「ファストファッションの構造批判とオカルトの合体」NOCEBO ノセボ かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
ファストファッションの構造批判とオカルトの合体
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当初は、順風満帆な生活していたのに謎の体調不良に襲われて仕事も信用も失いかけているクリスティーンが不条理な被害者に見え、ダイアナの用意周到な策略の前に手も足も出ないのがもどかしくてストレスを溜めていたが、クリスティーンがファストファッションのデザイナーで縫製の手配もしていたのが分かり、ダイアナが、ミシンがどうとか、縫い子がどうとか試すような言葉を口にし、ファストファッション界の搾取する側される側として、クリスティーンがダイアナに相当な恨みを買っているのが分かってくる。
恨む理由がはっきりしたらクリスティーンが傲慢な搾取者としか見えなくなって、一転してダイアナの復讐を応援してしまった。
クリスティーンが自分のしたことをしっかり認識させられ、ダイアナの娘と同じ目に遭わされて、カタルシスを感じた。
怪異現象が、ダイアナが選ばれし呪術者ということで全部説明がついてしまうのはちょっとお手軽すぎだが、上手い設定だと思った。
ダイアナの復讐の標的はクリスティーンなので、夫のフェリックスは邪魔をさせないように排除するが、殺すまでしないのはダイアナの「良識」なんだろう。でも、最愛の娘を奪われたことへの復讐は、クリスティーンの最愛の娘に向けられて、そう来るか、という伏線回収でした。
高いヒールの赤い勝負靴が、要所要所でクリスティーンの名札代わりになっていた。
ダイアナの復讐は、夫婦で納得し、協力して成し遂げたようだが、残された夫が可愛そうだった。彼、いい人のようです。
犬に集った無数のダニ、体を這い上がってくる巨大ダニ。。。ムズムズするほど気持ち悪い!
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