劇場公開日 2024年6月7日

「子役の人権が気になった」あんのこと おたまさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5子役の人権が気になった

2024年6月26日
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悲しい

作品の出来自体は悪くはないと思うけれど、先日観たミッシングは、同じように救いのない結末ながらまだ登場人物が前を向こうとするだけ鑑賞後の気持ちがスッキリする。

本作は(ノンフィクションだから仕方ないが)、絶望の中から立ちあがろうとする主人公が結局悲劇的な結末を迎えると言う、ダンサーインザダーク的ムナクソエンドなので、気分が鬱っぽいときは見ないほうが良い。

しかも「あんのこと」と言う「ある人物の一生についての物語」を匂わせるタイトルと「なんとなく悲劇っぽい予告」で、ある程度結末の予想がついてしまうため、配給会社は広告戦略をもう少し考えてほしい。

作品そのものについては諸感あれど、昨今よくある悲劇のうちのひとつに過ぎないのかなと思うに留まった。残念ながら現代日本社会は、映画の創作が追いつかないほど過酷な事件が毎日のように起こっていて、我々も感覚が麻痺してしまっており多少の悲劇では心が動かなくなってしまっている。

そんな中で非常に気になったのが子役(幼児)のこと。

まずこの子が泣いてるのは当然演技ではなく、この子に取って何かしら不快なことが起こっていたからで、それは撮影のために置かれた環境のせいではないのか、この子は不本意な状況に置かれて泣いているのではないかと言う危惧が拭えない。

ある程度の年齢なら役と言う認識もあるだろうが、この年齢ではどうなんだろう。

本作制作にあたり、幼児がゴミ屋敷汚部屋に連れて来られ、周りで大人達が怒鳴り合っている状況を作り出すのは必然だったかもしれないが、この子供に取ってはどうだったか。ママから引き離され、ただただ怖かったのではないか。(実際どんな状況で撮影が行われたかはわからないが)

加えて親が了承していれば問題ないのかも知れないが、オムツを変えるシーンで子供の身体の一部がハッキリ映るような映像は、幼児の人権を無視してはいないのか、ここらへんが他人事ながら非常に気になった。恐らくこれが女児ならこのシーンはなかったはず(と信じたい)だが、男児なら写しても良いのか。

世の中幼児に欲情する異常性を持った人物も実在し、被害もニュースになっている。

この子供に撮影の記憶はないだろうが、映像は半永久的に残る。撮影する際、そこを隠すように配慮もできたのではないかと思うのは、過剰反応なのだろうか。

ドラマ不適切で「インリマスィーコーリネーラ」が過剰に口出しするシーンがあったが、まだ何もわからない幼児に対しても少しコーリネーロする必要があるのではないかと愚考した次第。

→神木くん少年時代の妖怪ナンチャラと言う作品は酷かった。ご本人がどう思っているかはわからないけど、あれは児ポに引っかかるのではと思った。

※面倒くさい方に絡まれたのでコメント非表示にします。

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おたま