「巧みな構成による兄弟の愛情の深さの表現」年少日記 HKさんの映画レビュー(感想・評価)
巧みな構成による兄弟の愛情の深さの表現
親の過剰な期待に答えられず、叱責され続けた少年が心に傷を抱える、
というストーリーの基本線はそれほど目新しいものではないと思うが、
それを描写している個々のエピソードが印象深く、
情緒豊かな映像で綴られるため、最後まで集中力が途切れない。
加えて、冒頭やラストなど主要な場面における高い建物から
空を眺めている背中からの構図の対比や、
なによりヒッチコックのような観客の思い込みを誘う転回など構成が巧みで、
それが単にどんでん返しの面白さだけでなくて、
一心同体とまで言える兄弟の愛情の深さをも表現しているようで本当にすばらしい。
ピアノ曲も主人公の心象風景にマッチしていて良かった。
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