「理解できる殺人者と理解できない殺人者」ゴールド・ボーイ 僧ヶ鍬崎さんの映画レビュー(感想・評価)
理解できる殺人者と理解できない殺人者
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オープニングの遺産目当ての突き落とし殺人を見かけた少年たちが犯人の男を脅迫しながら金と命のやり取りをしていく青春映画かと思えば、遺産目当て殺人はそのまま続き、気づけば犯人も少年によって殺されていたというクライムサスペンス。
岡田将生扮する東は資産目当てで婚姻と殺人を通して会社を乗っ取るというある意味古典的な動機で粗い計画殺人を繰り返す。
一方、羽村仁成扮する朝陽少年は機会を見つけては用意周到に人を殺すシリアルキラーである。動機はおそらく学費と文脈から推測できるが、何のための学費なのか判然としない。どちらかと言えばバレない殺しが楽しくて殺人を繰り返していると東への自白から読み取れる。
東の動機はまあ理解できるのだが、朝陽の動機は途中までなかなか理解に苦しむ。この中身のわからない、実際は空虚で噓つきの殺人者が、唯一画面において映った通りの淡い青春の恋を原因として破たんする様は様式美。
怪物は言葉を話すようになったら終わりというのは、本気の感情を見せたら終わりという意味なのだと理解できた。
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