「レベルが高い」宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
レベルが高い
普通に考えたらあり得ない話なんだよ。
ロトの当選くじが38度線を超えちゃって、それを換金するために南北の兵士が協力するっていう。
でも小ネタを挟んで「なんとなく、ありかな」って展開にするのがうまいんだよね。
ほぼコメディ展開なんだけど、たまに部外者が話に入ってくると「真面目にさばかなきゃだぞ」ってなって、結局コメディで落としてくとか。
小さな伏線を張って、回収してくのもうまいね。
ラストも、この話を、どう落ち着かせるのかなってところで、そこまでの伏線をうまく使って「まあ、このくらいで落としてくれたらいいよね」ってなる。
そしてコメディで引っ張ってきてラストシーンなんだけど、ここは涙が滲んだ。
南北の兵士は仲良くなるんだよね。お互いにバカっぽいし「また会って飲もうな!」って感じなの。
でも、それは無理。
同じ言葉を話す、同じ民族が、分断されて違う国に住むって、やっぱ無理あるよね。
戦争しててもいいから、若者の交流はさせようとも思ったけど、それできるなら、停戦もすぐ終戦になるね。
全体的にあり得ない話をコメディでまとめて、テーマをしっかり伝えて泣かせるっていう、韓国脚本のレベルの高さを感じたよ。
いなかびと さん、コメントありがとうございます。
重い話を笑いで包むの難しいんだと思います。やれる脚本家は日本にもいると思うんですが、そういう企画がなかなか成立しそうにないですね。
私もこの作品の脚本がよくできていると思いました。今の日本に困難な状況を笑い飛ばしてしまう脚本を書く人がいるのかなと感じます。まぁ、そんな爆笑映画を作ろうとする製作者や映画会社がそもそもあるだろうか。たぶん、無い。