劇場公開日 2024年2月2日

「役者が揃ったキャストたち」ダム・マネー ウォール街を狙え! TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0役者が揃ったキャストたち

2024年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私にしては珍しく結論から言うと本作「思いのほか面白かった」です。
「ゲームストップ株騒動」をよく知らなかったこともあり、比較材料として『マネー・ショート 華麗なる大逆転(16)』を想像していたこともあるのですが、主人公の立場が本質的に異なりますし、その立場の違いも背景にあるでしょうが、「根暗なマネー・ショート」に対して、このダム・マネーは若干おバカと思える陽気な印象ですし、それをバックで盛り上げる音楽監修のスーザン・ジェイコブス仕事が光ります。また、マネーゲームな感じを出来るだけ出さずに、あくまで「金融界の大富豪に立ち向かう個人投資家」にフューチャーした作りに登場人物たちへ感情移入出来て、作品の展開の見事さに熱くなれます。
かく言う私も、約20年ほど株(現物)を中心に投資をしていました(現在、一時撤退中)。投資は中長期の資産運用のため「日々の上げ下げに一喜一憂しない」ことが基本なのですが、額は小さくてもそれが「自分の総資産に対する割合」を意識する程度まで資金を投入していると、どうしても株価が気になるものです。ましてや、本作のような「乱高下」ならなおさらのことで、そのストレスは計り知れないと思います。だからこそ、この騒動の牽引者であるキース・ギルがまさに象徴となり、しまいには「あの場」へ引っ張り出されそして・・・の展開に否が応でも興奮します。
ポール・ダノ、セス・ローゲンをはじめとして、文字通り「役者が揃った」キャストたちの演技は素晴らしく、特に「厄介なガヤ」でありつつも要所要所で兄弟愛を感じざるを得ない愛すべき(キースの)弟ケビン役であるピート・デビッドソン。そしてキースの最大の理解者であり、彼が迷った時にこそ頼りになる妻キャロライン役のシャイリーン・ウッドリーなど、キースを取り巻く家族たちの演技があってこそ、彼の最後まで諦めない気持ちに同調させられてしまいます。まぁ、現実の彼は今や紛れもない大富豪なのですけどね。
内容が内容だけに、どうしても投資や金融に関わる専門的な用語や仕組みに構えてしまう方もいらっしゃると思いますが、物語に対する理解という意味では障壁になりません。陽気で、思いのほか熱くなれる本作、楽しめると思いますよ。お勧めできます。

TWDera
トミーさんのコメント
2024年2月7日

弟くんクルマを貰えたのは良かったですが、それで配達するの?

トミー