「素材は抜群!でもなぜチャーミングさに欠けるのだろう?」ゴンドラ あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
素材は抜群!でもなぜチャーミングさに欠けるのだろう?
谷間を行き交うレトロな2台のゴンドラ。乗務員は若く可愛らしい女性二人。そのうち二人は惹かれ合うようになって、おとぎ話のようで「アメリ」のような映画を期待するじゃないですか。思えばアメリもセリフがないわけではないけど言葉数の極端に少ない女の子。でも表情の豊かさと行動の突飛さが際立ってチャーミングだった。
この映画の二人もアメリと同じようにセリフなく、いたずら心が行動としてエスカレートしていくところが見せ場なんだけど、なにか絵解きっぽいというか説明的過ぎるところを感じる。さらにお話がゴンドラにかなり偏っていて、町の風物や町の人々の交流が十分に描けていないため全般に話が膨らまないというか、パリという街に祝福されていたアメリのように地に足がついていない。
エロチックなところがほとんどないのでギスギスした印象も受ける。
それとゴンドラの駅長があまりにも憎々しすぎて最後の方が勧善懲悪みたいな展開になってしまうのがやや興ざめ。悪い人は悪い人なりに可愛いところも見せないとこの種の映画はうまく完結しないのです。
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