劇場公開日 2024年6月7日

あんのことのレビュー・感想・評価

全364件中、321~340件目を表示

4.0世の中には正しい判断でも、それは最善とはならず、最悪の結果を招くことになりかねないことを強く印象づけられました。

2024年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

 2020年6月に新聞の小さな三面記事に掲載された、ある少女の壮絶な人生をつづった記事に着想を得て制作された作品です。
 機能不全の家庭に生まれ、虐待の末にドラッグに溺れた少女が人情味あふれる刑事や更生施設を取材する正義感を持つ週刊誌記者といった人たちに出会い、生きる希望を見出していく姿が描かれます。

●ストーリー
 21歳の主人公・香川杏(河合優実)は、ホステスの母親春海(河井青葉)と足の悪い祖母恵美子(広岡由里子)と3人で暮らしてきました。幼い頃から母親に暴力を振るわれ、小学4年生から不登校となり、12歳の時に母親の紹介で初めて体を売ることを強要されました。そんな過酷な人生を送ってきたのです。売春を強制されるなかで、客からシャブ中毒されてしまい、覚醒剤をやめられない身体になってしまったのです。
 ある日、覚醒剤使用容疑で逮捕されて、多々羅保(佐藤二朗)という人情味あふれる刑事から、取り調べを受けます。釈放後に多々羅から「薬物をやめるための自助グループ」の参加を勧められます。
 大人を信用したことのない杏でしたが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていくのでした。「自助グループ」では頻繁に顔を出す桐野達樹(稲垣吾郎)と知り合います。彼もまた杏の身を案じ、勉強を教えたり仕事を紹介するなどのサポートをすることで、就職も決まり、住まいも探し始めて、まっとうな生活への道を歩き出すのです。
 けれども桐野は、週刊誌の記者でした。多々羅に近づいた本当の理由は彼に関する疑惑を突き止めるためでした。「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていたのです。
 多々羅は、グループに通う女性に関係を持とうとした疑惑があり、刑事である立場と薬物を利用したことで前科のある立場を利用して関係を迫り、さらには彼女以外にも同様の手口で関係を持ったことが桐野の取材によって明らかになります。
 もちろん記事になり、多々羅は刑事をクビになり、さらには逮捕までされてしまうことに。その結果、杏の甦生の拠り所だった「自助グループ」も解散。さらに追い打ちをかけるように突然のコロナ禍によって、仕事も失い、杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまいます。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたDV被害者らのためのシェルターマンションの隣人三隅紗良(早見あかり)から思いがけない頼みごとをされるのでした。

●解説
 映画の前半、トントン拍子に事が運びます。多々羅は業務の外で薬物中毒者を更生させる団体に杏を誘い、社会復帰のために役所と掛け合います。杏は理解ある経営者に出会って介護の仕事に就き、行政の支援を受けて母親からも独立することができました。意志あるところに道ができるもの、世の中は捨てたものではありません。他人のために本気になる人たちに胸が熱くなるし、杏が抱く夢を観客も共有し、応援したくなるような展開です。希望がすぐそこに見えていたはずでした。
 ところが後半、杏を取り巻く環境はことごとく反転します。コロナ禍の職場で、杏のような非正規雇用者は真っ先に雇い止めにあい、行き場を失います。夜間中学は休校。母親にも見つかってしまうのです。そして希望を打ち砕く一撃が加えられ、杏は再び社会の底へと沈んでゆくのでした。貧困、虐待、売春、薬物中毒と現代の問題がズラリと並び、格差社会の底辺に落ち込んだ弱者の再起がいかに難しいか、その立場がどれだけもろいか、端的かつ印象的に示されます。しかし一方で、明暗の転換があまりに劇的。特に多々羅の変身は極端で、映画の流れとしてはご都合主義的とも思えるほどでした。
 ところが、杏のたどった運命や登場する人物の背景など、基本的に事実だというのです。物語自体は虚構とはいえ、現実の残酷さに別の衝撃を受けることになります。映画なら杏を救う結末も可能だったはずでしょう。入江悠監督ら製作陣は、あえてこの、やり切れない結末を選んだのでしょうか。もう一人の杏を生まないために何ができるか、見る側にも切々と問い掛けている作品です。

 監督・脚本は「SRサイタマノラッパー」で話題を集めた入江悠。今回はオーソドックスな落ち着いた演出で、杏の身に起こったことを描き出します。無駄な台詞を極力排し、彼女の優しい心根、感情をていねいにすくいとっていきました。時にカメラを激しく動かして臨場感を高め、ドキュメンタリー的な効果も生み出しています。特筆すべきは、河合優実の喜びや痛みを込めた気迫あふれる存在感。心の変化を映す「思い」の力に圧倒されます。
 河合は撮影前、入江悠監督と共に、主人公のモデルとなった女性について取材を重ねたといいます。そうして役と一体化したからこそでしょうか。想像していた以上に杏の痛みと苦しみが胸に迫り、生きる力を得ていく姿がまぶしいのです。もはや演技の域を超えていると言ってもいいほどなのです。ドラマ「不適切にもほどがある」で演じたネアカで親の愛に恵まれた不良娘の対極にある底辺のリアル。この河合の振り幅はすごかったです。 また、人懐っこさとだらしなさが共存する刑事役の佐藤二朗。情熱的でありつつ、風変わりで笑いも誘う多々羅は、演じる佐藤の個性も相まって、とても魅力的に映りました。 人情とジャーナリズムの間で苦悩する記者役の稲垣吾郎は、だれかを断罪しても胸は晴れないコロナ禍の空気を体現しています。

●感想
 どん底の境遇にいる少女が、支援者の献身と本人の努力で立ち直る。そんな物語なら、どんなによかったことでしょうか。実際の出来事をモデルにしたとはいえあまりに重く、そしてだからこそ切実に社会のひずみを突きつけるのです。
 生活保護、特別養護老人ホーム、薬物更生の施設や自助グループ。更にDV被害者らのためのシェルターマンションや、夜間中学での日本語学習など、杏の生活や行動に即して様々な制度や活動が紹介されます。しかし、それらがいかにもろいシステムか、新型コロナの登場で歴然となるでした。
 杏が置かれた状況は言葉を失うほど過酷で、コロナ禍で彼女が追い込まれていく結末には胸がつぶれる思いがしました。けれども、最も印象に残ったのは、未来を切り開こうとした瞬間の杏の表情です。河合がモデルとなった女性の人生を尊重し、懸命に前を向いた人として演じた証しでしょう。年齢よりもあどけなく、はにかんだ笑顔が忘れられません。杏が救われるチャンスは何度もありました。個人だけではなく社会ができることは何か。彼女がつないだとも言える命を映し出すエンディングが投げかけるものは大きいです。 結局一番の悪者は、私たちの隣にいてもおかしくない杏への「無関心」という魔物なのかもしれません。

 物語のターニングポイントは、何と言っても桐野の正義感。刑事ともあろう者が、助ける代わりに見返りを求め、さらには性的な強要までしているという職権濫用を暴いたわけだから、桐野の行ったことは確かに正しいと思います。
 しかし、桐野の暴露記事で多々羅が解雇及び逮捕されたことによって、これまで支えとしてきた自助グループの面々は、これからどうなってしまうでしょうか。
 薬物に依存したくなる強い衝動に対して、一つ一つの日々の積み重ねが大切であると強く語ってきた多々羅の言葉、そしてデトックスのため多々羅の指導で定期的に続けてきたヨガも、胸の内を語るグループセラピーも、自助グループに集っていた者たちにとってどれだけの励みになっていたことでしょうか。
 それがなくなってしまうことで明らかに心身のバランスは崩れたに違いありません。もしかしたら再び薬物に手を出してしまうことだって考えられます。
 杏もまたその1人であり、せっかく太く繋げてきた糸がプチンと切られたかのような絶望感を抱いていくのでした。
 すべてが終わった後に、うずくまる桐野。自分の記事がすべてをぶち壊したことを、獄中の多々良にぶちまけます。そして自分は本当に正しかったのかと尋ねるのです。
 本作のもう一つのテーマは、桐野の懺悔を通して、「正義」というものを考えさせられることです。世の社会復帰のために役所と掛け合います。杏は理解ある経営者に出会って介護の仕事に就き、行政の支援を受けて母親からも独立することができました。意志あるところに道ができ中には正しい判断でも、それは最善とはならず、最悪の結果を招くことになりかねないことを強く印象づけられました。

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流山の小地蔵

4.5衝撃作、大人達の欲に子供が犠牲、誰が一体守ってやるんだよ! 本当に心打たれた!

2024年6月9日
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泣ける

悲しい

怖い

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The silk sky

4.0河合優実のこと

2024年6月9日
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またぞう

4.5俳優陣が引っ張る 考えさせる力作 だが 描写が薄い 場面が玉に瑕 後味は人それぞれ 私的におススメ

2024年6月9日
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泣ける

悲しい

知的

まず最初に 河合優実 さんの熱演に敬意を表したい。

後半読みにくくて申し訳ないですが いわゆる 社会的制裁【懲戒解雇】と
市民の皆さんの安全のための 捜査は違うのでよろしく
俺の基本パソコン💻orタブレットなんだけど タブレットiPadは 後半何故か編集できない ので

この作品の 根幹である 実在した人物 に おそらく似てる熱演❗️

有料🈶パンフの 俳優さんプロフィール まず見たことあるの2割くらいのところ
河合さんは6割くらい 素晴らしい俳優【女優 男女平等なので気を使うわ】さんが力量発揮

基本、実話をベースにした 社会派人間ドラマ

でも先日拝見した 湖の女たち と明らかに好対照。勿論こちらの方が力作と感じた。

コロナ禍 DV とか 実話ベースだからある意味で納得

暇つぶし用にキャンディ🍬【映画館の中のガチャで購入したので 法的 道義的問題なし】持ち込んだが

画面に食らいついていて キャンディ🍬食うの忘れてた。

詳細は 映画館で確認してね。

でも まとめていうと リアル『人間の善と悪』かもね

河合さんが主役で賞賛に値するのは相違ないが 実は 本作を引っ張るのは 佐藤二朗さん演じる刑事
圧倒的な佐藤二朗さんの存在感❗️ 河合さんファンも勿論いらっしゃると思うが

本日 人間模様作品昨日封切り 3作品 でこの作品選んでみた方【この掲示板で常連の方のような ハシゴの映画ツウの方除く
あっ❗️世間一般では 映画は 会員割引なく@2000円台の模様】は 事前の予告編動画での佐藤二朗さんの演技【よーしよしよし大丈夫だ的な】の気迫で観た方結構いらっしゃると思う

佐藤二朗さん 器用とはいえないけど 引きつける熱気がある 気迫の演技
稲垣吾郎さんも好演なのですが 佐藤二朗さんの『善と悪』に押されてたかも
ただし、稲垣さんは普通の人で好演で 佐藤二朗さんを引き立たせている

有料パンフは 読みやすいので 買う習慣ある人は 迷ったら購入はアリカモです。🦆
実際の新聞記事からのストーリー ただ 時系列組み換え 一部だけフィクションあり
でも 有料パンフの ライターさん 佐々木さんの書いている『無知であることの凄惨さ 既知による残酷さ』が良い表現

ただ蛇足だけど最近気づいてきた 本作にも 法務監修 警察監修 刑務監修の方いらっしゃるスタッフロールなんだけど
当たり前だけど 監修だから【この程度は 推測すれば事実上ありうる】という確認なわけね その言葉どおり

佐藤二朗さんの最初の取り調べが 俺的に面白く奇想天外だったのだけど
刑事法関係シロウトでない 俺が検証するに 全然 法に触れない取り調べ 汗かいてるのは佐藤二朗さん役だから
ただ こんな事例は知らないなぁ。疲れちゃうし ぜひ映画館で確認して

あと いろいろと後半あるのだけれど 確実に逮捕、起訴事案とは見えなかった まあ可能性としてはあり得る
つまり違法性 というのは誰でもわかるけど 操作の基本は『構成要件該当性・条文すべたに当てはまるか❓』
あっ捜査の基本な それと欠かしてはならないのは 検察官【検事 副検事 検察官事務取扱】が判断する
違法性の大きさ→可罰性 刑罰を課す悪質性 を警察捜査段階で確認することが重要
重箱の隅的で悪いけど 最後の展開が意味不明だった
性的な行為の犯罪は 18歳 20歳 身分が学生なら真っ黒黒 ですが 薬物や泥酔😵‍💫 何らかの明白な拒否できない圧力もアウトです。ですが 許可を得ているホテルの防犯カメラ等に 明白に拒否してる映像がないと
そこまで 問える❓はぁ😔と思った。ただ 映画映像に映らないとこで何かあるのであれば 問えます。

ただ 任意団体 主催は 公務ではないよね と正直思った
あと今時の警察は 適正な捜査堅持だと思うし身内でも一般の国民の皆様以上に厳しくやってるはずだが
なんか 『厳しさと 取り調べの口調は違うよなぁ❗️』とマジ思った

昔 世界のホームラン王 王貞治さん監修の 野球入門 擦り切れる程穴が空く🕳️程読み込んだ小学生の私
てっきり 王貞治さん本人が 制作指揮したと勘違いしてた高校入るまで

ある意味で 読み取る 映画 なので 監修的には問題ないと思いました。

ただ 本作は 映画館で観ないと そのストーリー 背景 俺の言いたいことはわかりません。
是非劇場へ 社会派 人間模様作品 是非劇場で 詳細確認してくださいね

すべたに✖️ 全てに⭕️ 操作✖️ 捜査⭕️ です。

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満塁本塁打

4.0残念すぎますね、、、

2024年6月8日
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くんくん

5.0実話ベースか、これは切ないなあ、、、

2024年6月8日
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泣ける

悲しい

萌える

河合優実、あっという間に有名女優に仲間入りですね。この映画の撮影の頃はまだ知られていなかったかも。ショートカットが似合うとても良い女優さんです。
多分、この映画は代表作になるのだと思います。それくらい素晴らしかった。
佐藤二朗さんも好きで、この映画でも、善人と悪人が絶妙で良かったです。

オープニングから、たぶんこういう話なのかな、、、とと思いつつ。所々泣ける。

さらに実話が元とは、、、これは切ない。
心が痛む。

ストーリーでは、それぞれの心の声が響きますが、キャラではやっぱり佐藤二朗の役に感涙ですね。100パーセント肯定出来ないところも人間らしくて良かったです。

もう少し、公開される映画館が増えるといいですね。以前は通っていた映画館に約3年ぶりにいくことごできましたが。

なかなかパンチのある映画ですが、色々な人に観てもらいたいですね

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だるまん

3.5雑過ぎる脚本

2024年6月8日
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期待が大きかったので、大変残念な作品。

演じた俳優さんたちには、何の落ち度もない。主演女優の演技もすばらしいし、他の俳優の演技もとても良い。しかし、肝心なことを説明しないので、訳のわからない作品になった。

まず、あの刑事は、なんで、そんなことをしたのか、という点。そこに全く説明がないのは、あり得ない。
二つ目、なんで、杏は急に他人の子に母性を感じたのか。そこも不思議。控えめに言って説明不足ではないの?

星は頑張った俳優陣に送ります。

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toru

4.0ひとりの女性が必死に生きようとする姿を表現した作品。 本年度ベスト!!

2024年6月8日
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鑑賞前に舞台挨拶の動画で本作の結末を知ってしまってからの観賞に後悔(笑)
それでも結末は衝撃的だった。

当然、河合優美さん目当て。
最近話題となったテレビの不適切なドラマの影響か?
集客率はほぼ100%
やっぱり河合優美さんの演技が素晴らしかった!

親から虐待を受け覚醒剤に頼る杏。
そんな彼女を佐藤二朗さん演じる警察の多々羅が更正させようと奮闘するストーリー。

杏がとにかく可哀想。
必死に生きようとする中、事ある毎に母親に妨害される感じ。
クソ親に生まれた杏が可哀想過ぎた。

そんな中、稲垣吾郎さん演じる雑誌記者の桐野が登場。

杏、多々羅、桐野の3人が共に行動するシーンが良かった。
時々笑顔を見せる杏の幸せそうな表情が印象に残る。

後半に信じられない事件が発覚!
まさかの展開に驚く。
杏に親身に世話をしていた多々羅との接触がなくなり杏の感情に変化をもたらした感じが辛い。

記者の桐野の取った行動は正しかったのか?
悩ましい。

実話ベースと言うことが信じられないけど、この物語を取材した記者はどんな思いで取材をしていたのか?
多々羅の事を知りながら取材していたのか?
気になるところ。

多々羅のタバコのポイ捨てのシーンが多過ぎたのが気になりました( ´∀`)

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イゲ

3.0居場所という灯りが消えるとき

2024年6月8日
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自分が入れる場所が奪われるとき、人はこんなにも無力になるんだなと痛感した。誰しもがここにいていいんだという安心感は絶対に必要だし守ってあげなければいけないと思う。
たとえそれが「私はあの子の親です」と声たかだかに宣言してそのこを奪いに来ようとしてもその「親」は果たして実に子供を大切にしているだろうか?まで見極める必要があると思う。

あんさんは最後まで誰も責めずに自分で抱え込んでしまった。周りの人間が自分の問題を彼女に押し付けていなくなっていく。それが無性に腹立たしい。

そして彼女の母親にも心底腹が立ったのだが早見あかり演じる母親がなんの理もなく子供を押し付けて去っていくところにも本当に腹が立ったしあんが死んだあとの態度にもどこか人ごとのようにさらっとコメントしてさっさと帰っていく様も本当に身勝手だなと思う。

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マルホランド

3.5やっと

2024年6月8日
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ごっとん

5.0いまも誰かがこの状況下にいるのかもしれない

2024年6月8日
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泣ける

苦しい!随所で涙が溢れてきた。泣ける映画だと思わなくてタオルを忘れてきたことを後悔。服の袖で拭いました。

気に入った手帳、かわいいペン、ブランドものかどうかはわからないけどたぶん2000~3000円なんかじゃ買えないような洋服、彼女の購入品を見ていると自分の気分が上がるようなものを纏って、自分自身を大切に出来ているんですよね。

そして、子どもを預かったときの杏が警察にも言わずに世話をし続けてたのは入居するときに言われた「住居者で助け合って生活している」が念頭にあったんだろうなぁ。その他にも「住所を公表しない」も守ってる。
良くも悪くも人の言うことを聞ける子だから、例の記事が出なかったら杏は被害に遭っていた可能性が高いし記者の選択は間違っていなかったと思う。

多々羅のアドバイスも聞いて実践できてるし、祖母への思いから介護職を選んで、子どものことを思って面倒も見れる。
そんな優しくて真っ直ぐな生き方だってできる子が、諦めるのはふとした瞬間で、大きなトリガーがあるわけでもなく、日々の積み重ねからある時ぷつんと途切れてしまう。

鑑賞後、杏はどうやったら自分の生きたい生き方ができたんだろう?と考えたが、長い月日が経つことで過去が薄れ、解決したのかなぁ。そこに至るまで耐えられるかどうかが鍵だった。

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トウマ(20代/女)

4.5なんかすごい作品 ストーリーもだけど、 それより何より、 主人公の...

2024年6月8日
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なんかすごい作品

ストーリーもだけど、

それより何より、

主人公の熱演が素晴らしい

もっと宣伝されるべき

迷ったら絶対見るべき

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jung

4.5寄り添う。フォーカス。 今日に○。 一日一日の積み重ね、 そして1...

2024年6月8日
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寄り添う。フォーカス。

今日に○。
一日一日の積み重ね、
そして1週間、1ヶ月、1年‥
そう思って見つけた希望を大切にしていただけなのに

絶望と感じるようなそんな生ぬるい言葉では片付けられない

針の先ほどのちっちゃな光を見つけて、手を伸ばし掴みかけると消えてしまう。
そんな繰り返しで観ていてとても苦しかったです

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M U

4.5主演の役の在り方にただ取り込まれる

2024年6月8日
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泣ける

悲しい

幸せ

主演の彼女の存在を知り意識したのがごく最近。雑誌AERAの「現代の肖像」にも取り上げられていて深く興味を抱き、ニワカながらこの作品に辿り着いた。
何かその、憑依型の俳優、というのが何か安直なネーミングに思えるくらいに自然な役の在り方が、其処にあった。
既に沢山の映画や演劇、ドラマに出演されているので、楽しみに追いかけたい。

主人公の置かれている悲惨な状態からの再生のステップが丁寧に描かれ、途中毒親の幾度かの登場で揺らされるものの、何とか前向きに持ち直す展開に、観ているこちらとしても救われていく感覚があった。
それなのに、後半、心から手を差し伸べた警察官の二面性に、ヒトの弱さを感じたのと、それがきっかけに崩れていくのがいたたまれなかった。

コロナ禍がもたらしたものを記録する意図があったとの監督の言を目にし、確かに残すべき作品であるとの認識を私も持った次第。

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entranslope

4.0主人公の素晴らしい演技!

2024年6月8日
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悲しい

知的

土曜日の昼8割程度埋まっている観客席からはオープニングからしばらくの間、地獄、絶望という感情で埋め尽くされたように感じた。途中少しの希望の光が見えてきただけにさらに深みを増す絶望。刑事もジャーナリストも主人公に寄り添いきれずに終わるのはとても現実的でもあり切ない

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tomクルー

5.0巡り合わせ

2024年6月8日
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巡り合わせというものは、本当に人を救いも絶望も等しく与えるのだなと思った。
巡り合わせのおかげで主人公は立ち上がる事が出来たし、巡り合わせのせいでこうなってしまった。
実話ベースということもあり、"辛い”という言葉だけで済ますのは良くないように感じた反面、主人公の強さに感銘を受けた。
今後忘れられない作品だと思う。

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ふゆ

5.0本当のどん底とは

2024年6月8日
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fuji3

4.5光と絶望。

2024年6月8日
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SAKURAI

4.0もっと実話に沿った方が良かったのでは?

2024年6月8日
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大阪のなんばで初日に見ましたが、客席は余り埋まってなかった。
朝日新聞で「ハナ(仮名)」として登場した記事の女性がモデルだと言いますね。
医療・福祉の現場(医療専門職や介護専門職ではないですが)にいたので、分かることもあり、「全くそうだな!」と思うことも盛りすぎだと感じる描写もあった。

逆に、ドラッグストアの店員の返事、区役所生活保護窓口職員の(いかにもな)口ぶりなど、細部は(シニカルで)この映画の監督らしさが出ていました。
実際に見聞きしているからでしょう。つまり、日本社会の普遍的・恒常的風景だから。
杏さんに対する施設事務の対応のまずさなど、まさに蟻の一穴から人間の運命が大きく狂うきっかけになることもあります。それも本当に実感することです。
施設長が「面目ない」と言っていたが、それどころではないし、おそらく給与明細を送った本人であろう、バツの悪そうな顔をしていた事務員の表情(演技)も良かった。

いろんな人間の質の悪さを見せつけられた映画でした。
欧州・米国ともに、福祉政策で失敗はするが、その後のフォロー、立法化・制度化が思い切ったものなので、他の国も参考にするのだと思う。
キーになるのは政策を進める側と国民の側の「当事者意識」だろう。
メインビジュアルに書いてある「彼女は、きっと、あなたのそばにいた」だけでなく
「あなたの、そばにも、きっといる」多くのヤバイ日本人が自分から変わらない限り、日本は今後どんどん衰退すること、それを示してくれたと思います。

あと、心理的安定性のない人間は部屋を片付けられない、貧困なほどゴタゴタ物を置く、料理を自分で作らない、それも日本の住宅事情もあるだろうけど、日本の危機ですね!

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YK

5.0パンフレットともどもご自身で味わっていただきたい

2024年6月8日
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何をどう書いても自分の語彙だけでは、浅薄さと陳腐さの証明しかできない。そんな気分にさせられる強烈な映画でした。

なので、ここ数年ほとんど買ったことのないパンフレットを購入して、映画を深掘りすることにしたのですが、この映画が製作された経緯や関係者の思いがとても丁寧に伝わる記事が満載されてます。
編集はキネマ旬報社、ということはかなり本格的?

全体的に実話ベースの中でシェルターマンションで幼児を預かることになる展開はフィクションとのことですが、これにもちゃんとした理由があります。
社会復帰の過程で『誰かをケアすることで1日1日を積み重ねていけるんだ』と思える経験はたった一度の使用で逆戻りしてしまう薬物に抗うための大きな支えになるのだそうです。
あとは概ね実話ベース(多少の時系列の整理はあるものの)。
本当に存在していたあんの人生を、なるべく本当に辿りたい。

冒頭1ページ目のイントロダクションだけでも、この映画が放つ訴求力の理由が分かるし、関係者インタビューを読めば、それぞれの強い想い(あんは確かにそこにいたし映画を通じてみんなの心に生き続けて欲しい)がひとつにまとまると、こんなにも凄い映画ができるのだということがよく分かりました。

映画レビューというより、パンフレットの宣伝みたいですが、かなりのお勧めです。

あ、かなりのお勧めというのは、パンフレットのことで、映画は今年の邦画で間違いなくベスト級!必見です!!

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グレシャムの法則