「いいね!遊び心もあり攻めた内容だが幅広い人が観れる1本」ARGYLLE アーガイル くりくりぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
いいね!遊び心もあり攻めた内容だが幅広い人が観れる1本
久しくなかったような気もするバランスの良い楽しい映画でした。
映画をたくさん見る人から、女性、小学生まで、多くの層が楽しめる素晴らしい仕上がり。
内容は全然違うけどアニメの「スパイファミリー」や「ルパン三世」を観てる感じ。
ガンガン銃を撃ちまくり、格闘もありながらも残虐性を感じないし、必要以上のお色気シーンもない。ミッションインポッシブルや007のような壮絶なカーチェイスや、最新秘密兵器も何もない。
ゆえにR指定もPG指定も受けていないのだが、映画として刺激的で面白く仕上がっている。意図したことかは分からないが、これって素晴らしいと思う。この映画製作チームに拍手を贈りたい。
最近の映画はリアリティ感や過激さが必要なのか、残虐な悪役や、血しぶき、セクシーが満載である。それは、それで、私も嫌いでは無く良いのだけど(ファイトクラブも、パルプフィクションも大好物)・・・でもね、と思うところがある。
本作監督の過去作品で評価の高いキングスマンであってもキックアスでも同様である。
さて、話しを本作に戻して少しネタバレもあります。
オープニングから直ぐのバイクで逃げるシーンのVFXを観たときに「あぁ、しまった失敗作選んでしまった」と思ったのですが・・・。あれは意識的にマンガ的というかアニメ風にして現実ではない感を作り出しているのでよすね。やられたなぁ。
色々ありえない過剰な演出もあるのだけれど、最初に書いたようにアニメ的世界観があり全然気にならない。アニメのスパイファミリーを観て、ヨルさんのありえない活躍にケチをつける人なんていないかと。でも、本作は決してアニメではなく実写である。
内容は2転3転どころか、私の想像を超えて何回転もする。
それでいて観客を置いてきぼりにすることもない。なんだ、そんなオチかとガッカリすることもない。実に映画として巧妙に展開させていく。この先の見えそうで見えない感覚はパルプフィクション依頼かなと思う。個々のシーンには斬新さはないが、とにかく素晴らしいまとまりである。見事である。
ちょっと褒め過ぎかな。
この作品は、何年も先も語られ、忘れられないような凄さはないのかもしれない。
私も夏までにはうろ覚えになるのかもしれない。でも素晴らしい。
映像 ★★★★ (良いが、圧倒的ではない)
音 ★★★★ (記憶に残るテーマソングがない)
物語 ★★★ (物語としてはありがち)
役者 ★★★ (不満はない、3点満点中の3点なのかな)
編集 ★★★★★ (適当なようで緻密で巧妙)
粗さ ★★★ (これを気にさせないのが良い)
総合 ★★★★+0.5 (個別評価の足し算なら★3.5ぐらいだけど、そうではない)