99%、いつも曇りのレビュー・感想・評価
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ときどき 100%かな
見ていて
とても似てると笑
ずっと曇りって
当人に自覚はあるのでしょうか
たぶん他人から見た感じなのかなと
でも兄弟の子供を、預かっているとき
ラストの朝食に牛乳をこぼした後の二人の笑顔は
それぞれのカタチでの100%と
ワタシは感じてます👍
自身を誠実に見つめ直すと、それは映画素材の宝となる。
例えば、フライパンで同じ料理をつくっているにも関わらず、信じられないミスを毎日繰り返してしまう、一つのことに集中できなくて、興味の赴くまま、別のことにのめり込んで、周りを引きずり回し、トラブルがあいついでしまう・・・パワフルで根が明るいので、心の中は土砂降りの雨とまではいえないが、99%、いつも曇りの状態で、なんか生きづらい。
でも、そんな発達障害気味な主人公の特徴が、上手く生かされて、物語が転がっていくその転がり具合が、可笑しくもあり、楽しくもあり、哀しくもあり。そして、いろいろなネガテイブピースが、最後こうなるかと唸ったラストは涙・涙でありました。
終映後の瑚監督とのトークイベントで犬童監督(「ジョゼと虎と魚たち」等)が「自分を主演に映画を撮る監督は往々にして自分を綺麗に見せる罠に落ちるが、その場合だいたい失敗に終わる。が、この映画はそれがない。」趣旨のコメントをされてました。その言葉どおり、半モヒカン刈りでしゃがれ声の中年女性が普段着姿で悪銭苦闘する姿は、自身を誠実に見つめなおし、それを一つ一つ丁寧にエンターテイメントに昇華させた結果で、それがとても良かったと思います。多分映画製作仲間の身内が相当数いらしたのだとは思いますが、会場は拍手の嵐だったのも肯ける良作でした。
これから晴れていくと思いながら、「普通」攻撃から守る盾だと思えれば良いのかも
2024.2.1 アップリンク京都
2024年の日本映画(110分、G)
アスペルガーの妻が周囲の「普通」攻撃に晒される様子を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は瑚海みどり
物語の舞台は関東圏のとある町
アルバイトの面接を受けては落ちている主婦の一葉(瑚海みどり)は、夫・大地(二階堂智)と結婚して月日を過ごしてきたが、ある理由によって、子どもがいない家庭だった
母の一周忌に弟・誠(曽我部洋士)一家と叔父(塾一久)を自宅に招くことになったのだが、叔父の大五郎は「一葉ちゃんはもう子どもを作らないのか?」と無神経な話題をお茶の間に落としてしまう
「ここでする話ではないだろう」と言うものの、その発言はエスカレートし、機嫌を損ねた一葉は部屋にこもってしまった
大地はサラリーマンとして中堅どころで、社内プレゼンに企画を通す年頃だったが、現在のプロジェクトでは後輩のマサアキ(根口昌明)の案が採用されてしまう
部下の樹里(長楠あゆ美)は擁護するものの、大地は落胆のまま、マサアキのサポートに回ることになっていた
一方の一葉はアルバイトの不採用通知に落ち込み、食事を作る気がなくなった二人は行きつけの飲み屋へと足を運ぶ
だが、そこの女将あずみ(KOTA)とも子どもの話になってしまい、「里親を考えてみては?」とお節介をかけてられてしまう
大地は他人がとやかくいうことではないと思うものの、その言葉を受けた一葉は彼に相談することもなく、里親支援センターに足を運んでしまう
だが、受付には留守番職員の古瀬(井上薫)しかおらず、一葉の質問の答えは見つからない
それは「アスペルガーでも里親になれるか」というもので、「里親の欠格事由」の中には含まれていなかったからである
映画は、一葉に振り回される大地が疲弊する様子を描き、かつて起こった流産に対する双方の認識のズレが露見してしまう様子を描いていく
一葉は「自分と同じ苦しみをしなくて良かった」というものの、大地は「それを込みでも楽しい家庭になる」と考えていた
その溝は絶望的なもので、その問題に対するこだわりも双方で食い違っている
それが大地を苦しめるのだが、一葉の方は別のことが起こるとそちらの方に集中してしまい、それがさらに大地を傷つけてしまうのである
物語は「普通なら」という感じに言われて「納得してくださいよ」という圧が充満している世界で、その「普通」というものが一葉には伝わっていない様子が描かれていく
ある種の暗黙知のようなものだが、それで言葉を濁して問題から目を背けているのが「普通の人」という感じに描かれている
この通じなさを放置することも「普通」というふうに捉えられていて、世間一般の常識が正解かのように振る舞う人も登場する
そんな中で、「普通だ」と気持ちを押し殺していく大地とは対称的に、一葉はそのひとつひとつに疑問を持っていくという構成になっていた
「普通」という奴が一番「普通ではない質問をする」という流れになっていて、自分の価値観を一般化して無意識のうちに攻撃しているという質の悪さというものが露見している印象を受けた
物語は、かなりヘビーな内容で、自分がアスペルガーではないし、近くにいないから当事者意識は持てない
かと言って、「普通」に転がっている情報を鵜呑みにして「一般化する」というのもよくないと思うので、踏み込んだ意見を言うのはナンセンスのようにも思えた
その時に大地と同じように愛せるかどうかを想像で語ることも難しいのだが、それ以上の魅力があるから一葉と一緒にいるのであって、それ以上のものはないように思えた
いずれにせよ、一般化される個別の案件というテーマとしては考えさせられる内容で、演技も凄いし、テーマの絞り込みも良いと思う
精神的にキツい話ではあるものの、反面教師がウヨウヨいる世界なので、何かしらの学びが得られそうに思う
個人的には、限りなく「普通」から遠い世界で生きているのだが、周囲にも「普通」がいない世界だと気が楽になる
なので、来年からは叔父さん抜きで周忌をするのも良いと思うが、それをするとさらに攻撃性が増すので、ここは啓太(月田啓太)くんの力を借りて、「おじさんのツルッツルは普通なの?」と言わせてみてはどうだろうか
ユーモアになるかどうかはわからないが、その時に無言でお天道様を見てみると、一般化させられる普通の惨さというものが身に染みてわかるのかもしれません
そんなに曇ってない。
特に生活に不満なく暮らす中年夫婦。ある日親戚から子供は作らないのかと言われたことをきっかけに子を持つという価値観の違いが見えてくるというストーリー。
ここで重要になるのが妻の一葉がアスペルガー傾向にあるということで、この作品自体がそこをテーマにしている。一葉本人もそのことに悩みを抱えているけど、正直私にはよくいるせっかちでちょっと空気読めない人くらいな感じで、むしろいいお母さんになるんじゃないかなと思ったくらい。旦那さんが人格者過ぎて「変わった奥さん」みたいな大袈裟なキャラになってるだけな気がする。ま、きっとこの微妙さが狙いなんだろうけど。
面白いタイトルだと思ったけど、ここに関してはあまり意図が分からなかった。
夫婦とは!
東京映画祭で観ました。
結婚する相手によって人生は大きく変わる。
自分が選んだ人がアスペルガーだとしたら。
大なり小なり不一致な部分はどんな夫婦にもあって、この映画はいろんなカップルに観てほしいと思いました。
個性
アスペルガーの45歳の主婦が、子どもがいないことを親戚からやいやい言われ、考える話。
主人公がアスペルガーという設定だけど、比較的というかかなり軽度な感じでしょうか…叔父さんも弟もなかなかのものですね。
結構そこら辺にいるレベルの猪突猛進型だけど、それが多かったり早かったりという感じで、ちゃんと診断されて自身で認識されている設定なんですね。
ということで話しはわかるけれど、結局夫婦の過去の出来事に対するわだかまりというか齟齬というかコミュニケーション不足がメイン?
切っ掛けではあるけれど、なんかアスペルガーはあまり関係無いようなところのお話しで、でもアスペルガーを強調してくる感じがあって、つまらなくはないけれどコレと言って…という感じ。
丁寧につくられた良い作品
和歌山県田辺市の弁慶映画祭で観ました。映画の出だしから、「女に二言はない」という一葉のセリフから笑わせ貰い、これは面白い作品かな と思いました。ストーリーに一切のムダがなく、映画が終わるまで時計を見ることはありませんでした。最後の一葉と大地のセリフも考えられていて、ラストシーンだと思ってて軽く観てると、この作品の良さを見逃します。これはおすすめです。
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