ラ・メゾン 小説家と娼婦のレビュー・感想・評価
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人気の小説家が、次の本の題材を求めて、娼婦をやってみる、というお話...
人気の小説家が、次の本の題材を求めて、娼婦をやってみる、というお話。
さすがフランスやベルギーというか、
表現がアート的かつポエム的で、
同僚娼婦やお客さんらの、人間観察のようにも見えるのが、興味深く。
同僚娼婦さん同士は、お互いの実名や背景を知ることもなく、
それでも、日々打ち解けて過ごしていたり。
思いっきりR18+な場面が多数でしたが、
それすらもアート的に見える場面も、いくつかありました。
【女性作家が身分を隠し高級娼館で働く2年間を描くエロティックな作品。ストーリー展開は粗いが、娼婦を”癒しを与える人間”として描いている点は良い。ロッシ・デ・パルマが娼婦を演じた事にはビックリである。】
ー 作家という事を隠し、2年間高級娼館で働いた経験を小説にしたエマ・ベッケルの「ラ・メゾン」の映画化作品。-
■仏蘭西から伯林に移住したエマ(アナ・ジラルド)は、妹マドレーヌ(ジーナ・ヒメネス)等の忠告に耳を貸さず、自ら娼婦になって高級娼館にやって来る様々な客を観察し、メモする日々を送っていた。
◆感想
・エロティックな作品であるが、猥雑感はない。但し、娼婦と客たちとの一時の描き方が、シーンが次々に代わって行ったり、エマに忠告する恐らくエマと以前関係があったと思われる男性や(良く分からない。)、突如恋人として登場するイアンとエマとの関係が唐突感がある。
・但し、この作品が発するメッセージとしては高級娼館で働く様々な女性達を、性の道具としてではなく、男に癒しを与えるある意味、逞しい存在として描いている点は良い。
・高級娼館を訪れる様々な客
1.紳士的な医者・・エマが体調を崩した時に、エマの家を訪ねクスリを処方し、お金を取らずに去る。
2.女性に対し、快楽の与え方が分からない初老の男性・・エマの膣に指を入れる様に指示されその通りに行ったり、クンニリングスを行うもエマに駄目出しされ(少し、可笑しい)エマに”お手本”をして貰う。
3.ドラッグをやる暴力的な男・・一人の娼婦が此奴の行いの為、娼館を辞める。エマにも酷い行為を行う。愚かしき男の典型であるが娼婦たちの命懸けの仕事を浮き出している。
4.精神的に病んでいる男・・同上
5.ナント、女性客!
<今作は、もう少し上映時間が長ければ、エマの心中の葛藤などがもっと深くキチンと描けたのではないかな、と思った作品である。
が、今作では娼婦達を一人の人間として描いている点には好感が持てる。
ナント、ロッシ・デ・パルマが老娼婦を演じているが、彼女が他の娼婦たちにスペイン風オムレツを振るうシーンなども良かったな。>
■どーでも、良い事。そして、40代男性から見た映画館トイレあるある。
・今作は、モザイクがとても薄い。故に観たくない男性器が見えてしまっている・・。
で、思い出した事。
近隣の映画館では見た事がないが、偶に名古屋の伏見ミリオン座に行くと、男性WCの小が一杯な時がある。行列に並んで観ていると若い人は10秒程で用を済まして出て行くが、50代以降と思われる男性の方々は、虚空を観ながら身じろぎもせずに長い人は一分以上、固まったまま用を足す姿勢を保っている。まるで修行僧のようである。
残尿感との戦いなのであろうか・・。内心”早くしろ!”と言う思いと、”頑張れ!お父さん!”と言う思いが込み上げる瞬間である。(ホント、スイマセン・・。)
恵まれてる女性目線
ああいう職業に就く人達のうち、自らの意思で選択してあくまで能動的態度を取れる者の姿を描いているのだが、他に選択肢が無く、心ならずも体を売る者(想像するに、こちらが多数派)については少々お座なりでバランスが悪い印象。売春の美化と評する人もいるだろう。
性欲や性行動は、法律や信心で制御しようしても必ず矛盾や抜け道が生じてしまうので、制度として社会に組み込まざるを得ないのだ、というあたりまで踏み込んで欲しかった。
フランスのベストセラー小説?
作家さんが実際に体験した事を小説にしたそうだが、(あくまでも個人の感想だが)新しい発見は特別何もなく、よく聞くような話に終始しており、何故この小説がフランスで受けたのかがよくわからない。
日本の風俗事情の方が進んでいるからだろうか?それとも(原作未読だが)映画では表現しきれないような部分がもっとあったのだろうか?
興味深かったのは劇場鑑賞者がみたところ60才以上くらいの大先輩ばかりだったのと、ドイツ(欧米?)ではフランス人というブランドがまだまだありがたがられているという事くらいだった。
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