劇場公開日 2024年6月7日

あんのことのレビュー・感想・評価

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5.0あんはどこにでもいる  (追記)(追記2)

2024年6月7日
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鑑賞方法:映画館
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大吉

5.0ここ2.3年で映画を多く観るようになった私は否が応でも河合優実とい...

2024年6月7日
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鑑賞方法:映画館

ここ2.3年で映画を多く観るようになった私は否が応でも河合優実という俳優から逃れられなくなった。昨年なんか観る映画観る映画みんな河合優実が出ていてそしてそのどれもが印象深い演技だった。
実話をもとにしているということもあるのだろうが演じるではなくそこに確かに居るというような存在感を放つ彼女は本当に素晴らしい俳優だと思う。共演者の佐藤二朗も「彼女は僕が10年かけて手に入れたものをもう持っている」というようなことをインタビューで語っていたけれど同意しかない。
その佐藤二朗演じる刑事がこの映画を私に最後まで見せてくれたように思う。今時こんな刑事がいるのかいきなりあんな行動をする刑事がいるのかと。取調室のシーンは不謹慎にもクスッと笑ってしまった。実在の人物をモデルにしているそうだけどどことなくフィクションじみた存在の彼がなんとかこの目をそらしたくなる物語の終わりを私に見せてくれた。
そんな二人を見守る、監視しているのかもわからないが、稲垣吾郎演じる週刊誌記者の役もハマり役だったように思う。ばるぼらもそうだったのだけれどなんかこう文字を書く役が合うように思う。彼が文豪役の映画とか見てみたい。
とにかく演者の演技が誰も彼も素晴らしかった。どの人物からもこの物語を伝えなければという気概を感じた。
その大本は監督の思いからなのだろうか。コロナ禍で知人が亡くなり何があったのかを残しておきたいというようなことをどこかで見た気がする。あの頃家族がコロナになったのが一番大きな出来事くらいで粛々と日常生活を送っていた私には思い至らない世界を見せてくれたこの映画を、やっぱり見に行ってよかったと思う。楽しくはない。救われない。でも救われるばかりだった杏が誰かを救えるようになっていたことが、私にとってはこの物語における唯一の救いだった。自分の知らない世界をまた一つ知ることができたように思う。

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クロネコ。

4.5ツラいけれど観るべき

2024年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とにかくツラい。見通すのも苦しくなるほどに。
しかしこうした生を送った女性がいたということを我々は知るべきだ。社会の一員として。
この映画には数々の問題が含まれている。ネグレクト、DV、児童虐待、売買春、性的搾取、貧困、麻薬、依存症、セーフティネット、報道、そしてなによりもコロナ禍による断絶。
彼女をあそこまで追い詰めたのはコロナ禍なのか、社会なのか… いや、コロナ禍に押し潰されない強度を持った社会を築けなかった我々の責任だろう。
しかしカメラはそうした残酷な状況を描くだけでなく、時に訪れる幸せもきちんと捉える。
シェルターで一人暮らしを始める時に窓から外を眺める表情。日記を万引きしようか考えた挙げ句にヨガマットをプレゼントとして買う瞬間。漢字ドリル。またシャブに戻ってしまったときに「大丈夫だ」と繰り返してくれる人。ハンバーグ。玩具。公園。
それをほんの少しの台詞とともに微細な表情で感じさせる河合優実の演技はまるで本当にそんな子がそこにいるかのように圧倒的だった。複雑な面を持つ役を演じた佐藤二朗も素晴らしい。
とはいえ、冒頭のシーンが再度映されたときの「この時だったのか」という絶望感は衝撃的…
ツラいけれど、絶対に観るべき映画。

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ぱんちょ

5.0忘れられてしまう人々の悲劇

2024年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

母子家庭の貧困のリアルに背筋が凍る。
実話をベースに描かれたという物語が、壮絶な貧困の現実を観客に投げかける。
入江悠監督の腰の据わった演出と、抑えた芝居の佐藤二朗、主人公あん役の河合優実が注目だ。しかしなによりも母親の春海役の河井青葉は、2024年の映画賞で助演女優賞の有力候補となる存在感だった。

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t2law