「2期に繋がる最高の終わり方」劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re: なおぴーさんの映画レビュー(感想・評価)
2期に繋がる最高の終わり方
皆さん最後のシーンについての考察をなされているのでここは僕も1つということで自分なりにまとめてみます。
結束バンドは今後未確認ライオットというイベントに参加することになりますが、後藤ひとりという人間が未確認ライオットに臨む上で鍵になるのは「ギターヒーロー」、「結束バンドの後藤ひとり」。この2つだと思ってます。
今回の映画前編・後編の内容から分かる彼女の成長は「ギターヒーロー」という偶像は、未だ現実の自分とは対極にあることに気づいたこと。
その証拠に作中でも「ぼっちちゃんが「ギターヒーロー」なんでしょ」という問いかけに対し「いっ今の私なんてまだ全然ヒーローじゃないし」と答えています。
ここから彼女の夢は承認欲求を満たすだけのバンド活動から、「結束バンドのヒーロー」になることに変わったのだと思います。
つまりは等身大の自分の成長、これはギターヒーローからの脱却と言い換えてもいいのではないでしょうか。
また、オーディションや文化祭では彼女が覚醒することで窮地を脱しますがが、これは彼女が人間として成長したおかげで脱したというには、やや元々持っていた技量を外部のトリガーで発揮した感じが否めません。
つまりはギターヒーローというポテンシャルのおかげだと拡大解釈します。
しかし、ここからの彼女はギターヒーローという恩恵を利用せずに進んでいきます。それは現実の自分がまだギターヒーローを名乗るには至らないこと。結束バンドのヒーローになるという夢のために虚飾から脱するため。
きくりさんが「敵を見誤るなよ?」と言うセリフがありましたが。
後藤ひとりにとっての敵とは自分自身、未確認ライオット編においてはギターヒーローという肥大化したハリボテだと考えます。
自分自身と向き合い、虚飾のない自分を受け入れ、自分のロックを見つけること。
彼女にとってのロックとは承認欲求を満たすためのものでは無かったはずです。
そうした彼女のロッカーとしての原点を思い返すための、あの最後の描写だったのだと僕は考えています。