「あの世とこの世の狭間 佐渡の金山の跡地で 人々は記憶をなくし 仮の生業を演じながら過ごす49日のはなし なぜか素直に楽しめない」わたくしどもは。 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
あの世とこの世の狭間 佐渡の金山の跡地で 人々は記憶をなくし 仮の生業を演じながら過ごす49日のはなし なぜか素直に楽しめない
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あの世とこの世の狭間
佐渡の金山の跡地で
人々は記憶をなくし
仮の生業を演じながら過ごす49日のはなし
単純に、描きたいイメージを自由に形にして並べた、美しい映像詩のようであり、それを見て感じる映画と思う。
ミニ・パフォーマンスを一か所に集めた個展のような感じ。
何も考えずにこの雰囲気に漂うにはいい。
でもどうしても現世で今映画を観ている自分としては、野暮なことをいろいろ考える。
不思議のままでいいという世界観に、説明しなくても、わからなくてもいいという
言ってしまえば辻褄も理論も不要という創作は、自由で実に楽なのでズルい。
美しい外観と高尚なイメージ。
映画というパッケージの製作過程で、集められる有名なパフォーマンスを並べて形にしたもの。
二人はこの時間だけの関係でひかれあったのか、
生前の許されなかった関係に次の世での愛を誓ったのか、
他の人々は、ゆるしの時間が与えられたのか?
かと思えば、現世のつらい場面もあったりして一貫していないのでよくわからない。
さりげなく実は高そうなかっこいい衣装や、小物や食事や、施設の見学客は何なのか。
地名をさりげなく織り込んで、この場所の魅力を自然に打ち出そうとしている姿勢は、補助金を使った町おこしなのか?
税金の無駄遣いか?
有効活用か?
そんないろんなことが隠されているような感じがして、
なぜか、素直に楽しめる映画になっていない感じがしてしまって。
思わせぶりで、カッコつけてるのが気になって仕方ないからかもしれない。
どおしても、お高くとまってるように感じるのは、現世を生きる私の”ひがみ”かも。
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