最悪な子どもたちのレビュー・感想・評価
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「最悪」は「最悪」からしか生まれません。
映画撮影のドキュメンタリーを観ているよう…
主人公4人は実際に北フランスの撮影地
近辺で行われたオーディションで選ばれた
演技未経験の少年少女たち。
この作品のテーマが活かされた
たどたどしさの中に見え隠れする演技力に
心惹かれる、感情がもっていかれる。
「最悪な子どもたち」を生み出したのは
より「最悪な大人たち」であることを
肝心の大人たちが気づいていない。
「子どもたち」を最悪と思っている大人こそ「最悪」なのではないだろうか
2024.1.17 字幕 アップリンク京都
2022年のフランス映画(99分、PG12)
訳ありの地元の若者で映画を作る様子を描いたヒューマンドラマ
監督はリーズ・アコカ&ロマーヌ・ゲレ
脚本はリーズ・アコカ&ロマーヌ・ゲレ&エレオノール・ギュレー
原題は『Les Pires』で「最悪」、英題は『The Worst Onces』で「最悪なもの」
物語の舞台は、フランスのブローニュ=シュル=メールにある「ピカソ地区」
映画監督のガブリエル(ヨハン・ヘンデルベルグ)は、地元の若者を集めて「北風に逆らえば」と言う映画を撮ろうと考えていた
オーディションの結果、4名の子どもたちが選ばれた
物語は、ある男と妊婦がいて、妊婦には息子と娘がいると言う感じに内容だが、物語の詳細がどんなものかはわからない
男役に17歳の出所帰りにジェシー(ロイック・ベッシュ)が選ばれ、ある件でビッチ扱いされているリリ(マロリー・ワネック)が妊婦役を演じる
息子役にADHD持ちのライアン(ティメオ・マオー)、その姉役にレズビアンであることがバレているマイリス(メリーナ・ファンデンブランケ)が配置されている
その他にも、息子と喧嘩をする少年(Milan Hanquez&Nolhan Miny)が登場し、ラストシーンでは少年の祖母役の女優(ドミニク・フロ)まで登場する
予告編でも登場する「自分の言葉を使って喧嘩をするシーン」は、リアリティを出すために「本当の喧嘩になってもカメラを止めない」様子が描かれていた
地元民は「街のイメージが悪くなること」を心配していたが、助監督のジュディス(エステル・アルシャンボー)は「街によっては子どもを出さないとシャットアウトする場所もある(監督の体験談のような気がする)」と言い、「皆さんの子どもは聖人君子なのですか」と返す場面もあった
このテイストで映画がちゃんと完成するのかはわからないが、監督の撮りたいものは撮れていたようで、出演者も周囲に疎まれながらも懸命に演技を続けていた
だが、あえて普通じゃない人を選んでいる理由が周囲にはわからず、元々あった火種はあっさりと発火し、燃え広がってしまうのである
邦題には「子どもたち」と言う言葉がついているが、原題、英題ともに「子どもたち」とは言っていない
内容に関しても、「子どもたちが最悪」と言うこともなく、彼らを映画に出させたくない大人であるとか、映画制作のために起こす必要のない騒動を起こしている制作サイドの方が「最悪」と言える
なので、この邦題がチョイスされた理由はよくわからず、誇張される普遍性に対する感情の方が「最悪」のように思える
いずれにせよ、劇中劇の意味はほとんどわからない内容で、地元の印象を考えるなら、映画全体が与えるイメージを考慮すべきように思う
最終的にライアンが妊婦になって、鳩が飛んでいくシーンがあるのだが、この作品の完成形を地元民が見ているわけではない
なので、単に撮影風景だけを見て批判しているので、それは遠回しに言えば、出演者の選出に不満があり、彼らが地区の代表として出るのは問題ありと考えていることになる
そう言った意味では、地域のコミュニティー委員や口だけ出してくる「大人が最悪」と言うものなので、邦題をつけた人も同じ思考なのかな、と思ってしまった
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 「最悪の大人」はいても「最悪の子供」なんていないのではないだろうか。「大人の世界」に付けるべき形容詞を代わりに「子供」に付けているだけで。
①素人を起用した映画は既にたくさんあります。映画作りを如何にドキュメンタリー風に撮った映画もたくさんあります。
だからコンセプト自体はそれほど目新しくはありません。
②この映画がユニークなところは、
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