オールド・フォックス 11歳の選択のレビュー・感想・評価
全9件を表示
地味ながら、人間の生き方について考えさせられる、いい映画でした
誠実な父親、タイライの元で育った11歳のリャオジエが、家主のシェとの交流を通して、子どもながらに人生の方向性を模索します。
その揺れ動く心情が繊細に描かれていました。
地主のシェは富という点では確かに成功者であったかもしれません。
しかし、金で勝ち負けを決めるという価値観で、はたして幸福だったのかどうか。
本当の立派な経営者というものは、お金が第一という考え方ではありませんよね。
シェの考えに触れたリャオジエが、感化されそうになったのは、父親に美容室を持ってもらいたいという強い望みがあったからです。
考えてみると、そこには、亡くなった母への思いや、父をいたわる気持ちなど、子どもなりの親への愛情があったのではないでしょうか。
タイライから受け継いだ優しさが発端となっているので、最後はシェと決別することができたのでしょう。
決して金銭的に豊かではない父子の生活ですが、あたたかく愛情に満ちた生活が微笑ましく素敵でした。
器用なタイライは仕事のかたわら、リャオジエのスーツやクリスマスツリーを手作りします。いいお父さん…。
一方でシェは孤独であり、どこか冷え冷えとした生活。信頼されていないために部下の裏切りにも直面します。
シャは貧しい者は負け犬であるという価値観から、どこかで生き方の信念を誤ってしまったのかもしれません。
「強い者につけば強くなれる、弱い者につけば弱くなる」という考え方のシェには、お金は集まってきても、人は集まってこないですね。
正しく導いてくれる親の存在はありがたく、大切なのだと感じました。
今作では門脇麦さんが孤独でミステリアスな有閑マダムを演じておられました。
地味な内容に華を添えていて、出演シーンは少ないものの、とても印象的でした。
さて、タイライたちがその後、美容室を手に入れたれたのかどうかはわかりません。
しかし、リャオジエは誠実な父親から育てられて、道を誤ることなく、他者貢献できる仕事についたようです。
おそらく、タイライが一生懸命に働いて、大学を卒業させてくれたのでしょう。
11歳での選択が、大人になった現在の彼を形作っていると感じられる素敵なラストでした。
狡猾なキツネになりかけたリャオジエ、まっすぐに育って本当に良かったです。
他者のためを考えて生きるのが、結果的に自分のためになるということ、シェにもわかってもらいたかったですね。
一旦身体に染み付いた勝ち負けの価値観からは、なかなか逃れられないものなのかもしれません。
見ごたえのある映画でした。
樸素
予告からはだいぶヘビーな作品なのかなと思って意気込んで観ましたが、そこまで鬱屈とした作品ではなく、貧困に悩む父と周りの人物、そして息子がどういう選択を取るのかという作品で、テンポはまったりでしたし、地味な作品でしたが、当時の台湾の経済事情をストーリーにうまく落とし込んでいたなとは思いました。
ただ話は色んな方向に飛んでいくので、本筋の主人公の経済事情は描かれつつも、周りの人たちの関係性だったり、腹黒狐さんのエピソードだったりと、脇道に逸れまくっていたせいもあって、本筋があやふやになっていたなという印象です。
突然の暴力シーン(ガラスに頭をバチコーンしたり、灰皿で頭ボカーンだったり)の意図がイマイチ分からず、その後の展開も主人公パッパに泣きついたり、キレたりしたりして、果たしてこのシーンの流血はいるのか?と思ってしまうところが強烈なノイズでした。
主人公の子供が必死に家を売ってくれと腹黒狐さんに訴えかけるシーンは最初は良かったんですが、後半になっても同じような事を言っていて、それだけ父親を助けたいというのもあるし、不平等だと怒っているのは分かるんですが、しつこい!となってしまって、鋭い目つきも相まって可愛げがなくのめり込めませんでした。
BIGLOVEな門脇麦さんが出演しているというのが今作を観るきっかけだったのですが、最初の登場シーンは凛としていて綺麗な女優さんだなーと思っていたら麦さんで作品に溶け込んでいて見惚れていました。
現地の言葉もとても流暢に喋られていましたし、日本での演技とはまた違うものが観れて1度で2度お得な麦さんでした。
リウ・グァンティンさんは「1秒先の彼女」の彼役で、その時は活発な青年のイメージでしたが、今作では物腰柔らかい若パパになっていて驚きました。
今後の台湾映画でどんな役で立ち回っていくのかが気になるところです。
最初から最後までしっかり観ましたが、いかんせん地味さは拭えずじまいで、映画としての魅力は足りないかなーと思いました。
鑑賞日 6/26
鑑賞時間 20:45〜22:45
座席 A-7
はじめて生き方を学ぶ
パンフレットをチラッと見たら
父親役の俳優同級生じゃないかーい🤣
しかも誕生日1ヶ月違い😱
11歳の息子に辛い思いを…
と考えながらみてしまった💦
自分が同じ年頃同じ立場なら
言えたのだろうか?
11歳のリャオジェは大人でも判断が
難しい事案に対し冷静にジャッジして
成功者であり大家のシャから
学ぶことはしっかり学び成功している
お父さんのようにはなりたくない
反面教師のようなリャオジェは
11歳ながらにして失敗を知り又同時に
経験を沢山積みそして社会人に
なったリャオジェはシャと同じ立場に
11歳の彼が決めた選択肢は非常に賢明だった
相当頭が賢いんだろうね
アサヤンの宮路社長とダブるオールドフォックス
1秒先の彼女の彼氏役だった リウ・グァンティン。ちょっと栁俊太郎に似てる。
この映画でますます好きになった。
1990年代のバブル期の台湾の父子家庭。レストランの接客係をしながら、服飾の内職もし、小さい息子と仲良く暮らしていた。
息子はレストランの空き個室で宿題をレジのお姉さんに見てもらったり、厨房のおばさんにおやつをもらったり。ノスタルジックな古き良き時代の香りが漂う。アパートの部屋にはレコードプレーヤーのステレオにサックス。家賃集めに巡回してくる美人さんはいかにも地元の不動産屋社長のイロなんだけど。お父さんにちょっと気がある。社長が所有しているビンテージカーに映える美人さん。
お風呂から出る直前にすっぱだがで廊下側の給湯器まで走って火を消してガス代を節約。老狐のおじいさんはレストランではなく、店子の老夫婦の小さい店でいつもスーツをビシッと着て一人でラーメンを食べている。あの時代、財を為す人はおしなべてケチ。不動産屋の老狐に対抗する新興勢力で、レストランにしばしばくる地廻りの男たちのナイショ話を仕切りの裏で盗み聞きし、老狐にゴミ集積所の土地開発の情報を流すかわりに、なくなった母親の夢であった散髪店を出すための物件を格安で融通してもらおうとする。そこへ急激な不動産高騰。ゆくゆくは店を畳んで、郊外に家を買って暮らそうとしていたラーメン屋のおじいさんも夢を絶たれて、突然首を吊ってしまう。事故物件だから安く売ってくれとせがむが、義理人情に厚い老狐は老夫婦の息子に店の権利を譲る。二十年後、少年はカリスマ建築家になっていた。
これは誰か実在の台湾の建築家の話?
オールドフォックス 老狐に浅草橋ヤング洋品店(アサヤン)にでていた現金入りのアタッシュケースを何度も強奪された城南電機の宮路社長をダブらせていた。年代もぴったり一致する。
宮路社長は勝ち組だったが、後ろ姿は負け組だったような。
少年はどっちも好きだったんだよなーきっと。
ほんわかした台湾映画好き。
門脇麦ちゃんは台湾映画のほうが合う気がする。
もし過去のある時点で生き方を変えることが出来るなら、貴方はどうしますか?人生の成功者とはどのような人を指すのですか?と、この作品に問いかけられている気がします。
最近観た台湾映画(「青春18×2」)が良い感じだったのと
この作品の紹介を読んでストーリーが好みの感じだったの
もあって鑑賞してきました。(あ 正確には日本との合作)
主な登場人物。
リャオジエ。11才の少年。父と二人暮らし。
リャオタイライ。リャオジエの父。理髪師の妻と死別。
シャ。リオジエ親子が暮らす家の家主。
この他に何人も登場するのですが(それはそうです)
後になって振り返ると、リャオジエ親子やシャと関係が
ある人という事は分かるのですが、発生するイベントとの
絡みがいま一つ不明瞭だった気が。…なので割愛 @_@ ワー
◆
リャオジエ少年の夢は、自分たちの理髪店を開くこと。
今は亡き母の働く姿を今でも覚えているリャオジエ。
リャオジエの父は、中華料理の店で働いている。
とりあえずの生活に困ってはいない。…だが
理髪店を開業するためにはお金が足りない。
だから、色々と節約して暮らしている。
風呂やシャワーを使い終わったらガスをすぐ止める
それを毎日欠かさず実行している。
リャオジエの学校の運動議も父の手作りだ。(すごい)
そういった他との違いから、リャオジエは学校の
同級生から目をつけられ、嫌がらせを度々受けている。
ある雨の日。
雨宿りで駆け込んだ屋台に、高級車が横付けする。
中から声がかかる。初老の男が乗っていた。
” 送っていこう 乗りなさい ”
悩んだ末、車に乗るリャオジエ。
” 言われるまま乗るとは。誘拐されるかもしれないのに ”
こう言った男がシャだった。リャオジエ父子が暮らす家も
含めて不動産を数多く抱える男だ。
リャオジエとシャ。
この出会いからリャオジエの人生が変わり始める。
シャも何故かリャオジエの人生に関わってくる。
良い人を親に持つと、人生は終わる。
悪い人になれれば、勝ち組に入れる。
不動産価格が高騰し、理髪店を出す夢が遠のくリュオジエ。
出店できる家を何とか見つけたいとシャに近づくのだが…。
とまあ、90年代の台湾を舞台に
少年と初老の男との交流を描いたヒューマンドラマでした。
特に、「現在の自分」と同じような境遇の「過去の自分」を
見つけてしまったときに、その人はどうするのだろう。
鑑賞後も、その一点が気になり続けています。
それも含めて色々と考えさせる作品です。
私は観て良かった。
★★
◇以下、シャの胸中を考察してみました
この世の中には、二通りの人間がいる。
「良い人」そして「悪い人」だ。
良い人では成功者にはなれない。
「良い人」の母を見て育った「シャ少年」は
こう自分に言い聞かせる。
” 他人の事など知ったことか ”
” 他人の事などクソ食らえだ ”
そうして、シャは人生の成功者となる。
だが、その結果得たものは…
息子からの徹底的な嫌悪。
大学進学費用の援助も拒絶された。
” 俺は成功者だ ”
” 俺は勝ち組だ ”
” そうだろう? ”
そう自分に問いかけても、答えは返って来ない。
◆
母を亡くした日、病院のエレベーターに乗り合わせ
たのが、シャと生まれたばかりの少年だった。
幸せそうな妻の喜ぶ声を夫が嗜める。身内を亡くした
者が乗っている事を察したからだ。
” あのような良い人の下では、あの赤子は既に負け組
だろう。母の命日に生まれた赤子の事は気にはなる。
が、今後何らかの接点が生まれる事も無いだろう ”
そのとおりに、何も接点の無いまま月日は過ぎる。
◆
今 11才のリャオジエ。
昔 11才だったシャ。
11才だった頃の自分とリャオジエを重ねるシャ。
良い人の親の元ではダメになるとシャは案じる。
悪い人になれと人生の指南を と想い声をかける。
だがまて と。心の奥深くから声がする。
” 良い人は、本当にダメなものなのか ”
” 悪い人を目指す以外に道はないのか ”
このお話の真の主人公は、リャオジェでは無いのかも。
そしてこのお話が語りかけてくるのは、
「人間の持つ、欲や業、そして真の幸福とは何なのか」
そんな、深遠な問いかけなのかもしれません。
思わず人生を哲学しそうになる作品でした。
こういう作品、キライではありません。
◇あれこれ
■門脇麦さん
似ている台湾の女優さんだなぁ と思ってたらご本人。・_・;
台湾の言葉が流暢なのもあって、気付きませんでした。
楊夫人役。マダムヤンです♡ (昭和の高級ラーメン)
◇最後に
最後の場面をどう解釈すれば良いのか悩んでいます。
建築家になったと思われるリャオジェ(…と思われる男)
クライアントの依頼に応えつつ、プラスアルファで提案。
これを現代と考えれば、30年後の台湾なのでしょう。
リャオジエは41才。 (バカボンのパパと一緒 ・_・♡)
会議を終えたリャオジエに誰かが声をかけるのです。
” この OLD FOX め ”
シャが呼ばれていた称号は、” 多分リャオジエ ” に向けられて
いました。仮にリャオジエなのだとして、彼はどんな30年を
過ごしてきたのか。それを察する情報がありません。
悪い人。良い人。もしくは両方バランス良く併せ持つ人。
リャオジエはどんな大人になったのか。明確な答えでは無さそ
うです。
解釈は、鑑賞した者に任せます ということなのでしょうか。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
期待したエンディングで嬉しい!
私はお金を稼ぐことに興味津々であることから、この映画はとても興味深く拝見させていただきました。
予告では金持ち=心が乏しい。
心が豊か=貧乏。
という構図であったが、心が豊かな金持ちいるでしょ。
と思っていた。
つまりは。正しいお金の稼ぎ方は【感謝の対価】である。
投資で稼ぐ、人を不幸にして稼いでも幸せになれない。
という話。
お金という題材でありながら台湾映画独特な素朴さですんなりと映画の世界観に入ることができとても面白かった。
残念なのは最後が短かったこと。
もう少しどんな大人になったか知りたかった。
ビジネスとは、感情を理解しつつ、衝突を回避する知性が求められるもの
2024.6.18 字幕 アップリンク京都
2023年の台湾&日本合作の映画(112分、G)
11歳の少年が父と富豪の思考の狭間で苦悩する様子を描いた青春映画
監督はシャオ・ヤーチュエン
脚本はシャオ・ヤーチュエン&チャン・イーウェン
物語の舞台は台湾の台北のとある町
そこで暮らす11歳の少年リャオジエ(バイ・ルンイン、成人期:ジェームズ・ウェン)は、亡き母(ユ・チアハン)の夢を叶えようとお金を貯めている父タイライ(リウ・グァンティン、若年期:チェン・ヴァンゲン)を尊敬していた
タイライは高級レストランのウェイターをしていて、一帯は大地主のシャ(アキオ・チェン、幼少期:カンイン)のものだった
タイライの住居も彼の所有物で、彼の秘書リン(ユージニー・リウ)が家賃の回収に訪れていたが、彼女はリャオジエを息子のように可愛がっていた
店には、高校時代の元恋人ジュンメイ(門脇麦、若年期:ミナ・タット)が訪れるが、彼女は大量に注文して食べず、その残り物をタイライはリャオジエに与えていた
ある大雨の夜、雨宿りをしていたリャオジエはシャに家まで送ってもらうことになった
リャオジエは「父さんに家を売ってよ」と言うものの、台湾は不動バブルの真っ只中で、彼らに手出しできるようなものではなかった
シャは、成功者になるための哲学をリャオジエに教え、父とシャとの違いを例えに出す
その思考が影響したのか、リャオジエは次第に父の前で「知ったことか!」と口癖のように言い始めるのである
映画は、金持ちの老人と貧乏な父親の思考の違いを描いていて、成功者になるためには「他人の気持ちを考えてはダメだ」という金言が登場する
とは言え、その真意は考えるのがダメではなく、ビジネスとは完全に切り離すべきだという意味になる
ラストでは、成人になって英名スティーヴとなったリャオジエが登場するが、彼は「クライアントの感情を理解し、それを損なわない関係」を築こうとしていた
だが、本音としてはビジネスライクが優先で、衝突をしないように建前をうまく使い分けている
近くに小学校があるというビジネス関係以外のところにも配慮し、双方がWin-Winになるように見せかける狡猾さを持ち合わせていた
映画の後半にて、1階の麺屋を経営しているリイ(カン・ティファン)が株で失敗して自殺をして、事故物件となったことで価値が暴落したというシーンが描かれている
そこで遺族は「市場の価格で買う」というものの、シャは先約であるリャオジエ(正確にはタイライ)に事故物件の値段で売ると決めていた
だが、タイライは遺族に譲ってくださいと引いてしまい、それがリャオジエとの確執を産むことになる
一番悪どい方法は「自分で店をすると行って事故物件として購入して、店を開けずに遺族に正規の値段で転売すること」だと思うが、ここまでするとシャとの関係が悪化するのでよろしくない
購入して賃貸として貸すというのもありだが、店を開ける条件が付随すると思うので、それも難しいかもしれない
だが、それらの思惑を踏まえて、2階を店舗にするなどの方法などを考え、さらに1階部分を遺族に貸し出すという条件も伝えた上で、事故物件と正規の値段の間で購入するというのもできる
そこで事故物件よりも高くなる費用を遺族から家賃として回収し、返済に充てるという事業計画を立てることができれば、店を出すための資金も確保できるのではないだろうか
いずれにせよ、本作はビジネス思考とは何かを描いている映画であり、このケースでこの情報があるのなら、どう活かせば良いかを考える「脳」を作る助けになると思う
リャオジエはシャと父から大切なものを学び、それを活かして経営者になっているが、彼が人の気持ちを踏み躙って成り上がったようには思えない
考えれば考えるほど、いろんな解決策が出てくるものなので、人の感情を理解しつつ反発を生まない方法を考え、さらに自分の利益も追求できる方法を考えられれば、ビジネスはうまくいくのではないだろうか
勝ち組or負け組?!
生前の妻の夢であった理髪店を開業とマイホーム購入を夢見るレストラン勤務の父タイライと11歳の息子リャオジエの話。
マイホーム購入を夢みるが不動産価格が高騰で購入価格は約2倍…、レストランで余り物と客が残した料理を持ち帰り慎ましく暮らすなか、「腹黒いキツネ」と呼ばれる地主のシャと出会い、「生き抜く為には他人は見捨てろ」と言われ、父の様に貧しくても優しく誠実に生きるか、シャの様な生き方が正しいのかと11歳の少年ながらに考える様になる。
「ガス止めて!」と、使い終わったら外にまで出てガスの元栓を閉めに行き、風呂は入らず洗面所に溜めたお湯で頭、体を洗う節約ぶりと、そんな貧しい生活のなかでも父との食事や誕生日と楽しめてはいるけど、シャに出会い11歳の少年ながらに金はあった方がいい、無くても幸せと色々と揺れ動く心情。
「腹黒いキツネ(オールド・フォックス)」と呼ばれたシャだったけど、彼はただビジネスをしてるだけだし、金のない方からの妬みみたいな呼び方に感じてしまったかな。ラストのリャオジエの判断、進んだ方向は正解だと思う私は。
門脇麦さんの台湾語?違和感なし、メイクで雰囲気もやっぱ変わりますね。てか、麦演じたヤンジュンメイは学生時代の同級生で留学すると言ってた彼女ですよね…、なんでタイライとレストランであんな距離感あった?
老獪なキツネ
二人で暮らすリャオジエと父親は、
いつかは自分たちの家と店を手に入れることを夢見ている。
ふとした事で生馬の目を抜く様な“オールド・フォックス”と呼ばれる地元の地主・シャと親しくなったが、優しくて誠実な父とは真逆の生き方をしている。
その後、バブルが起きたりして不動産購入計画が揺らいだり、そんな事から仲の良い親子二人の関係に変化が起きたり色々な事が淡々と描かれていていく。
そんな中でリャオジエが子供ながらに悩み成長していく姿を描いている。
最後に、大人になり建築家になったリャオジエが丘に建つ計画物件説明をするシーンで、相反する個性を吸収した彼の成長にこの映画のタイトルの意味が重なる(丘を利用したデザインの素晴らしい設計だが、機能面でも建物と自然を調和させているので断熱効果を生んでいる。その結果、総合的・効率的な設計でオーナーに対して建物維持のコスト低減を行っている。要は、理と情を生かしている設計になっているところがミソ)。
あとリャオジエの父様役を『1秒先の彼女』の主演俳優リウ・グァンティンが演じているが、誠実な役が相変わらず似合う。
全9件を表示