ロボット・ドリームズのレビュー・感想・評価
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ノスタルジーを誘う、ロボットと犬の友情物語
海外アニメ映画は、おもにディズニーやピクサーしか見たことはなかったので、スペイン・フランス合作映画ということで、今回は興味津々でこちらの映画をチョイス!
無声映画に近く、はじめは少し戸惑いましたが、だんだん映画の世界に引き込まれていくうちに、余分な音はいらないとさえ思えてきました🙄
セリフがない分、キャラクターの表情や擬音により敏感になります。犬やロボットの表情に一喜一憂しながら、この先どうなるのか予想しながら観ていくと、なんとラストは?!
若干、思った展開と違いましたが、これはこれでありなのかとも思いました。
今年見観た映画の中で、一番優しくてちょっぴり切ない映画だったかもしれません。
日頃の忙しさに、疲れ切っているあなたにオススメ🧐
どこかノスタルジーを誘う
この冬一番優しい物語
日本人にとって馴染みやすい題材
ノスタルジックな雰囲気なんだけど、これからの未来に向けて重要な何かを描いたかもしれない。人間の孤独化は進んでいるし、ロボット工学やAI技術は発展していく。これからの人間は、ロボットとの共存という可能性を本気で考えないといけないかもしれない。日本国内で意外なヒットとなっているが、「ドラえもん」を見て育った国民的には、他人事ではないテーマという感じがする。
不意にビーチが閉鎖されて、突然の別れとなってしまう犬とロボットだが、どちらも不思議な巡り合わせで大切な人と出会う。あの別れがなかったら、この出会いもなかったかもしれないと思うと、2人にとって何が幸いなのか。
人生はそういう別れと出会いの連続で、そんな当たり前のことが犬とロボットでカリカチュアされた結果、すごく新鮮なものとして浮かび上がってくる。
観ていて、「昔の友達どうしてるかな」みたいなことを思わせる作品なのだ。数年来連絡のとってない友人に連絡したくなる作品だ。
絵の可愛さで得してる
ほのぼのしたイメージでありながら、よく考えると現実的なメッセージが散りばめられている。
犬とロボットの交流と、そこからうまれる生活の変化。
セリフなし(うなったりはする)で物語を成立させているのはすごい。
1980年代のニューヨークが舞台のアニメ。
主人公は犬。ひとりの暮らしに寂しさを覚えて通販でロボットフレンドを購入する。自ら組み立てたロボットと外出するようになり、生き生きとしてくる。
夏になり、海に遊びにいく。ひと泳ぎしてから砂浜で昼寝。犬が目覚めるとすっかり日が暮れていた。ロボットを起こし、ふたりで帰ろうとするが、ロボットは体がさびてしまい動けなくなっていた。
犬はその日は帰って、再びロボットを助けに戻るが海水浴シーズンが終わって砂浜は閉鎖されていた。
LGBTを意識した作りなのかわからないが、友だち以上の感情であることは間違いない。しかし、他の人間にとってはロボットはただのロボット、金属の塊という扱いになっている。こういう設定は現実的だ。人間同士でも友だち同士は大切にするが、無関係な人はそんなものだろう。多様性の時代とはいえ、誰もが理解しあうという世界になっていない。
街並みのショットで、いつもツインタワーが描かれているのはなぜだろうと思っていたのだが、監督が「この映画は、もう二度と会うことのできない大切な人々へのラブレターとして作りました」とコメントしていることと、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの「セプテンバー」が繰り返し流れるので、911を意識しているのだろう。
ペタっとしたアニメで人間が出てこないファンタジーな作りでありながら、内容はけっこう現実的だった。
このあたりの規模の作品が増えてくれると、また映画を観る楽しみが増えるので良い。
ボート借りて海から救助に行けなかったのかなぁ
ニューヨークで暮らす孤独な犬は自分の友人が欲しくてテレビで観たロボットを注文し、組み立て、そのロボットと一緒に色々な所に行き、友情を深めていた。夏になり、犬とロボットは海水浴へ出かけたが、海水に浸かったロボットが錆びついて動けなくなってしまった。ロボットを持ち帰ろうとするが重くて運べず、日を改め、工具を持って行き修理しようとする犬だったが、海水浴場はシーズンが終わり閉鎖されてしまい、来年の6月1日の海開き迄入ることが出来なくなった。ロボットを置いたまま犬とロボットは離ればなれになってしまい、ハロウィンが過ぎ、冬が来て雪が降り、春になり・・・さてどうなる、という話。
セリフ無しで擬人化した動物の住むニューヨークで、孤独な犬が寂しさを紛らわそうとロボットを購入するのだが、ストーリーは単純だからセリフは無くてもわかる。
穴の空いたボートで沖から来た奴らみたいに、陸側から海岸に入れてもらえないのなら、ボートを借りて海から救助に行けばよかったのにね。
海開き前に鉄クズ集めに見つけられ、売り飛ばされた時は絶望的に悲しかった。どこから来たのか、陸側からあの海岸に行ける人(動物)も居るんだ、とは思ったが。
その後、アライグマが買い取って修理してくれて良かった。
でも、その時には犬はもう新しいロボットを買ってたんだよね。
そこも悲しかったかな。
ずっと流れてた、アースウィンドアンドファイヤーのSeptember、いい曲だなぁ。懐かしかった。
もう恋じゃん
これはもう恋の話ではないですか。
きっとこの先こんなふうにAIは繊細なこころの機微さえも学習していくのでは?というある種のおそろしさがつねにあって、しかしなぜそれにおそろしさを感じてしまうのか、複雑で淡くあいまいな恋心をもてるのであれば、それはもうすでにひとなのでは?恋するひとはこわくない、でも機械が(プログラムが)恋するこころを手に入れられてしまうのは、なんとなくこわい気がするのはなぜなのか、みたいなことをぐるぐる考えつつ、でもこのピュアな恋心にどうしても胸をうたれてしまう。
余談ですけど、こういう動物の世界線って服とか靴とかの概念どうなってんのかな、といつも考えてしまう。
モブの動物たちは服着てたけれど、犬さんいつも全裸だったよね・・・
Do you remember?
かなりシンプルでピュアな映画でした。孤独を紛らわすために通販で購入したロボットと犬との、友情とも恋愛とも言えるような、心の絆のストーリー。
ロボットが見る「オズの魔法使い」の中にも登場するワールドトレードセンターは、ノスタルジックで理想的な世界のイメージのよう。現実にはそれが失われているだけになおさらです。「ロボットが夢見る」というタイトル通り。
ただこちらの感性が摩耗しているせいか、細かいところが気になってしまった。ニューヨークの海岸って、そんなに出入りが厳しいのでしょうか?自分の所有物(ロボットのこと)を紛失してしまったのに、それを取りに入ることも許されないというのは、ちょっと納得いかないような。。。
映画で観る絵本
ツインタワーのあった時代
わかっちゃいるけどセプテンバー一発でぼろ泣き。ロボットを助けるためにもうちょい別の方法あるんじゃと思ったり、子鳥がロボットとドッグを結びつけてくれるのかと思いきやそれもなく拍子抜けしたが、映画を観終わってからもついセプテンバーを聴いてはふたりが踊るシーンが目に浮かんでまた泣いた。セプテンバー聴く→落涙するパブロフのドッグ状態。
設定は80年代ということだが、ドッグとロボットの関係が単なる友情以上のものをにおわせてくるところに今どき感があり、さまざまな人間関係にも当てはめられるのがうまい。ちなみに血走った目玉柄のゲイラカイトが流行ったのは70年代だと思うけど、そもそもセプテンバー自体が1978年の曲なので、そんなざっくりとした懐かしさも落涙要素になっているのかも。
40代独身寂しがりやには響きました。
アメリカ人はあのロボットを行動を見てどう思うのだろう。。
セリフは無し。
主人公の犬と友達ロボットの話。
アニメはいかにもアメリカって感じ。
アースウィンド&ファイヤーのセプテンバーが要所要所で流れる。
その他の音楽も良い感じ。
この二人(犬とロボット)の表情が良い。
単純な絵なんだけど、哀愁のある表情をたくさんしてくれた二人。
そんな二人が離れ離れになり、なんとも言えないラスト。
途中、早く助けに行けよと悶々としながら見ていた。
ロボットの思いが分からなかった。。
人間(犬)の方は次のロボットを手に入れているし、人間の身勝手さを表現したかったのかな。
ロボットの感情は、義理人情というのか、遠慮というのか。。
人間のために生きるロボットのあるべき姿を表現しているんですかね。
日本人の感覚に近い感情のような気がするし、アメリカ人はあのロボットを行動を見てどう思うのだろう。。
すっと受け入れられる感じではなかった。
久しぶりに日本以外のアニメでした。
やっぱり違うもんですね。
素晴らしい!!!
孤独と依存と別れと郷愁
最後まで一つの台詞もないアニメーションの中で唯一の言語はアース・ウィンド&ファイアーのセプテンバー
孤独を埋める道具として買われたロボットと主人公の犬の楽しい日常の中でセプテンバーで踊る2人
「覚えているかい?あの日の事を
今でも君の事を思っているよ」
海に入り故障して捨て置かれる間にロボットが夢を見る
飼い主を思い彼の元に戻る夢を何度も見る
アンドロイドは電気羊の夢を見るのか
アンドロイドに感情はあるのか
飼われているペットに感情はあるのか
ペットを所有物として扱う一部の人間にとっては警告であり、ペットを家族として愛する人間は涙する映画です
そして飼い主とペットを越えた人間の出会いと別れにも通ずる2人の最後
すでに新しいパートナーと別々の道を歩き出してしまった2人の最後の時間
パートナーを悲しませない為に2人が選ぶ新しい道
ラストのセプテンバーが繋ぐほろ苦い郷愁の時
とても泣ける良い映画でした
脚本3.5
演出4
映像3
芝居
2025-N1
一年の最後を飾るに相応しい
採点4.3
出会いと別れと、友情を描いたサイレントアニメーション作品。
シンプルな作画だけど実に細かく、窓の外や背景などとても丁寧に描かれています。
またマットなトーンだけどとてもカラフルで、観ているだけで楽しい。
舞台は動物の世界。その社会の中での孤独と、出会いがとてもドラマティックに写されているんです。
トラブルから引き離される二人、希望と共に挟まれるロボットの寂しい夢。
その調子っぱずれの口笛がまた悲しいんです。
また、ずっと作品のキーになっているアースの「September」。
この入れ方も実にうまくて、最初のローラースケートや、離れた場所で二人一緒に踊るダンスのシーンは素晴らしかった。
『覚えているか?9月に踊ったことを』なんて歌詞に載せた二人のダンスはなんて素敵な時間でしょうか。
でも、もう会うべきでは無いと姿を隠すロボット。
楽しかった思い出はそのままに、今のパートナーとの時間を大事にしたい。
友情を描いた物語ですが、それはもう別れた恋人たちのよう。
ずっと涙が止まらなかったです。
一年の最後を飾るに相応しい、とても素晴らしい作品でした。
映画は言語でもある
セリフのない中語られるものは何か
すごく切ない恋愛映画を観た気分
ロボットが出てくるアニメなのにSF感が全くないのも珍しい。一つにロボットの造形の問題がある。「アイアン・ジャイアント」に少し似た感じの造形だが、さらに優しくした感じ。これでSFを感じるのは難しい。そして人ではなく動物を擬人化したことも拍車をかけている。それでいて、出てくる物はリアルに存在している物で、トーキング・ヘッズのアルバムジャケットを見つけてオッと思ったりする。まずはこの世界観についていけるかどうかが試されるということ。
途中の展開もかなり不思議。あんなことでロボットが置き去りにされるもんかね。イヌにもうちょっとできることがありそうな気がしてしまう。リアルな人間の物語ではすれ違いを作ることが難しいのかもしれない。途中で起こすイヌの行動も若干受け入れがたい。まぁ寂しさに負けてしまった気持ちもわからないではないけど。
さぁ、こんな流れでどんな終わり方するのだろうと思っていたら、めちゃめちゃ切ない終わり方だった。でも切ないだけじゃなくてちゃんと前を向いている感じ。遠距離恋愛をしている恋人たちのすれ違いを描いた、上質の恋愛映画を観た気分だ。セリフなしでここまで描いたことにも感動した。
9.11が起こっていないニューヨーク。印象的な場面で使われるEW&Fのセプテンバーが何かを示唆しているような気がしてならない。ロボットが出てくるのに少しノスタルジックという、少し不思議な映画だった。
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