「二転三転のどんでん返しするもキャスティングに難あり」ARGYLLE アーガイル ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
二転三転のどんでん返しするもキャスティングに難あり
冒頭は凄腕スパイのアーガイルが登場。ターゲットに接触するも敵の罠にはまります。そこから脱出をして、ターゲットの大追跡が始まります。寸前で取り逃がすも、相棒のフォローで任務成功。ターゲットから自分が所属する組織が黒幕と判明。組織に追われる立場となったアーガイルはこれからどうする。と盛り上がります。ところが、これは小説のお話でしたとなり、この本の原作者エリ―が発売の記者会見をしています。記者からはこの話は実体験ではとの指摘に、多くの取材とリサーチによるものと言います。ファンからはこの続きがどうなるか、いつその本は発売となるかの質問が飛び交います。エリ―はこの続きを書き始めますが、どうにもうまい展開にならず煮詰まります。エリーはアドバイスをもらう為、母親の元に電車で向かいます。電車内で登場した不審な男。そして車内で銃撃戦が始まります。現実の事なのに、その謎の男がアーガイルとかぶり混乱するエリー。エリーの小説が現実に進行している陰謀に似すぎていたため、命を狙われていることを知ります。事件に巻き込まれるエリー。謎の男は誰なのか。組織は何者なのか。さまざま投げかけられます。目まぐるしく展開されていきます。スタイリッシュなアクション、スマートを前面にした銃撃戦などのシーンが折り込まれています。ラストには緊迫感のある展開。娯楽映画としては全て盛り込まれています。しかし、このシーンの数々に痛快さもカッコ良さも伝わって着ません。原因はキャスティングです。普通の小説家という設定ですから、小太りの中年女性が登場してます。謎の男も小説の世界と異なり現実では普通ということから極々一般的な風貌です。この人物がアクション、銃撃シーンを演じても違和感しかありません。どんでん返しを強調するには芋虫から蝶になるというのは演出効果に必要です。しかしこのキャスティングは芋虫が芋虫のままなので変化を感じません。残念です。