「プロレス愛が試される映画」無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語 Annexさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0プロレス愛が試される映画

2024年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

たまたま迷い込んで偶然観てしまったような非プロレスファンの充実組が観たらただ知らないオジサンが死んで御涙頂戴!みたいなチープな映画に感じるかもしれないが、プロレスファンで自分の現状に少しでも不満や疑問を抱えている人が観たら間違いなく涙する名作。

同じく故人のプロレスラーを題材にした「アントニオ猪木を探して」とは全く異なる、日陰で生きた人間達が綴る人間讃歌。前者の映画とは比べ物にならないほど心が熱くなる。
「学生時代の文化祭で良い思い出なんか一つも無いよ」と笑う地味な大人達が懸命に作り上げる文化祭。同じようなポジションで青春を過ごしてきた人間に共感出来ないわけがない。

家族に先立たれ、コロナでプロレスを奪われてゴミ屋敷で暮らす大砂厚、夢破れて故郷に帰り自暴自棄になったロス三浦、不治の病に侵されながら、不器用な人間たちの希望の光になっていたサムソン宮本、プロレスを下地にしたメッセージ性の強い笑えて泣ける人間ドラマ。これぞドキュメンタリー映画の在り方だと感じた。

Annex