「岡田将生は裏切らない。が……」ゴールド・ボーイ みる子さんの映画レビュー(感想・評価)
岡田将生は裏切らない。が……
とても面白かった。
岡田将生の悪役は初めてではないが、相変わらず美しくも胡散臭い。歳を経てますますそのアンバランスの度合いが増している。
彼の筋力は、そうあるように見えないので、陰の主役の悪童に比べて美貌以外に勝っているところは何だろう。お金も自由にはならないらしいし。まあ殺しの経験値か。ということで、次第に曖昧になってゆく筋書き。
彼の妻の不機嫌な嘘くささも、すべてはドンデン返しへのコマにすぎなかった。
さすがに江口洋介は違うだろう。老けたなあ。でもベテランだし、コマにはならないだろう?と思いながら見ていた。はたしてならなかったが、なったら、あるいはもっと面白かったかもしれない。ラストシーンももっと盛り上がったかもしれない。でもなぜ刑事の彼が富豪の一族なの?何か設定が全体的に不自然。
主役と思った岡田将生は囮だったのね。残念。大きなコマ。確かに彼は黄金少年ではなかった。
拾い物は、出ていると知らなかった黒木華。裏のない元気な善人をやるととても合っている。若いお母さんだなあ。それにしてもお父さんもいい人なのに、なぜあんな悪童が生まれた?原作は「悪童たち」というタイトルみたいだけど、悪童は1人ですよね。
少女役の子が本当にはまっていて存在感があった。最初の水をごくごく飲むシーンなど秀逸。今でも沖縄の道を走ってそう。ナイスキャスティング。
そして悪童。ズブの素人だったら面白かったのに、あの有名な事務所の子だったのね。見覚えがあった。でも本当に感じのいい子のオーラが半端ないため、途中まで騙された。
夢に出てきそうな悪童。白夜行みたいなラストがちょっと残念だったが、ツッコミどころは満載なのに、本当に面白く、それが気にならない。