「ガツンとやられた。今年最大級の掘り出し物か」ゴールド・ボーイ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ガツンとやられた。今年最大級の掘り出し物か
少年少女が絡むクライムサスペンスって、やっぱり根底に児童虐待と貧困があったりする。そういう意味で本作は、沖縄という舞台が絶妙な設定だった。しかもところどころで米軍の戦闘機が飛行する爆音が響いたりする演出もうまい。若干古い日本映画のような映像づくりも、意図的なものなのか、中国資本の影響なのかわからないが、鬱屈とした街の雰囲気を醸成していたと思う。
偶然殺害現場を動画撮影していた少年少女3人による犯人への金銭要求と殺人犯との駆け引きが描かれる本作。朝陽と夏月の恋の話だったり、それぞれの親との確執だったり、青春映画の要素も多いから「青春クライムサスペンス」的な見方で楽しんでいた。切ない恋だなとか、岡田将生はやはり悪い役が似合うなとか、3人の中学生役の俳優たちがいい感じだななんて思っていたら、徐々にテイストが変わっていくのを感じた。なんだこれ!?と戸惑い、こんな展開になったら嫌だなという悪い予感もふつふつと湧き上がってくる。案の定というか、こちらの予想を超えてくるクライマックス。いろんなことが覆された気分。嫌な気分になるのに、でも嫌じゃない。なんだよもう!面白いじゃないか!しかもエンドロールの後にも驚きの映像が。これ、本当か!?
地味な宣伝だったから、出演者が意外と豪華なのにあまり目立っていない気がする。危うく劇場鑑賞をスルーするところだった。こんなに面白い映画なのに!
コメントする