「日本刀VS素手で成り立つ説得力はすごいが、絡みが少なくて物足りない印象」犯罪都市 NO WAY OUT Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
日本刀VS素手で成り立つ説得力はすごいが、絡みが少なくて物足りない印象
2024.2.27 字幕 TOHOシネマズ二条
2023年の韓国映画(105分、PG12)
ソウルを舞台にして、麻薬犯罪に関わる破天荒刑事を描いたアクション映画
監督はイ・サンヨン
脚本はキム・ミンソン&イ・サンヨン&マ・ドンソク&イェ・ドンウ
原題は『범죄도시3』で「犯罪都市3」、英題は『The Roundup: No Way Out』で「検挙:出口はない」という意味
物語の舞台は韓国のソウル
前作までの活躍によってソウル広域捜査隊に配属になったマ・ソクト(マ・ドンソク)は、通勤中にいざこざを「超法規的措置」で収める破天荒ぶりを発揮していたが、チーム長のテス(イ・ボムス)は「やりすぎ」に苦言を呈する毎日を過ごしていた
街では、日本発の合法ドラッグ「ハイパー」が蔓延していて、それは日本のヤクザ組織「一条会」のソウル支部が横流しをしていたことが原因だった
さらに、ソウル支部から強奪して別ルートに流す輩も出てきていて、夜のソウルには危険以外の香りがしなかったのである
ある日、クラブ・オレンジの前で一人の女の死体が発見される
ドラックを服用した後に遺棄されたと見られていて、「ハイパー」の成分が大量に検出されていた
本来なら麻薬捜査班が動く案件だったが、ソウル北部警察の麻薬取締班のチーム長・ギョンシク(リュ・ソンヒョン)が行方不明となっていて、そこでソトクは管轄を無視して動き始めてしまうのである
映画は、前作までと同様に「ソトクが暴れるところを観る」という内容になっていて、一条会から派遣された殺し屋・リキ(青木崇高)との戦いがクライマックスになっている
また、横流しされたブツを流す連中や、汚職刑事たちの暗躍なども絡んできて、登場人物が思った以上に多い
一条組(日本&ソウル)、白鮫組(中古車ディーラー&クラブ)、江南クラブ(ドラッグの横流し)というヤクザ組織と、ソウル広域捜査隊、ソウル北部警察、九龍警察、セリフ付きキャラだけで50人近くはいる感じになっている
とは言え、そこまで人間関係を重要視する必要はないので、ざっくりと捉えておけば良いのではないだろうか
映画の見どころはソトクの無双であるが、今回は鎮圧シーンが多すぎるのと、絶体絶命みたいなピンチには陥らないので、ラスボスを倒した時の爽快感というものはあまりない
あっち行って鎮圧、こっち行って鎮圧という感じにシーンが流れていくので、もう少し一本道のような感じで、次々と敵を倒していくというパターンの方が良かったのではないだろうか
いずれにせよ、ヤクザと金とドラッグと暴力という映画なので、話の展開などに新鮮味を求めるのは無理だと思う
ソトクのキャラだとロマンス展開にもならないので、単調な感じは否めない
日本刀VSソトクが見どころではあるものの、絡みが最後の1回しかないので、もっと多くの対決を見たかった
ドスを持った雑魚キャラとの対決、1回目の邂逅でVSリキが引き分けに終わり、2度目の対決で二刀流みたいな感じにヒートアップしていけば、さらに盛り上がったのではないだろうか