リンダはチキンがたべたい!のレビュー・感想・評価
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【”大好きだった父の得意料理を求めて。”幼い時に亡くなった父の得意料理を作るため、母娘が巻き起こす大騒動を描いた仏蘭西アニメーション。バンド・デシネとは全く違う絵柄が独特である作品。】
ー 資料によると、今作はアヌシー国際アニメーション映画祭最高賞のクリスタル賞を始め韓国、米国、そして日本の映画祭でグランプリを受賞したそうである。
確かに、仏蘭西のアニメだがバンド・デシネとは全く違う絵柄が独特である。-
■小学生低学年と思われるリンダは、ママの勘違いで大切な父からの贈り物の指輪を盗んだと叱られる。ママはリンダに”何でもするから”と言うと”パパのパプリカチキンが食べたい”と言う。
そして、ママはストライキでどこの店も閉まって居る中、鶏肉を手に入れるため奔走する。
◆感想
・絵柄が途切れ途切れの線と単一の色彩で描かれるリンダやママの姿が、特に疾走感溢れるシーンでは活き活きと描かれている。
アニメ作品では多分初めての描き方である。
そこが評価されたのだろうか。
・ストーリー展開はシンプルで、尺も短いので見易い。子供さん向けに制作されたのだろうか?
<僕達の記憶は、視覚、味覚など五感と結びついている。パプリカ・チキンを食べたいとママにせがんだリンダの想いは大好きだったパパを想い出す事だったんだね。
登場人物の誰もが、善性在る人に描かれている所も良かったな。
独特な絵柄が馴染むかどうかが、観た人の感想に繋がると思った作品である。>
まあ、飛んでましたね
原色の絵の具がその身を自在に変化させ飛び出していく、それよりも奔放過ぎる母娘と取り巻く伸びやかで多色な仲間たちの窃盗・破壊・団円とてんこ盛りのひと騒動に突っ込みいれまくりの70分と少し。お父さんの思い出はしんみりも展開し解決してヨシ、なのか!?
これぞフランスの自由への讃歌
そもそもポスターの配色が素晴らしくて観たくなったフランスのアニメ。まったく労力は違うだろうが、少し高畑勲のかぐや姫を思い出したりしながら見た。
しかし、さすがジャックタチの国、ジャンヴィゴの国、ルノワールの国、地下鉄のザジの国、というワンダーに溢れた世界での団地に暮らす女の子のパパのパプリカチキンが食いたい騒動。
観ていて楽しいのがやっぱりアンコントロールの世界。リンダもリンダの母もヤバいし、そもそもが世界がストライキで団地の人々もみんな好き勝手に生きてる感があっていい。冒頭の学校の授業でもフランス革命といかに国民が自由を手に入れたかを説明してるので、これは明確なテーマなんだと思う。
で、騒動のきっかけがお母さん間違ってた、ごめん、からはじまるのが素敵。
そしてみなでチキンを食うぞと団地はカオスになるのだけど、人の痛みなどわかりあえる世界が描かれている… やっぱりちょっとじゃりん子チエ的な理想郷を観てる気がする
分かりやすいけど
手抜きのようなユニークな絵
小学生の女の子リンダは母と郊外の公営団地で暮らしていた。ある日、母の指輪が無くなり、リンダが疑われ母に叱られてしまった。しかし、指輪は飼っているネコが原因だとわかり、母はリンダに謝り、お詫びに何か欲しいものはないかと聞いた。すると、リンダは、亡き父の得意料理だったパプリカ・チキンが食べたいと言った。しかしその日はフランス中がストライキで、どの店も休業していたため、チキンを買うことが出来なかった。仕方なしに卵の販売所から生きた鶏を連れ帰ろうとしたが、鶏が逃げ出し、警察官、トラックの運転手、母の姉、団地の仲間たちを巻き込み大騒動となった。リンダはパプリカチキンを食べる事が出来るのか、という話。
手抜きのような人物を単色で描くユニークな絵に驚いた。ストーリー的には逃亡した鶏を巡ってのドタバタ騒動であり、コメディなんだろうが、ユニークな絵が気になりストーリーに入り込めなかった。それと、全体を通して、倫理観の無い行動が多く、問題だと思う。
そんなドタバタコメディの中にも2組の恋愛を絡めてくる所がフランスだなぁ、という感想。
とにかく変わった絵なので、一度経験しても良いとは思うが、自分勝手で自己中、人の迷惑お構いなしと、教育上良くないシーンの連続なので、子供向けにはおすすめ出来ない。
ジブリのアヌシー受賞作は狸と豚
背景とキャラの絵柄が一体感のある高畑勲的、かぐや姫のものがたり的表現を楽しむ仏アニメ。しゅるしゅるとしたゆるい輪郭の多数のキャラをカラフルなカラー1色で表わし、また同じ家族は同系色でまとめることで、関係性も見失わずにすむようになっているのがうまい。
やんちゃなガキどもに身勝手な大人、ゼネストにシングルマザーに権威的な警官に…と来て、最後はパプリカチキンでみんな連帯という、フランスっぽさ?のあるドタバタ話ではあるが、それがおもしろいかっつーと…? ただ、パパの料理を回想する歌のシーンではちょびっとじんわり。
最近よく耳にするようになったアヌシー映画祭、アニメ表現の新しさに重点が置かれてんのかと思いきや、2024年度は日本から窓際のトットちゃんとか屋根裏のラジャーなどもエントリーされてて、なんでもアリかよ!という気持ちに…。
絵のタッチは荒いけど そこに躍動感があーりん子
やさしい話
いろんな意味でフランスっぽい?
フランスのアニメらしい色づかい。最初は違和感の方が強かったが、観ているうちに動くポップアートのようなその映像に慣れてしまった。こんなアニメもアリだ。
話の方もゼネラルストライキが実施される日が舞台になる等、民主主義を勝ち取った国民性が色濃く出た設定に思える。
そしてストーリー的には想像していた以上にカオスな展開だったことに驚いた。団地という舞台設定もまたカオスを生み出す要素だったわけだ。最後に噴水を囲んで集まっている住民たちが革命後のフランス市民のように見えたのは私だけだろうか。やはりフランスっぽい。
ドタバタコメディであり、家族愛を描いた物語として悪い印象ではないが、いろいろと受け容れがたいことも多い。母親にしても、リンダにしても、リンダの友人たちにしても。母親の犯罪行為もどうかと思うが、子どもたちの行動が特に嫌だった。子どもだからで許される範疇を大幅に越えてしまった気がする。これもフランスっぽさなんだろうか。
絵が特徴的なアニメ映画
評判がとっても良いフランスから上陸したアニメ。なんでも東京アニメアワードフェスティバル2024(TAAF2024)のコンペティション部門長編アニメーションのグランプリに輝いたとか。めっちゃんこ期待が膨らんで見てみたけど、あたし向きではなかったかな。
色彩の豊かさとか色遣いのセンスとかはさすがフランス!と脱帽。入場者特典のカードの裏に作中でリンダがずっと食べたがっていた思い出の味『パプリカチキン』のレシピが書いてあるのも嬉しい。今度作ってみよっ♬(丸々一羽のにわとりってどこで手に入れられるのかw)
あんまり入り込めなかった点としては、子供目線で描かれているのかと思いきや、大人の考え方とか人間の汚さとか個人的にはアニメであまりみたくないような内容がガッツリ。そして話題となっている作画手法、『クリプトキノグラフィ』(一枚一枚の絵を極端に簡略に描き、絵を並べて動画にすると人や動物が生き生きと動き出すという手法、らしい)がまったく自分にはハマらず...。な〜んかどこかでみたことあ?んだよな、このクリプトキノグラフィってやつ。どこでだろ。何でだろ。魚の小骨が引っ掛かるずっと取れないようなもどかしさを感じていたけど、やっとわかった!NHKの『みんなの歌』で見ていた映像でちょいちょい似てる作風の映像あった!子供心に『みんなの歌』って悲しげな歌と映像を見させられることが多かったと記憶してるからか、あの作画を見ると条件反射でもの悲しさが…。ま、それがわかっただけでも良かったか😂
チキンが食べたいのに、街中ストライキでお買い物ができず、食材をあち...
色が目に染みる。
劇中の被害大きすぎる(笑)
崩壊する秩序と狂乱が伝搬する子供たちの暴動
無秩序の前にはまったくなすすべなく
その混乱の中に
リンダ母娘の気持ちを覆う靄
黒い闇がすーっとはれわたっていく
カラフルな画面に気持ちのいいアクション
清廉潔白ではない人々や子供たちそれぞれの動向を
軽妙に描く快作…ではあるのだけど
特定の個人に対する被害がちょっと酷すぎて
そこばかりが気になってしまった(苦笑)
…あれ、どうおとしまえ付けるんだよ…
あまりに混沌がエスカレートしていくので
これどうオチをつけるんだろうと思ってみてたら
予想以上にストンっと気持ちよく決着がついたのは驚き
挿入歌の使いどころもうまいし見せ方聞かせ方も良い
しかし、フランスアニメはちょっとアート方面に偏向しすぎだと思う
好きだけどさ。
どうでもいいけど、概ね猫の肛門に意識を持ってかれる(笑)
シルブプレシルブプレシルブプレ
油絵、走書きみたいな作画は楽しい
ただ食育にも教育的にも何にもなってない
ドリフみたいな懐かしいドタバタ
おばあさんが気の毒でした ネコさんは可愛い、オシリの穴は手抜きなし 団地の子供がやたらと出てくるのでイノセンツのフランス版パロディかと思った
お国柄だと一言では片付けられないギャップ
その行動力はすごいと思うが、善悪の判断基準が緩くて、気になる部分は多い
2024.4.18 字幕 MOVIX京都
2023年のフランスのアニメーション映画
父の味を求めて、ストライキ中のパリでチキンを探す母娘を描いたコメディ映画
監督&脚本はキアラ・マルタ&セバスチャン・ローゼンバーグ
原題は『Linda veut du poulet!』で「リンダはチキンが食べたい!」、英題は『Chicken for Linda!』で「リンダのためのチキン!」という意味
物語の舞台は、フランス・パリ郊外の集合住宅
そこで暮らすリンダ(メリネ・エクレール)は、幼い頃に父ジュリオ(ピエトロ・セルモンティ)を亡くしていて、多忙な母ポレット(クロチルド・エム)と一緒に過ごしていた
ある日、母から結婚指輪を借りて登校しようとしたリンダは、それを母に見つかってしまう
指輪を返し、仕方なく学校に向かったリンダは、そこで親友のアネット(スカーレット・ジョルトン)と出会い、彼女がかぶっていた黄色のベレー帽を借りることになった
リンダが帰宅すると、母は何か探し物をしているようで、母は黄色のベレー帽と指輪を交換してきたと思い込む
「交換したと白状すれば帽子は返す」と言い、リンダは不本意ながら「交換した」というものの、母は約束を守らずにベレー帽を没収してしまった
さらに「お仕置き」と称して、ポレットの姉アストリッド(レティシア・ドッシュ)の家にリンダを連れて行き、「監獄」に彼女を入れることになった
その後、帰宅したポレットは、日に日に酷くなる水漏れと奮闘しながら、愛猫のガッツァの奔放さに翻弄されてしまう
そして、ガッツァが吐いたものの中から指輪は見つかり、ポレットは罪滅ぼしとして、母はリンダに謝り、「なんでもしてあげる」と告げた
そこでリンダは、「父の得意料理だったパプリカ・チキンを食べたい」と言い、二人はそのまま買い物に出かけることになった
だが、ストライキの影響で店が開いておらず、お目当てのチキンを手に入れることができない
やむを得ずに帰宅しようとした時、道すがらに養鶏場を見つけた母は、生きた鶏を手に入れるために飼い主と交渉しようとするる
だが、そこには息子のケヴィン(アントワーヌ・モメイ)しかおらず買うことができない
そこで母は、ケヴィンの目を盗んで、鶏を一羽勝手に持ち帰ってしまうのである
物語は、その帰り道で「スマホのながら運転」にて警察に捕まる母を描き、荷物検査の際にせっかく捕まえた鶏が逃げ出してしまうところから動き出す
警官のセルジュ(エステバン)と巡査長(ジャン=マリー・フォボンヌ)に連行されそうになったポレットは、鶏が逃げ込んだトラックの荷台に駆け込み、リンダも一緒についていく
そして、警察によってトラックは止められてしまい、御用となってしまうのである
映画は、この母娘の何でもありの行動を受け入れられるかが鍵で、ストなのに今日にこだわるリンダ、娘の話を一切聞かずに犯人扱いする母などが描かれていく
色彩が特徴的な作品で、キャラクターはほぼ単色で塗られていて、動きもぬるぬるした感じになっている
子どもの落書きのようなテイストであるが、これが意外と味があるように感じられるところは面白い
最終的にはハッピーエンドっぽくなっていくし、ポレットとトラックの運転手ジャン=ミミ(パトリック・ピノー)は良い感じになるし、アストリッドと警官セルジュの仲も良くなってしまう
一歩間違えれば死人が出ていてもおかしくないような内容だが、これで誰もが無傷と言うところがファンタジーなのかもしれません
いずれにせよ、かなりDQN的な行動の母娘なので、このキャラに共感できるかはわからない
キャラはそれぞれ色が振り分けられていて、リンダは黄色、ポレットはオレンジという感じで、そこまで被らないので、見ている分に混乱することはない
少しだけ哲学的な部分があって、父の記憶がないリンダがそれを取り戻す過程も描かれているので、五感に残っている記憶と脳に残っている記憶との結合によって「存在証明」がなされるのは良かったと感じた
自分もたべたい
簡素化した線と色ながら。
一見ふんわり。実はフランス人らしいスパイスの効いた映画
事前情報無しで見たので、お料理アニメなのかなと思いきや、良くも悪くも裏切られました。一見ふんわりした見た目の映画ですが、フランス人らしいシニカルな目線で現代社会を映し出す内容でした。フランス映画を見るたびに「自我が強いよな彼ら」と思うのですが、この映画の主人公リンダも行動原理が「チキンが食べたい」で、目的のためには手段は選ばず、まさにフランス人でした。ラジ・リの「レ・ミゼラブル」に出てくるまんまの雑居アパートメントの人々、サッカーで繋がる多様人種の悪ガキたちが警察を追い詰めるシーン、さらにここでは飼い犬ちゃんまで自我が強い。すぐに恋に落ちる大人たち。さような現代フランスをシニカルに、かつほのぼのと描いた視点には感心させられました。
映画館ではパプリカチキンのレシピを配っていたので、早速夜にチャレンジしました。腕のせいかレシピのせいか、もっさりした味に仕上がり、オリーブを刻んで入れたほうが良かったなと反省しました。みなさんもパプリカチキンを作る際は自分なりの工夫を加えてみてください!
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