劇場公開日 2024年12月13日

「ドキュメンタリー「ある小学校の一年間~コロナ禍編~」」小学校 それは小さな社会 natsuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ドキュメンタリー「ある小学校の一年間~コロナ禍編~」

2025年1月17日
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鑑賞方法:映画館

世田谷区のとある小学校の1年間を映した作品。
ただ、時期的にコロナ禍という要素が多分に混合している点にはご留意。“コロナ禍の”小学校のドキュメンタリー、という感じ。

意図してこの期間を選んだのかたまたま時期が被ってしまった形なのか分からないが、これはこれでとても貴重な記録映像だと思う。コロナ禍が実際にどう子どもたちに影響しているか、何を犠牲にさせられているかというのを映像として見ることができる。まさに百聞は一見に如かずだなと思う。

余計な演出等はなく、ただ小学校の1年間が順々に、色々と映っていく。99分の中に1年を詰め込んでいるから、余すところは実際沢山あるんだろうけど、観た側の感想としてはそれでも結構余すことなく詰め込まれていた感じがした。一つ一つの尺も丁度よかった。せっかくなのでもう20分くらい長尺で観てみたかった気もするけど、これくらいで丁度よかった感じもする。

「なるほど、そこを叱るのか」とか、「そこまでするか」とか、個人的にも色々感じながら鑑賞した。本作を観て何に驚いたり、感動したり、問題を感じたりするかは千差万別だと思う。
本作のような実態を忠実にとらえて広く提供する存在がなければそもそも俎上に上がる機会もない訳で、記録映像としても、広い議論や関心を喚起する一歩目という意味でも、貴重な作品だと思う。生の学校を撮って映画として公開するというのは相当にハードルの高いことだったんじゃなかろうかと思うので、制作者の方々は勿論、何より作品の成立のために自らが映ることを引き受けてくれた先生や生徒さんには感謝したいし、敬意を表したい。

natsu