リンダはチキンがたべたい!のレビュー・感想・評価
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絵が特徴的なアニメ映画
評判がとっても良いフランスから上陸したアニメ。なんでも東京アニメアワードフェスティバル2024(TAAF2024)のコンペティション部門長編アニメーションのグランプリに輝いたとか。めっちゃんこ期待が膨らんで見てみたけど、あたし向きではなかったかな。
色彩の豊かさとか色遣いのセンスとかはさすがフランス!と脱帽。入場者特典のカードの裏に作中でリンダがずっと食べたがっていた思い出の味『パプリカチキン』のレシピが書いてあるのも嬉しい。今度作ってみよっ♬(丸々一羽のにわとりってどこで手に入れられるのかw)
あんまり入り込めなかった点としては、子供目線で描かれているのかと思いきや、大人の考え方とか人間の汚さとか個人的にはアニメであまりみたくないような内容がガッツリ。そして話題となっている作画手法、『クリプトキノグラフィ』(一枚一枚の絵を極端に簡略に描き、絵を並べて動画にすると人や動物が生き生きと動き出すという手法、らしい)がまったく自分にはハマらず...。な〜んかどこかでみたことあ?んだよな、このクリプトキノグラフィってやつ。どこでだろ。何でだろ。魚の小骨が引っ掛かるずっと取れないようなもどかしさを感じていたけど、やっとわかった!NHKの『みんなの歌』で見ていた映像でちょいちょい似てる作風の映像あった!子供心に『みんなの歌』って悲しげな歌と映像を見させられることが多かったと記憶してるからか、あの作画を見ると条件反射でもの悲しさが…。ま、それがわかっただけでも良かったか😂
チキンが食べたいのに、街中ストライキでお買い物ができず、食材をあち...
チキンが食べたいのに、街中ストライキでお買い物ができず、食材をあちこち探して回る珍道中。
鶏農家さんから鶏を一羽持ち逃げしたり、警官の職務質問に答えず逃げたり、親戚や近所を巻き込んだり、など。
ドタバタコメディ的な出来事が連なりますが、
色遣いがキレイで、優しい絵本を読んでいるような、
なんとも暖かい気持ちになる物語でした。
色が目に染みる。
こんな手法のアニメがあったのか。ジブリの高畑勲監督が「かぐや姫の物語」で、墨絵のフリーハンドな描写でアニメ造形をして評判になった。この作品は、ペイントソフトで描いたようなベタ塗りの、今は無き?フラッシュアニメのような描写で見せきる。ストーリーは、主人公の少女リンダが、亡父の得意料理パプリカチキンを食べたいと願いが叶うまでの、スラップスティックコメディ。意表をつく展開が早く、ついストーリーに没頭してしまう。なかなかの拾い物の作品だ。
劇中の被害大きすぎる(笑)
崩壊する秩序と狂乱が伝搬する子供たちの暴動
無秩序の前にはまったくなすすべなく
その混乱の中に
リンダ母娘の気持ちを覆う靄
黒い闇がすーっとはれわたっていく
カラフルな画面に気持ちのいいアクション
清廉潔白ではない人々や子供たちそれぞれの動向を
軽妙に描く快作…ではあるのだけど
特定の個人に対する被害がちょっと酷すぎて
そこばかりが気になってしまった(苦笑)
…あれ、どうおとしまえ付けるんだよ…
あまりに混沌がエスカレートしていくので
これどうオチをつけるんだろうと思ってみてたら
予想以上にストンっと気持ちよく決着がついたのは驚き
挿入歌の使いどころもうまいし見せ方聞かせ方も良い
しかし、フランスアニメはちょっとアート方面に偏向しすぎだと思う
好きだけどさ。
どうでもいいけど、概ね猫の肛門に意識を持ってかれる(笑)
シルブプレシルブプレシルブプレ
油絵、走書きみたいな作画は楽しい
ただ食育にも教育的にも何にもなってない
ドリフみたいな懐かしいドタバタ
おばあさんが気の毒でした ネコさんは可愛い、オシリの穴は手抜きなし 団地の子供がやたらと出てくるのでイノセンツのフランス版パロディかと思った
お国柄だと一言では片付けられないギャップ
日本だと「人さまに迷惑をかけない」というのが社会道徳の基本なのだけど、フランスは個人の自由がなにより大切なんだと、この作品を観てつくづく思わされた。
だから本来はスラップスティックなコメディとして受容すべきなんだろうが、母娘ともに日本人的には正直どうよと思う行動ばかりで、ちょっとした嫌悪感すらああった。
あと本場のゼネストはやっぱりエグい。
登場キャラクターを不定形な線画に原色でザックリとした着色で描く手法はなかなか刺激的。さすがはアヌシーでグランプリを獲っただけある。
その行動力はすごいと思うが、善悪の判断基準が緩くて、気になる部分は多い
2024.4.18 字幕 MOVIX京都
2023年のフランスのアニメーション映画
父の味を求めて、ストライキ中のパリでチキンを探す母娘を描いたコメディ映画
監督&脚本はキアラ・マルタ&セバスチャン・ローゼンバーグ
原題は『Linda veut du poulet!』で「リンダはチキンが食べたい!」、英題は『Chicken for Linda!』で「リンダのためのチキン!」という意味
物語の舞台は、フランス・パリ郊外の集合住宅
そこで暮らすリンダ(メリネ・エクレール)は、幼い頃に父ジュリオ(ピエトロ・セルモンティ)を亡くしていて、多忙な母ポレット(クロチルド・エム)と一緒に過ごしていた
ある日、母から結婚指輪を借りて登校しようとしたリンダは、それを母に見つかってしまう
指輪を返し、仕方なく学校に向かったリンダは、そこで親友のアネット(スカーレット・ジョルトン)と出会い、彼女がかぶっていた黄色のベレー帽を借りることになった
リンダが帰宅すると、母は何か探し物をしているようで、母は黄色のベレー帽と指輪を交換してきたと思い込む
「交換したと白状すれば帽子は返す」と言い、リンダは不本意ながら「交換した」というものの、母は約束を守らずにベレー帽を没収してしまった
さらに「お仕置き」と称して、ポレットの姉アストリッド(レティシア・ドッシュ)の家にリンダを連れて行き、「監獄」に彼女を入れることになった
その後、帰宅したポレットは、日に日に酷くなる水漏れと奮闘しながら、愛猫のガッツァの奔放さに翻弄されてしまう
そして、ガッツァが吐いたものの中から指輪は見つかり、ポレットは罪滅ぼしとして、母はリンダに謝り、「なんでもしてあげる」と告げた
そこでリンダは、「父の得意料理だったパプリカ・チキンを食べたい」と言い、二人はそのまま買い物に出かけることになった
だが、ストライキの影響で店が開いておらず、お目当てのチキンを手に入れることができない
やむを得ずに帰宅しようとした時、道すがらに養鶏場を見つけた母は、生きた鶏を手に入れるために飼い主と交渉しようとするる
だが、そこには息子のケヴィン(アントワーヌ・モメイ)しかおらず買うことができない
そこで母は、ケヴィンの目を盗んで、鶏を一羽勝手に持ち帰ってしまうのである
物語は、その帰り道で「スマホのながら運転」にて警察に捕まる母を描き、荷物検査の際にせっかく捕まえた鶏が逃げ出してしまうところから動き出す
警官のセルジュ(エステバン)と巡査長(ジャン=マリー・フォボンヌ)に連行されそうになったポレットは、鶏が逃げ込んだトラックの荷台に駆け込み、リンダも一緒についていく
そして、警察によってトラックは止められてしまい、御用となってしまうのである
映画は、この母娘の何でもありの行動を受け入れられるかが鍵で、ストなのに今日にこだわるリンダ、娘の話を一切聞かずに犯人扱いする母などが描かれていく
色彩が特徴的な作品で、キャラクターはほぼ単色で塗られていて、動きもぬるぬるした感じになっている
子どもの落書きのようなテイストであるが、これが意外と味があるように感じられるところは面白い
最終的にはハッピーエンドっぽくなっていくし、ポレットとトラックの運転手ジャン=ミミ(パトリック・ピノー)は良い感じになるし、アストリッドと警官セルジュの仲も良くなってしまう
一歩間違えれば死人が出ていてもおかしくないような内容だが、これで誰もが無傷と言うところがファンタジーなのかもしれません
いずれにせよ、かなりDQN的な行動の母娘なので、このキャラに共感できるかはわからない
キャラはそれぞれ色が振り分けられていて、リンダは黄色、ポレットはオレンジという感じで、そこまで被らないので、見ている分に混乱することはない
少しだけ哲学的な部分があって、父の記憶がないリンダがそれを取り戻す過程も描かれているので、五感に残っている記憶と脳に残っている記憶との結合によって「存在証明」がなされるのは良かったと感じた
自分もたべたい
ストーリー自体は日常生活にちょっとのハプニングの平凡なものだが、表現方法がどことなく高畑勲的な感じがした。
キャラクターが原色系なのでちょっと目がチカチカする(笑)
パンフレットもオシャレな感じ。
チキンはおいしそう(*´ω`*)
簡素化した線と色ながら。
計算され尽くされたアニメなんだろーなー。この絵面で70分はあきるかなー、と思ったけど全然そんなことなかった。リンダやママや叔母さんやらいろんな人達を巻き込んだ展開が楽しい。追っかけっこも迫力あるしスピーディー。しっかりほっこりハッピーになるまとめ方も最高。楽しかった。
一見ふんわり。実はフランス人らしいスパイスの効いた映画
事前情報無しで見たので、お料理アニメなのかなと思いきや、良くも悪くも裏切られました。一見ふんわりした見た目の映画ですが、フランス人らしいシニカルな目線で現代社会を映し出す内容でした。フランス映画を見るたびに「自我が強いよな彼ら」と思うのですが、この映画の主人公リンダも行動原理が「チキンが食べたい」で、目的のためには手段は選ばず、まさにフランス人でした。ラジ・リの「レ・ミゼラブル」に出てくるまんまの雑居アパートメントの人々、サッカーで繋がる多様人種の悪ガキたちが警察を追い詰めるシーン、さらにここでは飼い犬ちゃんまで自我が強い。すぐに恋に落ちる大人たち。さような現代フランスをシニカルに、かつほのぼのと描いた視点には感心させられました。
映画館ではパプリカチキンのレシピを配っていたので、早速夜にチャレンジしました。腕のせいかレシピのせいか、もっさりした味に仕上がり、オリーブを刻んで入れたほうが良かったなと反省しました。みなさんもパプリカチキンを作る際は自分なりの工夫を加えてみてください!
どんどん冷めてく
独特のタッチのアニメーション。人物や動物が単色のグラデーションで表現されている。これで、物語が面白ければ、絵も映えるんだろうけど、全くつまらないというか、これを作った人のセンスが全く理解できない。
イジワルな笑いと、死んだ父親への思いで構成されているんだろうけど、冷めた目でしか見れない。
これで90分あったら、キツかった。
今回も映画評風に書きました。
今回も映画評風に書きました。
次回からはちゃんと書きます。
映画評『リンダはチキンが食べたい!』:印象派アニメーションの可能性
1. 印象派アニメーションの可能性
近年、アニメーション表現の可能性は大きく広がり続けている。
その中でも、印象派の絵画のようなタッチを取り入れたアニメーションは、独特な魅力と可能性を秘めている。
高畑勲の『かぐや姫の物語』や圧倒的画力の『プロメア』は、
抽象的な設定や色彩を用いることで、
観客が作品世界に入り込みやすい環境を作り出し、
高い評価を得た。
『リンダはチキンが食べたい!』は、
日常の現実的な物語を舞台にしながらも、
ゼネストという非日常的な設定を取り入れることや、
パブロ、フィデル、カストロ、という名の、
登場人物を配置する事で、
印象派的な表現と物語を巧みに融合させている。
2. ゼネストと印象派表現の親和性
本作におけるゼネストは、
単なる舞台設定としてではなく、
印象派的な表現と密接に結びついている。
『地下鉄のザジ』に代表される、
フランス映画でよく見られる、
「時が止まっている」ような表現は、
印象派絵画の特徴である時間や瞬間を切り取ったような描写と共通している。
また、ゼネストによって社会の秩序が乱れた中で、
(あるいは秩序を取り戻そうとする状況の中で)
自由奔放な登場人物たちが繰り広げる騒動は、
アニメやCGであれば、
だれもいない世界や、
人々が静止している空間、
または、
宇宙船が目の前に浮かんでいる、
あるいは、
7つの穴等、
印象派絵画の色彩や構図の自由さと呼応している。
3. 計算された色彩と表現
本作は、カラフルな配色と彩色の細やかな計算によって、
印象派的な世界観を更に深めている。
特に後半の、声と歌、明と暗、点と線、配色と彩色が織り成す表現は圧巻で、観客を作品世界に引き込む力を持っている。
4. まとめ
『リンダはチキンが食べたい!』は、
印象派的な表現と日常的な物語を巧みに融合させた、
独創的で魅力的なアニメーション作品である。
本作は、アニメーション表現の可能性を広げると同時に、印象派絵画風アニメーションの新たな魅力を提示していると言えるだろう。
子供には絶対見せられないアニメ。買えないなら盗む。フランスでは常識なのか?
「リンダはチキンがたべたい」、でもストでどの店も閉店でチキン買えない。
じゃあ、盗んじゃおう!!じゃないよ!!
いきなり鶏を盗むからビックリ!
勝手に持ってっても、せめて代金を置いてくべき!
これがフランスの子供もみるアニメの基準なら、絶対許せない。
世の中には最低限のルールがある。
フランスなら許されるのか?
たかがアニメじゃん、とはいかない。
子供が観るからなおさらちゃんと作るというのは、日本の業界では常識。
それを破るなら、大人向けアニメにしないといけない
フランスではどうでもいいのか?
スト同様に自分の欲求のためなら、他人の迷惑は無関係化?
それだけではない、こどもにはみせられない、不愉快なシーンの連続。
忍び込んだ他人のトラック一杯の積み荷のスイカを、勝手にばらまいてみんなで食べたり、
鶏を締めるために他人の家におしかけて、協力をお願いする先の家をめちゃくちゃにしたり、
倒したタンスを鶏のせいにしたり、
大騒動にして話を盛り上げるために、やりたい放題。
父親が亡くなっていて気の毒だからって、何してもいいわけではない。
自分の欲求のために何してもイイわけでないし、他人に迷惑かけてはいけない。
他の映画がやっている、そうしてもいいような理由を用意したり、許せる範囲の行動にするという配慮が足らなすぎる。
絵柄がアートっぽいとか、ミュージカル仕立てとか、そんなこと以前に、映画人として、クリエイターとしての”衿持”がたりないのが許せなかった。
最初に、チキンではなく、生きている鶏を盗んだ時点で、
日本では、生き物を命をいただくことの意味がでてしまう。
フランスでは、生き物でも平気で殺して食べるだけの単なる「食材」だという教育が行きとどいているのだろうか。
本当に観なければよかった。
寝ちゃいました、ターゲットは誰なのかな?
独特の画風、ぶっ飛んだストーリーはかなりシュール。サザエさんスペシャルかと思うような展開。最後は少しほのぼのするかもだが、途中ついていけず寝てしまった。短時間でも最後まで見るのもやや退屈したが、子供向きとも思えない。コナンに客取られてるとはいえ、ガラガラ~なのも納得
落ち着くところはトリがトリもつ縁のお話でした
手書き風の描線とビビッドな色使いで、ストーリーも絵面もフランスを濃厚に感じさせる世界観が構築されててとても楽しい。お母さんを線画だけであんなにムッチリ色っぽく描写できるって、さすがスケベではどこに出しても恥ずかしくないフランス人
そもそも鶏肉が手に入らないのがストのせいっていう設定自体フランスっぽいし、だからといって農家から生きた鶏をパクってくるって強引なストーリー展開は日本人の考え及ばないとこ。日本でこんなアニメつくったら大炎上や。
さらにその鶏を見て、早く締めて、とか、締めるとこ見たい、という子供の反応も我が邦とのメンタリティの差を感じて面白い。生きたニワトリを見て「食べちゃうのかわいそー、もうチキンいらない」なんて甘ちょろいことを言わないのがたのもしいです。食育とはこうありたい。
お母さんだけでなく、叔母さんやら警官やら登場人物みんなひとクセあって、自己主張がすごく強い。フランススタンダードの人物像をカリカチュアライズするとあんなふうに描かれるんだろうね。
でもって、最後はお母さんやら叔母さんの恋愛の芽生えを匂わせてのエンディングに持ち込むんだから、サゲまでしっかりおフランスでした。
ファッキンリンリ
何だか珍しいタッチのアニメ映画だなぁと惹かれるように劇場へIN。特典はレシピカードでした。
アニメーションは最高!でも話はあんま好きじゃない!
そんなタイプの作品でした。
アニメーションは線と色で構成されており、これをちょこまかとちょこまかと動かすの相当大変だったろうなと思いましたし、上空から団地を見下ろすシーンなんかは絵本の世界に入り込んだような感覚でワクワクしました。
この難しいであろうアニメーションに挑戦してくれたアニメーターの方々には感謝が尽きません。
今作の気になった点はブラックすぎるコメディにつられてキャラクターがイカレまくっているところだと思います。
まず主人公のリンダは最初はお父さんを早くに亡くしてしまっているし、お母さんから厳しくしつけられているしで、大変な子だなぁと思っていたんですが、叔母さんの家に放り込まれたあたりからどんどんワガママな面が出てきて、出された料理に文句を言い、下品な遊びをしたりと後々この子がこうなのも親のせいか…と味わうことになりますが、まだこの段階ではまぁ子供だしなぁでギリ許せていました。
そこからチキンが食べたいの一点張りで行動していくので、周りなんてお構いなしに狂ったようにチキンを食べようとする様子ばかりで、タイトル通りっちゃタイトル通りなんですが、このクソガキ…!って何回も思いました。
直近で観た「リトル・エッラ」の主人公も紛れもないクソガキだったので、改めてこのくらいの歳の子供は苦手だなぁと思いました(全ての子がこんなに自由なわけではないんですが)。
しっかしお母さんがそれ以上にヤバいやつでコメディで進んでいるはずなのに笑えずに引いている自分がいました。
勘違いしたまま姉の元に娘を預けて、そこから勘違いを謝ったと思ったら、ストライキ中の街中からニワトリを奪うというシンプル犯罪をやってのけたり、姉に再び迷惑をかけたり、反省する様子なんて全くなく責任をなすりつけまくっていたりと、顔がピキピキってなるくらいにはこの70分でお母さんを嫌いになりました。ここまで不快指数が高いキャラクターは久々かもしれません。
ずっと振り回されっぱなしのお姉さんが不憫でなりませんでした。
妹からの詫びは言葉ですら無いし、姪っ子は駄々をこねるし、頼まれごとなんでもやるもんだと思われてるしで、これ邦画だったら絶縁してもおかしくない話だよなぁとお姉さんに同情しっぱなしでした。
住民たちは抜けている方々が多いので、そりゃ誰も止められないよなぁと遠い目で観ていました。
最後はハッピーエンド風に終わっていますが、お姉さん引き摺り込まれたのにその後何事もなく地上に戻ってるし、お母さん何も反省してないし、リンダはチキン狂いのまんまだしで、ハッピーさについていけずにポカーンとしていました。
倫理観の崩壊したクレヨンしんちゃんの世界という文言が自分の中でぴたーっとはまりました。あのラインだからこそクレヨンしんちゃんは面白いんだなと再確認するきっかけにもなりました。うーん難しい。
鑑賞日 4/13
鑑賞時間 14:50〜16:15
座席 I-12
みんな傍若無人がすぎる!
うーん、雰囲気オシャレなんだけど、
リンダも、ママも、叔母さんも、
エレベーターでサッカーしてる子どもたちも、
みんな、ワガママで、ちょっとイラっとしちゃった。
お父さんの思い出のチキンが食べたい!食べさせたい!!
という気持ちに感動するかと思いきや、
ママが、泥棒したらダメだよー。
リンダも、ご婦人のお家をゴッチャゴチャにするのも失礼だよー。
何歳の設定?この親にこの子あり???
もう、みんな傍若無人すぎて、ちょっと引いたよ…。
フランスのイマを活写しながら明るい未来の寓話に広げて行く
『リンダ』は母親の『ポレット』と郊外の大規模団地に住む活発な女の子。
父親は彼女が一歳の時に、食事中に突然亡くなり、
記憶はほぼほぼ無いに等しい。
が、その時の、父親が作ってくれた夕食だけはしっかり覚えている。
ある日、大事な指輪を失くしたと母親から疑いを掛けられるも、
結局は誤解とわかり、お詫びにと件のメニュー《パプリカ・チキン》をリクエスト。
ただ、約束の日は全土的なストライキでお店は全てお休み。
母娘はチキンを手に入れるために雨の中を右往左往。
果たして『リンダ』は思い出の《パプリカ・チキン》を食べることができるのか。
二人が住むのは、停電や漏水が頻繁に起こる古びた団地。
オマケに住人は移民も含めた多人種に及び
イマイマのフランス映画でも描かれる典型例。
母親は暮らしに余裕がなく、ついつい娘に辛く当たってしまう。
これも現代的な問題の一つ。
もっとも、物語りの発端である広範なストライキも
日本では今では見ることもなくなったが、
彼の地ではしっかり残っている。
こうした社会的な問題が、愉快な画面から透けて見えるのが特徴の一つ。
もう一つの特色は、太い線にべったりと単色で塗りつぶされた人物の絵柄。
精緻なリアルさを善しとするイマドキの日本のアニメとは対極。
にもかかわらず、表情は豊かで表現の躍動感も相当のもの。
全体を貫く{スラップスティック}なトーンにも合っている。
また、なんとしてもチキンを食べたい『リンダ』が繰り出す
子供らしい残酷さには驚きもする。
本来なら日延べをすれば良いのに、
娘の「どうしても今日食べたい。そう約束した」との強い意志に
母親は真摯に向き合う。
普段なら軽く一蹴するだろうに、
今回会議りは指輪を失くしたとの疑いで手を上げてしまったことや、
日頃の自身の言動の贖罪の面もある間も知れない。
勿論、父親を懐かしむ娘に応えたいとの気持ちも有ったろう。
結果引き起こされる騒動は、
警察を呼び寄せ、しかし地域住人も協力することで奇跡を生む。
その場面がなんともすがすがしい。
外へと飛び出した大騒ぎは団地の中へと収斂し、
新たな関係性も幾つか芽生える。
子供らしい純真さと、
それに報いる親の愛情が産んだ美しい寓話。
全49件中、21~40件目を表示