「最高の素材でも演出次第で…?」IL VOLO in 清水寺 京都世界遺産ライブ imaxmaxさんの映画レビュー(感想・評価)
最高の素材でも演出次第で…?
映画が始まっていきなり「誰も寝てはならぬ」を熱唱。すごい歌唱で圧倒される。文句なし5点満点です。しかし映画館では音が割れ気味、ちょっと残念。ただそれをも忘れてしまう熱唱が続く。
しかしちょっと待って。今回は清水寺の舞台からの無観客ライブ。無観客なら無観客ならではの演出も可能。
映像の多くは一人のバストアップと三人の全身映像そしてドローンからの遠写。変化に乏しい。夜の遠写だから仕方ない面もあるが画像がクリアではない。
無観客だから観客の拍手も無い。しかしこれが都合が悪い。曲が終わって拍手で曲を味わい余韻に浸る間もくれず、いきなり次の曲が始まる。
映画のホームページでは幻想的な写真が掲載されていた。そこまで幻想的な演出があったのか? ドローンはほぼ静止の映像。もっとドローンを飛び回らせたり、プロジェクションマッピングを駆使したり、清水寺でしか出来ない唯一無二の映像を作って欲しかった。
映画なのだから映像を止めて、本堂からだけでなく、仁王門前や音羽の滝から歌っても良い。これなら清水寺らしさが出る。許可されないのなら、清水寺である必要がない、違う場所で行えばよい。
それでも清水寺なら、公演前にメンバーが清水寺周辺を散策する映像を入れてしまっても良い。
どんなに素晴らしい料理でも、次から次へと運ばれ、味わう余裕も無く、会話も無く、味変も無かったらどうなのだろう。
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