ロボット・ドリームズのレビュー・感想・評価
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September/君は覚えてるかな?
本作も話題になっていたので、とりあえず見ておこうと思い鑑賞しましたが、全くタイプの違う作品なのに一つ前に見た『どうすればよかったか?』の感想と同じく非常に切ない作品だったのに驚きました。
見ていて、まず感じたのは現在的なサイレント映画であるという事。
日本のアニメはティーンエイジャーの妄想の具現化であり、欧米のアニメは大人の妄想の具現化である事。
多幸感に包まれているのにも関わらず切なくなる事。
リアルな80年代のNYが舞台なのに人間は全て動物に擬人化されている事。
人型はロボットだけであった事。
数シーンだったと記憶しているが、ツインタワーが何気に強く主張している様に感じた事。
これらの事が頭の中で引っかかりながら私自身がまた妄想していたのですが、9.11(アメリカ同時多発テロ)で亡くなった方達の(成仏できない)亡霊というか魂達の妄想及び家族・友人・恋人との幸せの記憶の様な気がしました。
更に、今だとポリコレだとかLGBTQ映画の問題をクリアするには人間を登場させるより動物や機械を擬人化する方がより深く真実味のある人間性を表現できる手段なのかも知れないという事も感じながら、上記の妄想しながら見ていました。そして切なくなっていました。
それと確か主題曲である“Earth, Wind & Fire”の“September”の歌詞も字幕に無かった(?)ので気になり、他のサイトの和訳(下記)を見たら、私の妄想も当たらずとも遠からずの様な気がします。
※歌詞の和訳を引用しておきます。(September/Earth, Wind & Fire)
君は覚えてるかな?9月21日のあの夜のこと
互いの愛が、噓つきな僕らの心を変えていったこと
雲を追い払うみたいに
僕らの心は鳴り響いていた
魂の歌い上げるキーに合わせて
一晩中踊り明かしながら
覚えてる?星たちが夜の闇を明るく照らしたあの時を
バ・ディ・ヤ、覚えてる?
バ・ディ・ヤ、夢中で踊った9月のこと
バ・ディ・ヤ、雲ひとつないあの青空を
僕の想いはいつも君と一緒だよ
君の心に触れたくて手を取ったんだ
秘密の会話と愛を分かち合ったよね
覚えてる?この愛は永遠にあり続けるって気付いたあの時を
今はもう12月に
9月に育んだ愛にまた巡り合ったんだ
秘密の会話とこの愛さえあればいい
忘れないでいて、今ここにある本物の愛を
バ・ディ・ヤ、覚えてるのかな
バ・ディ・ヤ、踊り明かした9月のこと
バ・ディ・ヤ、雲ひとつなかったよね
バ・ディ・ヤ、覚えてるって言ってほしいんだ
バ・ディ・ヤ、時間も忘れて踊った9月を
バ・ディ・ヤ、無限の夢たちは輝く日々を連れて来てくれた
鐘が鳴り響いて
僕らの魂は全力で歌っていた
君は覚えてる?
雲ひとつない日だったよね、ほんと
バ・ディ・ヤ、覚えてるって言ってよ
バ・ディ・ヤ、手を取り合って踊った9月のこと
バ・ディ・ヤ、雲なんてどこにも見えなかった
バ・ディ・ヤ、ねえ 覚えてるでしょ
バ・ディ・ヤ、はしゃいで踊り回った9月を
バ・ディ・ヤ、ふたりの夢は陽の光の中できらきら輝いてた
セプテンバー♪
短編映画でも良さそうなストーリーだが、どこを切り取ってもアートにな...
短編映画でも良さそうなストーリーだが、どこを切り取ってもアートになりそうな作画なので見入ってしまう。
シンプルな作画なのに。
タイトル『ロボット・ドリーム』の通りの演出が上手い。
実物表現が凄くて現実のNYの街が描かれてる。DOGが役所で住所を記入するシーンがあるが、この住所をググれば このアニメのDOGが住んでる実際のアパートが出るらしく、なんと昔 監督が住んでたアパートらしい。
後にFBIから摘発されるキムズ・ビデオ(Kim's Video)も出る。キムさんがクリーニング屋を改装して営業を始めたレンタル(グレーゾーン)ビデオショップで、ニューヨークの複数箇所で映画ソフトのレンタルとCD販売を手掛けた伝説の店。なんと昔 監督が働いていたらしい。(今は無いらしい)
チュッパチャプス(chupa chups)が舐めたくなる。子どもの頃は「チュッポチャップス」と呼んでいた。最後に舐めたのはいつだろう。
観てて「ロボットとバスに乗る時は2人分の乗車賃がいるのか?」なんて考えてしまった。
ここまでシンプルな絵で感情移入させる表現力がすごい
少し話題になっている作品。
つかみからとてもテンポよく、Dogの寂しさが伝わってきて、ロボットととの楽しい時間が対比してとても豊かに感じられる。
途中途中退屈になるところもあるが、キャラクター全てがかわいく、魅力的だった。
シンプルな絵だからこそ、目と手振りだけで感情表現する必要があり、それに見事に応えていた。
こども向けの絵にみえるが、大人にもプリミティブな感情を呼び起こしてくれて、感情が繊細に、豊かになる感覚が味わえる。
そして、最後のDo you remember, septrmperにほろりと来た。
言葉を持たないからこそ、音楽で伝える、という粋な演出は会えない時の寂しさを感動へと昇華させてくれる。
また、動物にすることで、言葉やセリフなどなくても、思いは伝わるし、一方で少しのすれ違いで、うまくいかないこともある。
ロボット・ドリームズというタイトル。
ロボットは夢を見るが、プログラムで制御されているのか、それは現実にならない。
自分の意思で状況を変えられなくても、ただ、プログラムのもとで音楽を鳴らす、という世界共通の言語で表現によって、元の主人を楽しませる、それが彼の選んだ道である。
老若男女、おすすめできる映画であるし、現代へのメッセージも詰まっている、そんな作品であった。
たかがアニメと軽んじていたことを猛省
あっ、なるほどね~
トーキー映画があるように、実写なら情報量が多いので出来ると思いますが、アニメでこの画で100分やるのはスゴイと思います。忍たま乱太郎と通ずる表情付けの上手さがあると思いました。
映画が進むにつれ「これ何がやりたいの?どうなりたいの?」っていう疑問がドンドン湧いて来て、ラスト手前では「これ普通に終わらすの?この映画なぜ評価高いの?」って観てました。
ですが、ラストでそれらは「あ~、なるほど~。そういう収め方するんや~」って思い、「うまいな~」っていう感想に変わりました。あれだけフラストレーションが溜まっていたのが一気に開放され、まるで映画の印象が変わりました。
「映画って面白いな~」とつくづく思い知らされました。それと「えらい長い前フリやな~」っと。
この監督の伝わると思う信念がホントスゴイと思いました。
セリフ、ナレーションを無しにしてる所や、往年の音楽を色々使ってくる所など伏線というか印象付けか~とも思えます。
先にも書きましたが『ホント映画って面白いな~』って思わさせてくれた一本です。
ノスタルジー&ビター
日本人の意地...?
冒頭から共感性が高くて引き込まれるし、色味が海外っぽくて新鮮。
ラストは切ないけれど現代の感覚が反映されていてほろ苦い感じ。
アニメでこんな感情にさせられるのはすごいなと思うけれど若干冗長的。
もしかすると日本人の意地みたいな感想なのかもしれないけれど、嫌な感想を。。
見ている間、確かに素敵なストーリーだしこの作品に悪いところはないけど、
え、これでジブリと同じ料金取るの??って思ってしまった。
本当にこの作品に欠点はない、けど、ジブリ作品とのクオリティの違いが悪い意味で圧倒的。
アニメでこの現代人に共感できるテーマを上手く扱っていること、セリフなしでも約2時間間をもたせられること、色味やシンプルな作画、色々良い点はもちろんある、のだけど...!!
そんなこと、とっくにジブリが圧倒的なクオリティで遥か昔にやっていて、日本のアニメーションはもっと先に進んでるのよ!アニメだから..という言い訳を遥か昔に破り捨てて実写映画と張り合える(アニメならではの良さを提示して)映画作ってるのよ!
という、この作品とは無関係の日本人の意地??的な感情が溢れてちょっと悔しかったな。
私がアニメ作ってるわけでもないからこれはただのお門違いなジブリ愛なのかもしれないけれど。
何だかこの作品とは無関係な感想が溢れてまともな感想が出てこなかった。
絵の可愛さで得してる
ほのぼのしたイメージでありながら、よく考えると現実的なメッセージが散りばめられている。
犬とロボットの交流と、そこからうまれる生活の変化。
セリフなし(うなったりはする)で物語を成立させているのはすごい。
1980年代のニューヨークが舞台のアニメ。
主人公は犬。ひとりの暮らしに寂しさを覚えて通販でロボットフレンドを購入する。自ら組み立てたロボットと外出するようになり、生き生きとしてくる。
夏になり、海に遊びにいく。ひと泳ぎしてから砂浜で昼寝。犬が目覚めるとすっかり日が暮れていた。ロボットを起こし、ふたりで帰ろうとするが、ロボットは体がさびてしまい動けなくなっていた。
犬はその日は帰って、再びロボットを助けに戻るが海水浴シーズンが終わって砂浜は閉鎖されていた。
LGBTを意識した作りなのかわからないが、友だち以上の感情であることは間違いない。しかし、他の人間にとってはロボットはただのロボット、金属の塊という扱いになっている。こういう設定は現実的だ。人間同士でも友だち同士は大切にするが、無関係な人はそんなものだろう。多様性の時代とはいえ、誰もが理解しあうという世界になっていない。
街並みのショットで、いつもツインタワーが描かれているのはなぜだろうと思っていたのだが、監督が「この映画は、もう二度と会うことのできない大切な人々へのラブレターとして作りました」とコメントしていることと、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの「セプテンバー」が繰り返し流れるので、911を意識しているのだろう。
ペタっとしたアニメで人間が出てこないファンタジーな作りでありながら、内容はけっこう現実的だった。
このあたりの規模の作品が増えてくれると、また映画を観る楽しみが増えるので良い。
ボート借りて海から救助に行けなかったのかなぁ
ニューヨークで暮らす孤独な犬は自分の友人が欲しくてテレビで観たロボットを注文し、組み立て、そのロボットと一緒に色々な所に行き、友情を深めていた。夏になり、犬とロボットは海水浴へ出かけたが、海水に浸かったロボットが錆びついて動けなくなってしまった。ロボットを持ち帰ろうとするが重くて運べず、日を改め、工具を持って行き修理しようとする犬だったが、海水浴場はシーズンが終わり閉鎖されてしまい、来年の6月1日の海開き迄入ることが出来なくなった。ロボットを置いたまま犬とロボットは離ればなれになってしまい、ハロウィンが過ぎ、冬が来て雪が降り、春になり・・・さてどうなる、という話。
セリフ無しで擬人化した動物の住むニューヨークで、孤独な犬が寂しさを紛らわそうとロボットを購入するのだが、ストーリーは単純だからセリフは無くてもわかる。
穴の空いたボートで沖から来た奴らみたいに、陸側から海岸に入れてもらえないのなら、ボートを借りて海から救助に行けばよかったのにね。
海開き前に鉄クズ集めに見つけられ、売り飛ばされた時は絶望的に悲しかった。どこから来たのか、陸側からあの海岸に行ける人(動物)も居るんだ、とは思ったが。
その後、アライグマが買い取って修理してくれて良かった。
でも、その時には犬はもう新しいロボットを買ってたんだよね。
そこも悲しかったかな。
ずっと流れてた、アースウィンドアンドファイヤーのSeptember、いい曲だなぁ。懐かしかった。
もう恋じゃん
これはもう恋の話ではないですか。
きっとこの先こんなふうにAIは繊細なこころの機微さえも学習していくのでは?というある種のおそろしさがつねにあって、しかしなぜそれにおそろしさを感じてしまうのか、複雑で淡くあいまいな恋心をもてるのであれば、それはもうすでにひとなのでは?恋するひとはこわくない、でも機械が(プログラムが)恋するこころを手に入れられてしまうのは、なんとなくこわい気がするのはなぜなのか、みたいなことをぐるぐる考えつつ、でもこのピュアな恋心にどうしても胸をうたれてしまう。
余談ですけど、こういう動物の世界線って服とか靴とかの概念どうなってんのかな、といつも考えてしまう。
モブの動物たちは服着てたけれど、犬さんいつも全裸だったよね・・・
Do you remember?
かなりシンプルでピュアな映画でした。孤独を紛らわすために通販で購入したロボットと犬との、友情とも恋愛とも言えるような、心の絆のストーリー。
ロボットが見る「オズの魔法使い」の中にも登場するワールドトレードセンターは、ノスタルジックで理想的な世界のイメージのよう。現実にはそれが失われているだけになおさらです。「ロボットが夢見る」というタイトル通り。
ただこちらの感性が摩耗しているせいか、細かいところが気になってしまった。ニューヨークの海岸って、そんなに出入りが厳しいのでしょうか?自分の所有物(ロボットのこと)を紛失してしまったのに、それを取りに入ることも許されないというのは、ちょっと納得いかないような。。。
映画で観る絵本
ツインタワーのあった時代
わかっちゃいるけどセプテンバー一発でぼろ泣き。ロボットを助けるためにもうちょい別の方法あるんじゃと思ったり、子鳥がロボットとドッグを結びつけてくれるのかと思いきやそれもなく拍子抜けしたが、映画を観終わってからもついセプテンバーを聴いてはふたりが踊るシーンが目に浮かんでまた泣いた。セプテンバー聴く→落涙するパブロフのドッグ状態。
設定は80年代ということだが、ドッグとロボットの関係が単なる友情以上のものをにおわせてくるところに今どき感があり、さまざまな人間関係にも当てはめられるのがうまい。ちなみに血走った目玉柄のゲイラカイトが流行ったのは70年代だと思うけど、そもそもセプテンバー自体が1978年の曲なので、そんなざっくりとした懐かしさも落涙要素になっているのかも。
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