「Merveille」めくらやなぎと眠る女 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Merveille
原作は未読で、オムニバス映画の構造だったのかーと上映始まってから知ったくらいには情報を入れてなかったです笑
字幕版の方での鑑賞。
結構面白かったです。
3.11の数日後の日本で暮らしている人々の少しだけはみ出した不思議な日常を描いている作品で、原作の雰囲気そのまま落とし込んでいるんだろうなーというのが未読の身でも伝わってくる作りになっていました。
会社では雑用をたくさん任されている片桐さんが家に帰るとスタンバってるかえるくんと一緒に東京に再び起こる地震を2人で止めようとするやり取りがめっちゃ面白くて、かえるくんのリアクションにビクビク怯えながらもしっかりと話を聞いて検討したりと、2人だけの空間での会話劇は長いこと見れそうなくらい不思議な空間でした。
みみずくんというワードが出てきた瞬間「すずめの戸締まり」と同じテーマだ!と何故だかわかりませんが嬉しくなりました。
すずめはテーマ的に恐怖の対象として扱っていましたが、今作では姿形こそはイメージだけなので、恐怖はかえるくんの語り口のみというのも切り口が違うので、その多様性込みでこのエピソードは楽しかったです。
小村周りのエピソードは女性関係のものが多く、当人は別にそこまで意識しているわけでは無いのに色々と寄ってきたりしたりと、小村大変そうだなーというのが上映中ずっと頭の中にありました。
小村の奥さんのキョウコの無気力な感じからの家出だったりと、勝手な人だなーとムッとしながら観ていたんですが、過去のエピソードとか語られてもこの人相当の変人だなと最初から最後まで思っていました。
そこから同僚の人の荷物を妹に届けてくれと言われて届きたら、妹とその友人が何故かいて…といったエピソードに繋がって、そこからの展開はあらあらまぁまぁなものになっていき、それ以上の感想は出てきませんでしたが、ラストのフワッとした感じといい独自の色全開なのでハマる人はとことんハマるんだろうなと思いました。
アニメーションは日本原作なのにフランス製作なのもあって独特なタッチの絵で作られており、男性キャラとかえるくんのデザインは良い味を出していたんですが、女性キャラが好みの分かれるもの…というかこれを好む人っているのか?ってレベルのデザインで、声優陣の声質とキャラが全く合ってない歪さには胸がモゾモゾしました。
キョウコが20歳ですと言ったシーンで「ほんまに!?」と声が出そうになりましたし、座席からちょっとズレ落ちそうにもなりました。
それくらいインパクトのある顔なので、一度見たら忘れられないのは確かだと思います。
これを機に原作にも触れて見ようと思いましたし、村上春樹さん作品もそういえば読んだ覚えがなかったので、これは良いきっかけになるなとご縁も共にありがたやありがたや。
鑑賞日 7/28
鑑賞時間 20:50〜22:45
座席 B-12