「無垢」あんのこと なつさんの映画レビュー(感想・評価)
無垢
クリックして本文を読む
すごい作品を観てしまった
上映中、ほとんど泣いていた。
あんが、日記を買ったり(盗まなくて良かった…)ぎこちなくはにかんだり、一歩引いてた所から少しずつ周りに馴染むようにがんばったり、そんな一挙一動に心を酷く揺さぶられ、とにかく涙が止まらない。
もう、彼女を愛さずにはいられない。
それくらい純真で、周りの優しさを素直に聞き入れスポンジの様に綺麗なものを吸い込んでいく。
奪われた少女時代を取り戻すように勉強し、働き、日記に丸をつけ、自然に笑えるようになっていく。
どんぐりころころなんて、他愛のない言葉も全て拾い上げる。
あんなに実の親から虐げられていても、腐るところなく明るく染まっていく。
アパートでカーテンを開けた瞬間、光があんを射し込み「すご…」そっと呟く。
しかし、悪いものも諦めたように吸い込んでいくのだ。
周りの大人達の勝手な優しさや裏切り、搾取、世界情勢、それらのピースが全てハマってしまった時、あんは真っ黒になってしまう。
最後に放たれた「恩人」の言葉。
一瞬、報われたと思ったがそうではないのだ。
あんの生涯はそんな陳腐な言葉で片付けていいものではないのだ。
青い空にはインパルスが。
そして、あんを「ママ」と呼び依存する寄生虫毒母は上映中脳内で50回くらい刺しておいた。
コメントする
uzさんのコメント
2024年6月13日
安物でいいハズなのに雑貨屋で手帳を買い、ペンはキラキラのマスコット付きで…
端々に杏の少女性が表れてましたよね。
包丁を手にしたシーンでは、絶対に刺してほしくないのに「刺していいよ」と思う不思議な感覚でした。