「映画「GOLD BOY ゴールドボーイ」は手に汗握る名作だった (ネタバレあり)」ゴールド・ボーイ 稲浦悠馬 いなうらゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)
映画「GOLD BOY ゴールドボーイ」は手に汗握る名作だった (ネタバレあり)
# 映画館で観た感想
俳優陣も物語も質感も良かった。
心をぐっと掴んでくれる作品だった。他の映画とは違う特別さがあった。
子役に至るまで本当に全員が良い演技をする映画ってなかなかない。だがこの作品はそうだった。
# 冒頭の殺人
観客が油断している間に「ふわっ」と人が殺される。
殺される相手も「え、いまここで死ぬの?」ぐらいのあまりにも唐突な死が訪れる。
起承転結の起から始まるのではなく、起が起こらないままに転に飛躍する感じ。
# 殺人犯
ジョジョの奇妙な冒険の岸辺露伴みたいな雰囲気のクールな殺人犯。
この男は鮮やかに人を殺しておきながら、自ら嘆き悲しむという猿芝居を演じてのける。なぜなら彼が殺したのは自分の身内だからだ。
IQの高そうな知能犯。
# 少年
13歳の少年。刑法的に何をやっても罪にならないらしい。
純朴そうに見えるが実は能力は高いことが段々と明らかになって行く。
# 少女
13歳の少女。義理の父親に犯されそうになったりと家庭環境がやばい。
少女は少年と出会い、一緒に行動するようになる。
# 殺人犯を脅迫する子供
すごいシチュエーション。
子供が大人を、しかも殺人犯を脅して、なおかつその殺人犯に他の人間の殺人をさせようとするのだ。
# 少年少女の恋
少年と少女は恋をする。しかも自分たちが人を殺したりしている最中に。
殺人計画の前夜に二人は束の間のデートを楽しむ。
まるでこの後に殺しが控えているとは思えない雰囲気で、ピュアな恋愛物語のようにデートするのだ。
# 親殺し
少年少女は一緒に少年の親たちを殺す計画を立てる。
少年には親を憎む理由かあるのだが、それなりに親の事情もあり、ちょうど親の人間的な部分が見え始めてきたところで、並の作品であれば、良心の呵責が起きて殺人を取りやめるようなシーンだ。
だが彼らはやってのける。
# 結末
結末の一部だけは残念だった。
いかにも真犯人はこいつだろういう線も予測できたし、そのままそういう結果ではあってほしくなかった。
# 続編はあるのか
もうこれ以上続けようがない気もするのだが、続編ゴールドボーイ2もあるのかもしれない。
# 語彙力不足
ここまで書いて、自分には本当に映画を語る語彙力がまだまだ足りないなと実感する。映画を観ている間は素晴らしさを感じていても、それを言葉にするとどうにも大事な中身がこぼれ落ちて行くような気がする。
仮に映画そのもので表現されていることが100万あるとしたら、素人が文章で表現できることなど1程度のものだろう。
まあいいや。どうせただの映画感想文だし、気楽にやろう。