「失われたものに耽溺することは罪?それとも救い?」異人たち ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
失われたものに耽溺することは罪?それとも救い?
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人は本質的に孤独なのだけど、ただ子ども時代だけはその事実と向き合わずに済んでいたということを思い出してしまう。微笑みかけ、はげまし、心配してくれる両親との時間、その時間と大事に守られただ無邪気でいられた時の記憶は人のベースになるものだろうし、その失われ方が苛烈であればあるほど、引きずってしまうことになるのだろう。だからアダムはどこか呆然として生きているように見える。愛することが怖いのは失うことが怖いのと同義。アダムの選択は、途方もなく孤独に見えるけれど、優しくて思いやりのある大人に育っているからこそなのかもしれない。
アダムと両親との時間は愛に満ちていて、切なすぎた。
そして、これからのアダムも。
アンドリュー・スコットは素晴らしかったと思う。彼の孤独と、それを癒やす奇跡に飲み込まれそうになる作品だった。
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