江悠(脚本も)で、以前「ジョーカー・ゲーム」は見たことはあったけど、イマイチだったので、あれから彼の作品は見ていない。
(「サイタマノラッパー」も評判はよかったけど見ていない)
今回も、正直言って上手い監督とは思えなかったけど、気持ちの入り方が違った。オリジナルでよくここまで、と。
主人公の河合優実(あん)が確かに存在して息づいていた。
そして彼女を見ていると切なくなる。
また見直してみたい。
なんのこと?明烏?
この映画なら『子宮に沈める』を観てもらいたい。この映画の様な不幸に遭遇する前に餌食に遭っているはずだ。こんな毒親ならね。
貧困で苦しんでいる人達はこんなウマシカ者ばかりじゃない。
さて、
『義務教育を放棄したのは自己責任?』この言葉だけで、この映画の価値は決まると思う。
日本人の大概の人が忘れているか、間違って解釈しているって事。この演出家もそれを全く知らない。若しくは誤解している。また、見る者も知らない。
だから、こう言った間違いの映画が過大評価されてしまう。
薬に手を出さなくとも、明るく元気に春を売っている少女が沢山世の中にはいるんじゃないかなぁ?
夜間中学に行く場面が登場するが、昔にもこんな映画があったね。相変わらずの大日本帝國劇場。
『不幸を売る映画』や『春を売る仕事』はいい加減やめてもらいたい。
どうせなら、薬打たないで、毒親をなんとかして、警察のご厄介になるとかじゃないかなぁ結末は。
刑事が春を買っていたの?不味いでしょ。薄気味悪いね。
『親から虐待を受けた者が、また虐待を繰り返す可能性がある、と言うのは遺伝ではない。』それは間違いない。社会的な第三者によるバイオレンスが問題である事は既に示されている。この演出家は『遺伝を否定した』と言っているが、そんな事は普通外国人なら分かる事。誤解しているのは日本人。義務教育を知らない事と同様である。
寧ろ、自殺は遺伝するのかもしれない。この演出家の意図する結末だったのだろうか?トラウマになる感動的な結末。
だよ全く。
追記
パンデミックと関連付けしているが、この実話と言う事件は20年くらい前の事件なんでしょ?ちょうどバブリーな時代が終わる時期だ。大日本帝國はそれでも奈落を落ち続けたって事だね。
全530件中、21~40件目を表示