「記憶のどこかの隙間に刺さる」ロボット・ドリームズ さいてょさんの映画レビュー(感想・評価)
記憶のどこかの隙間に刺さる
愛くるしく、苦しい映画。
誰かの記憶にきっとある、
孤独で死んだ目状態も、友人やパートナーとのはっちゃけも、別れを余儀なくされることも、うざいカップルとのいざこざも、やたらグローバルなやつとの接近も、ボーリングで笑われたことも、自分が代替可能であることの不安も、新しい出会いも、元カレ元カノが今の自分を形成していることも、、、様々なシーンが様々人のどこかの記憶に刺さり、そしてその後の人生を肯定してくれるような作品。
台詞と性別が無いことで、視聴者それぞれのあの時の台詞やあの時言って欲しかった言葉が脳内で再生されるような作りになっているのではないだろうか。
ツインタワーが映るニューヨークで『9月をおもぼえてる?』は強制的に別れることとなった人を想起させ、よりテーマ的の質量を高めていた。
ラストダンスのスプリットスクリーンでリンクする二人は最高。感情をぐちゃぐちゃにされた。
巧くはないけど丁寧に作られていて、ポップだけどウェットで、しんどいけど楽しい本当に愛おしい本作。
集中してみることが、絶対条件なので映画館でみることは必須ですし、観た人が歩んだ人生によって感想も変わるので、もし、いっしょに語らう人がいるなら是非共に劇場で鑑賞することをオススメします。
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