「正しさや理屈や道徳心よりも向き合い貫くという事」水平線 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
正しさや理屈や道徳心よりも向き合い貫くという事
2024年劇場鑑賞18本目 良作 61点
まず、あのピエール瀧より足立智充の方がどことなく怖く見えるのが末恐ろしい
というのも、2年前の主演作 夜を走る での衝撃たるや彼を認識し始め、そこから4.5作ほど彼出演の新作を鑑賞してきたが、助演クラスまでの配役であの佇まいと声の芯が通ってない感じが前述の作品が脳裏によぎる
今作の話をすると、確かアップリング吉祥寺でリリーフランキー主演で同日上映開始の作品 コットンテールと休憩挟まずハシゴした記憶で、正直な話中盤がっつり居眠りし、大事な引き込まれる部分ががっぽり抜けているので、公平な評価が出来ないのが悔やまれる
それでも印象的だったのは、主演であるピエール瀧が今作では荒々しくどこか狂気的な役ではなく、どちらかというと所謂一般的に熟した感覚を持っている年配のおじさん役で、少しずつ親以外の正解や世界を見えてきて自我が生まれてきた娘と、小さな港町故街としての周りからの認識や存在はあるものの、震災で嫁を亡くしどこか心そこにあらずで孤独に営む彼との、あることをきっかけにお互いが混じり合っていく様は、わかりやすく"静"と"動"であったり"暗"と"明"の構図で、特に主演のピエール瀧演じる井口が、正しさや理屈や道徳心よりも、そんなことわかってるよと気性を荒げることなく、心の中で亡き嫁に最善の花向けを彼なりに貫いているのが、結果これから先も生きる娘からの対応であったり、自分に対する周りからの関わり方の答えになってしまうけれども、もうそれは一緒に墓に入ったも同然ともとれる行動で、最愛たる証明なのかもしれない
コメントする