「痛くてイタくて、いたたまれない。」ゴールド・ボーイ のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
痛くてイタくて、いたたまれない。
岡田将生さん、「僕の初恋をキミに捧ぐ」の頃からすっかり変わりましたねー。
彼のクズ男っぷりを観たくて出かけました。
「JOKER」の時ほどじゃないけれど、殺害シーンがめちゃ多くて、何度か飛び上がりました。
刺すシーンや殴るシーンがあるので、苦手な方はご注意を。
自分ファーストで、他の人を犠牲にすることをなんとも思わない人…いるんですね。
昇さんも朝陽くんも、途中からアンドロイドに見えてきました。
朝陽くんの母親が、真相を知って、隠すのではなく刑事に知らせるところ、よかったです。
社会に出た時必要なスキルを子どもに身に付けさせるのは、親の役目です。
それに、朝陽くんが拘束されなければ、次に殺されるのはこの母親だったでしょう。
彼にとって、自分の思い通りに動かない人間は邪魔なのですから。
昇さんや朝陽くんのような人は、社会にとっては脅威です。
我が子が彼らののような人に殺されたり傷つけられたら…と考えると、背筋が凍ります。
けれど、彼らを死刑にしたり、生涯刑務所に入れることが正解なのか分かりません。
「死刑とは、マジョリティが合法的にマイノリティを殺すことである」という言葉を知って、ショックを受けました。
根本的な性格矯正をするのか、それても生活空間を分けるのか、いっそ命をなくすのか、多様性とはどこまで違いを許容できるのか、人権はどこまで守られるべきなのか、社会への問いかけのようです。
私は、自由とは、法律と公共の福祉、他者の人権を侵害しない範囲のものと思います。
小さい頃からスマホを操作して、友だちともSNSでつながる時代。
乳母車を押しているお母さんも、赤ちゃんに話しかけずにスマホ見ながら歩いてます。
なんだか、直接人とかかわる機会が急激に減っている気がします。
昇さんや朝陽くんのような人が増えると怖いなと思いました。