「ロボットは、羊の夢を見ずに、犬の夢を見た」ロボット・ドリームズ YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
ロボットは、羊の夢を見ずに、犬の夢を見た
まったくのノーマーク映画でしたが、友人女子の推薦があり、
予告編を1度観ただけで、原作も知らずに、予備知識がほぼないままの状態で鑑賞しました。
映画を観る前は"友情"をテーマにした映画かと思いきや、完全に恋愛比喩映画でした。
恋愛ものと言っても、大人が観るアニメなので、投げられる球は、直球という生やさしいモノではなく
ほぼ全ての球は"比喩表現"です。
この映画の挿入歌「セプテンバー(アース・ウインド&ファイアー)」だけは、映画の内容そのものなので、
観賞前に、きちんと和訳を予習しておくと、この映画の真髄を素直に理解できると思います。
ただ、曲自体は9月21日の事ではなく、12月に成ってから後悔する未練がましい内容ですが。。。その辺が 映画とは違いますが
6月を待つまでの、グズぶりは曲も映画も同じです。
かと言っても、誰でも100点満点な生き方は、100%ありえないのですから、
僕の場合でも、人生をやり直しても、相手を変えても、やはり今の立ち位置だと思うからこそ
本映画を鑑賞していて、最後の画面分割の踊りあたりから。。。本気の涙が止まりませんでした。
本映画鑑賞者は、これまで歩んできた個々の人生の違いによって、
この映画をいろいろな形で、比喩解釈をする事になりますが、
僕の場合は、ありきたりな恋愛ものにさえ感じました。
恋愛もの あるあるストーリー展開で、捻りはないストレートなのですが、それだけに
美男美女を使う実写映画ではなく、動物(犬)とロボットに置き換えてくれているので、かえって感情移入ができました。
監督がこのようなアニメ映画にした理由は、原作絵本との関係ではなく、素朴さを魅せる為のものでもなく、大人向け映画なので、
比喩的内容に対して、鑑賞者が深読みして欲しいので、必要以上の情報を減らしている為の結果だと考えられ、ある意味現代版の白黒映画と同じ演出手段に近いものだとも思われます。
ニューヨークのWTC(911で有名な世界貿易センター:ツインビル)が何度か映り込んでいたのだが、この意味は何なのか? 僕には理解できなかったので、監督に訊いてみたい。
本筋からは、外れるが、アヒルのダックからのメールだけは、翻訳字幕だけはいれた方が、映画として良かったと思う。
“手を繋ぐ”事は、友情ではなく、恋愛を意味しています。
異性だけではなく、同性にも当てはまりますけど。
錆びる と言う事は、飽きて しなくなる事です。そして会話もない時間が過ぎていました。
ロボットは、機械ではなく眠れるので、夢を観ます。
だから、この映画のロボットは生身の体であり、メンテナンス(コミュニケーション)が、必要で、放っておいては いけない相手であると言う事です。
この映画を観たら、最近の映画では「四月になれば彼女は」を観た方が良いかもしれない
理由は異なるが、どんくさい主人公は似ています。