劇場公開日 2025年1月31日

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「新しい事や変わった事をすると、必ず批判され笑われる日本。」怪獣ヤロウ! ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0新しい事や変わった事をすると、必ず批判され笑われる日本。

2025年5月7日
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鑑賞方法:VOD

笑える

癒される

カワイイ

物語冒頭。主人公が撮った怪獣映画が、文化祭で生徒たちにバカにされ、笑われ、自信を無くすシーンにて。
その時、先生が主人公にかけた言葉。
(`・ω・´)

「どんな世界でも、新しい事や変わった事をやろうとすると、必ず批判されたり笑われたりする。でもな、そんなものぶっ壊せ。」

のセリフ。聞き覚えのある話だな、、、
(p_-)y-~~

芸人オードリーの真骨頂である「ズレ漫才」の発明は、
今とは違い若林がボケ役、春日がツッコミ役時代の時、
とある放送作家から「1000人以上のツッコミを見たが、春日のツッコミは下手。ポンコツのツッコミだ。」
と指摘された事が起因だと言われている。

そのポンコツ具合を研究するうちに、下手なツッコミを入れた瞬間よりも、
その後のフォロー、ツッコミに対するトークの掛け合い部分の方がやたらとウケた事から、
「ツッコミができていない」というジャンルの漫才をすればいいと気づいた若林が、
突き詰めて形にしたのが今の「ズレ漫才」だった。

しかしこのズレ漫才、ネタ見せで披露する度に放送作家からダメ出しを食らいまくる。
加えて、春日のピンクベスト衣装もダメ出しを食らい、
キャラ芸人の異質さも受け入れられず。

自信喪失しかける中「ラ・ママ」のネタ見せで、
「またせたな〜」でお馴染みの、コント赤信号の渡辺リーダーが、ズレ漫才を褒める。
初めてオードリーのズレ漫才を認めてくれたのが、リーダーだったのだ。

それと同じじゃん。
( ゚д゚)ハッ!

この手の話、クリエイティブな仕事にはよくある話。
キングコング西野が絵本作家に転身した時も、こんなエピソードがてんこ盛りだった。
相方の梶原がYouTuberに転身した時も、芸人仲間が最初はバカにしてた。

バカにしていたはずのFUJIWARAのフジモンや千原ジュニアらが、
今では、てのひら返してYouTube動画を積極的に挙げている。バカバカしい。
バカにされた当人らは言いづらいだろうから、私が代わりに言ってやる。

「おい、そこの顔面崩壊芸人と、当て逃げ芸人。ほんとお前ら、芸人である前に人としてクズだぞ。恥をしれ。」
m9( ゚Д゚)クズ!

私は子供の頃、早く大人になりたかった。大人になればなんでも好きな事を、
なんの制約もなくできると信じていた。

しかし現実は違った。
この作品の主人公、ぐんぴぃ演じる山田も、大人になったら怪獣映画を撮ることはなく、
ただのしがない公務員になっていた。

決して公務員の事をバカにしてるわけじゃないなんて心にもない事を言いたいわけじゃないなんて言わないよ絶対(by槇原某)。

本心の本心は、公務員なんてただの公務員だ。
いつだかの子どもたちのなりたい職業ランキングで公務員が上位に入った時、
あの瞬間に日本は間違いなく終わった。
怪獣映画を撮りたい子供より、公務員になりたい子供の方が多くいる国なんて、
滅亡真っしぐらだ。
実際、この国は終わりかけている。

主人公たちは観光課の職員だったが、
まさに今の観光業の世界をみれば、日本国の終わり具合は一目瞭然。
左も右も中国人韓国人観光客だらけ。北も南も欧米人だらけ。
観光地のタクシー運転手が、言葉の通じない外国人だらけの乗客にストレス溜め込み、
久しぶりの日本人乗客が乗り込んだらホッとしたのか、
堰を切るかの如くお喋り機関銃と化したと、
先週オードリーのラジオで若林が語っていたじゃないか。
日本は終わってんだよマジで。
(ノ`Д´)ノ彡┻━┻

ただ、この映画の中でぐんぴぃが提示したのは、
「だったら公務員が映画を撮ればいいんじゃね?」
という逆転の発想だった。

実際、ご当地映画は年々増えている。私の周囲の町、たとえば厚木でもご当地映画制作の話が出ている。
鈴木京香が出るらしい。マジか。エキストラ応募するか5分だけ真剣に考えたほどだ。

怪獣映画撮りたいなぁ→圧力かかります→ご当地らしい映画にします→順調に撮影進みます→アクシデント発生→やっぱり怪獣映画撮ります→圧力かかります→→→
なんて事が続くわけだが、確かに安っぽいし、B級っぽいし、辻褄おかしいし、
そんなのありえねえって思うのだけど、
新しい事をやろう、変わった事をやろうというのは、結構需要があるもんで、
だからこそ人類は停滞しかけた文明を、幾度も幾度も発展させてきたんだなあと改めて感じたし、
戦争でガラガラポンするよりは、怪獣映画でガラガラポンするほうがよほど健全じゃねえか、
ええやんええやんてな感じで、少しだけハッピーな気分になれた次第。
出来上がった完成品も、まあこれはこれでアリかなと思える仕上がりだった。

それにしても、ぐんぴぃのバキバキ童貞っぷりは信用できるなあ。
カカロニの栗谷は裏切って彼女作っちまったもんなあ。
あいつはもう駄目だ。ぐんぴぃは信用できるなぁ。
∠(`・ω・´)

良かった演者
清水ミチコ
手塚とおる
田中要次

ソビエト蓮舫