君の忘れ方のレビュー・感想・評価
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自分で考える力がないと理解が難しいかも
君の忘れ方のタイトルの通りの大切な人を亡くした人たちが忘れようとしてその克服方法を教えてくれる様な映画ではないです。
この映画を見ての感想は自分で考える力がないと少しモヤモヤするかもしれませんが、そうでないと感慨深い作品だと思います。見る価値は大いにある作品です。
忘れたいわ。この時間。
いやあ、なんの山場もなく、ひたすら面倒くさい。ホラーでもオカルトでもない。なにが言いたいのかもはっきりしないし、なんで、これで終われるのかもよくわからない。
ここからネタバレです。ヒロインはひたすらぼーっと立ってるだけだし、主人公も混乱したまま。めんどくさいおじさんとの絡みも見ていてイラッとする。お母さん怖いし、こんな訪問看護師は、ヤバイだろう。早く救急車呼べ。と、ツッコミどころ満載で、とにかく気持ち悪い。人を殺しかけて、泣いたあとスッキリとかダメやん。
そしてよくわからないまま、ヒロインの残したメッセージ聴いただけで本人はなんかスッキリ? 飛騨の山奥まで行ってロケしたけど、行って適当に撮ってみた感が丸出しです。君の名は で有名な町で撮ってきたのは無駄で、普通の山の風景しか撮れてませんね。
とにかく、早く忘れたいな。
忘れてしまうことの罪悪感と忘れられないことの苦悩
ラジオ局で放送作家の仕事をしているスバルには結婚間近な恋人のミキがいたが、交通事故で急逝する。突然の喪失にしばらく仕事も手につかず、取材相手のカウンセラーにも突っかかる始末。心配した母親の勧めで実家の山間の町に戻り、取材がてら参加したグリーフケアの集まりで、死んだ妻の姿が見えると言う変わり者の池内と出会う。一方、スバルの母親も20年前に夫をバイクの轢き逃げで失っており……。
自分はそれなりの年月をこれまで生きてきて、かなり様々なことを経験してきてはいるが、まだ人生で未経験のこともある。その一つが(ある意味幸運なのだろうが)一親等の死だ。とは言え、親しくしていた人の死に直面した経験は当然ある。また、一般的に、仏壇にご飯を供えながら亡くなった配偶者に声をかけるような様子を見ても特段おかしく思うことはない。
そう考えると、亡くなった妻が見えると言う池内の言動も実はそこまで変わっているとは言えないのかも知れない。
事故、病気、災害、戦争などで親しい人を失う喪失感に人はどう向き合っていけばいいのか?その人のことを忘れるからつらいのか、それとも忘れられないからつらいのか?
忘れてしまうことの罪悪感と忘れられないことの苦悩という問題のはざまの感情を本作を観ながら抱いていた。
なかなか正面から向き合いたいとは思わないことだが、避けては通れな問題。いまだまだ「グリーフケア」という概念が日本で浸透しているとは言い難い一方で、「我慢は美徳」とか「時間が解決する」などとは別の次元での向き合い方を考えてもいいのかも、と思えた。
グリーフケアに触れて
愛する人を失った、つらさを抱えた人々のお話。
忘れ方か…忘れなくていいと思うけど。
比べるものではないけど、でも、年齢順に来るお別れに比べると、事故などの突然のものは、やはりなかなか受け入れ難いと思う。
南果歩さんの母親もずっと苦しんでいるが、岡田義徳さんが演じた池内の役が泣けてしまった。
「忘れても思い出すから」というセリフに、時間が助けてくれて前に進める人も、やはりその人への思いに戻るんだよな…などと思った。
津田寛治さん、自分がこれまで見た中では一番優しい役。良い役だった。グリーフケアは実際には難しい事も沢山あるだろうが、ただ話を聞くという点が良かったと思う。
*****
坂東君を初めて見たのは仲野太賀の「静かな雨」だったのですが、主演作を初めて見たので感無量。
悲しみとの向き合い方
公開週は他に観たい作品が多くて、手が回らなかった本作。スルーしようかとも思ったのですが、やはりちょっと気になって公開から1週間遅れで鑑賞してきました。
ストーリーは、結婚を間近に控えた婚約者・柏原美紀を突然の事故で亡くし、気力をなくしてしまった青年・森下昴が、心配する母に実家の飛騨に呼び戻され、そこで喪失の悲嘆から立ち直る「グリーフケア」というものに出会い、「つきあかりの会」に参加し、その主催者や他の参加者との交流を通して、亡くなった人との向き合い方を考えていくというもの。
本作で「グリーフケア」という言葉を初めて聞きました。確かに身近な人を突然亡くした悲しみは、言葉で言い表すことはできないし、簡単に癒えることもないでしょう。そして、それをどう受け入れ、どう乗り越えていくのかも、人それぞれです。
本作を通して、死や悲しみとの向き合い方はさまざまあり、忘れなくてもいいんだ、忘れてもいいんだ、そこに立ち止まっていてもいいんだと教えられた気がします。でも、一つだけ、後を追うようなことだけはしてはいけないと強く思います。
亡くなった人が何を考え、どう感じているかなんて、誰にもわからないから想像するしかありません。でも、その想像には、きっと自分の気持ちが少なからず反映されているでしょう。そう思うと、「天国のあの人が○○と言うはず」なんて、亡くなった人を言い訳にして、自分の思いを代弁させているだけのような気もします。結局、残された者は、自分の生きたいように生きる姿を、亡くなった人に見せ続けるだけでいいのではないかと思います。
とはいえ、ストーリー的には大きな起伏もなく、平坦で物静かな流れは、心地よくもあり、眠気を誘われもして、込められたメッセージを必ずしもきちんと受け止められていない気がします。あと、逆に不穏なBGMはなんだか気になってしかたなかったです。ホラー感を演出したかったのでしょうか。だとしたら目ざす方向性が間違ってないでしょうか。そんな話ではなかった気がするのですが…。他の方のレビューを読んで補完したいと思います。
主演は、坂東龍汰さんで、抑制の効いた演技が本作にマッチしています。脇を固めるのは、西野七瀬さん、南果歩さん、津田寛治さん、岡田義徳さん、風間杜夫さんら。西野さんは出番もセリフも予想外に少なくてちょっと残念でした。
大切な人との向き合い方を考えるいいきっかけ。
『大切な人が明日、もしいなくなったら...』そんなことが頭をよぎったこの作品。
大切な人、それは、恋人でも、家族でも、人それぞれ。この作品を今、大切な人ができる前・大切な人がいるタイミングで観れたこと(大切な人が亡くなった時の向き合い方を学べたこと)は、とても良かったと思った。
個人的には、今の映画のアクション映画・アニメ映画もとても良いが、考えさせられるような作品こそ、映画の醍醐味ではないかと思う。
大切な人との向き合い方は、人それぞれ、忘れて、前に進む、それも一つの道だし、一緒に歩んでいく、それもまた、間違いではない。人の数だけ、向き合い方がある。
本作は、そんな大切な人を失った人の新しい歩みへの一歩を描いている。
ヒロインの使い方
大切なひとに静かに向き合う
最愛の伴侶と死別した際の、悲しみについて。 "グリーフケア" とい...
最愛の伴侶と死別した際の、悲しみについて。
"グリーフケア" という用語が出てきて、徐々に浸透してきているような。
反応の仕方… 心理・行動・人との接し方
故人をどう思い出すか・忘れるか、
時間がたてば解決するものか?、
など…
正解は一通りではなく、
本人がどうしたいのかを引き出すこと
傾聴・共感・受容
と、要所をまとめて言葉にすれば、心理学・カウンセリングの教科書的になってしまいます。
ですが、丁寧に紡がれた物語、演者さんも迫真に迫り。
身に染みる再確認をさせていただいたように感じます。
一般的に、ベテランやリタイヤの年齢層だと、身内や親友と死別した経験があるひとは、結構いるだろうとは察します。
一方で、この主人公の年代 (結婚式の支度、親がまだ勤務中) だと、
急な死別は、まだ慣れた出来事ではない、受け入れる前に拒絶反応、一時的な抑うつ、
諸々の症状が現れるのも、ありうる事だよね、とは感じました。
むしろ、遺族がさばさばしてたら、故人が悔しがるかもしれませんね (そういう意味合いのセリフありましたよね)。納得です。
伝えたいことはわかるけれど
群像的に登場人物それぞれのグリーフワークが描かれている映画。
坂東龍太と西野七瀬という期待を感じる組合せだけど、ドラマチックさはなくて、不穏さを感じるBGMと画面で、サスペンス調の展開。
カウンセラーの言葉が時折はさまり、そこで、観客の思考を深めようとしているのかなと勘ぐってしまった。
南果歩と、岡田義徳の2人が、狂気と現実の狭間を揺れ動く危うさを魅力的に演じていたが、その2人のエピソードが強烈なため、せっかくの坂東龍太が恋人と関係性を編みなおしてゆくプロセスが霞んでしまった感じがしてもったいないなと感じた。
主演の2人がとても良かっただけに、2人の関係性や複雑な感情にクローズアップしたものがみたかったかな。
忘れなくていいのでは?
大切な人との向き合い方
大事な人を亡くしてしまった痛みや悲しみからどのようにして現実を向き...
引きずる思い出
おいおいおい...お目当てが...。
西野七瀬目当てで行ったのに、速攻ではけていった。悲しい。悲しすぎる。このポスターでこれはずるい。騙されちゃうよ誰でも。坂東龍太カッコイイし演技上手いけど、流石に2時間は絵が持たん...。こういうテーマだからやり方は間違ってないと思うんだけど、もう少し構成や演出で上手いことできたんじゃないかなと思っちゃう。
ただまあ、お涙頂戴展開に持っていてなかったのは好印象。この手の映画にしては珍しく、スムーズな話運びで飽きることは無かった。退屈そうな映画だけど、退屈はしない。絶妙なバランス。なんか不思議。
大切な人を失った人たちのお話。
メインの男3人。三者三様、それぞれ先立たれた彼女や妻に対してどんな思いを抱いているのか、どんな考えの元生きているのか。この辺の人物背景がものすごくよく描けていて、意外にもちょっと感動しちゃう。死に向き合いながら生きることの難しさ。もしも...と考えるだけで結構苦しくなる。
特に岡田義徳演じる池内という人物がすごく考えさせられて。死を受け入れず、生きているものとして捉える行為には色んなことを思わせる。幸せに見えるけど、不幸せのようにも見える。彼を見ていると、死をしっかり受け入れている人以上に喪失感で溢れていて、心がぐちゃぐちゃになる。
正解のない問いとはまさにこのこと。
それぞれの価値観や考え方があって、生き方がある。否定したり治そうとしたりして、周りがとやかく言うことでは無い。特に愛する人の「死」を目の当たりにした人に対して無闇に背中を押すような言葉はかけられない。
津田寛治演じる牛丸さんの言葉が心に残っている。森下(坂東龍太)が「天国にいる人は生きている人の悲しんでいる姿を見たくないんじゃないんですか?」という問いに対して、「でももし森下さんがいま亡くなったとして、家族や周りの人が悲しんでいなかったらそれもちょっと悲しくないですか?」と牛丸さんが答える。ほんとそう。悲しむことは決して悪いことでない。彼のこんな言葉こそ、勇気づけられると思った。
映画的な面を話すと、かなり地味で湿っぽい雰囲気だから役者やセリフ以外で印象に残るものは少なく、津田・岡田・南果歩のおかげでかろうじて見ていられるものの、脚本だけで評価するとちょっと薄く微妙だなと。頼りっきりになっちゃっている。幽霊の召還という要素も最初は良かったけど、終盤になるとあんまり意味を成しておらず、少しの会話で消滅しちゃったのが勿体ない。もっとしつこくて良かった。
構成としても割とずっと同じことの繰り返しで、誰かしらと話す→過去に浸る→カレー食べる→現れるの反復作業で飽きはしなくとも見応えは無い。起承転結のバランスが悪いように思えた。
決して酷いとかそういうのではないし、テーマとそのテーマに対する解答は素晴らしかったと思う。なかなか言葉にしにくいことを上手に言葉にしていて、なんだか心が浄化されたような気持ちになれた。
ただ、フワーっとしていて捉えようがないし、テーマの割には重みがなくて心に響きずらく、演出と空気感のミスが作品全体に影響及ぼしてるなと思った。ちょい残念。でも嫌いじゃない。ラストの3人の会話とかめちゃくちゃ良かった。いいシーン多いだけに惜しいね。
忘れても、思い出すから
喪失からの再生という有り触れたテーマながら、少し変わったアプローチが個人的には好印象。
劇中で哀しみを抱えた人物のほとんどが自分勝手だ。
向き合い方はそれぞれなのに、自分のそれを相手に押し付けたり、相手のそれを簡単に否定したり。
昴や池内が顕著だが、一番ヤバかったのは母。
ストーキングはまだしも、極薄の根拠で医師の責務を放棄した件は一発くらいぶん殴られるべきだ。
それ故に観ていてイライラしたりもするが、そのぶん昴が母の目を覚まさせるシーンは良かった。
「自分の死後、遺された人にどうあってほしいか」は、別れた恋人への感情にも似ている気がする。
自分は、知らないところで幸せでいてほしい、かな。
ハッとさせられたのは、「忘れるのではなく、思い出し方を変える」という考え方。
割と序盤で出てしまったが、これが答えだと思う。
本作で印象的だったのは、やはり西野七瀬。
台詞はほぼ録音音声のみで、表情と台詞を組み合わせた芝居は完全に封じられた状態で好演していた。
特に昴の前に現れる際の哀しみでも喜びでもなく、かといって無でもない表情は絶妙。
また、久しぶりに見た岡田義徳のヤバさと人の良さを同居させたバランスも見事。
何となく全員がぬるっと前向きになったのは正直物足りない。
あれだけ関わった『つきあかりの会』を投げっぱなしで終わったのもややモヤモヤする。
死期を悟っていたかのような録音もご都合主義。
特に好きなキャラやエピソードも思い当たらない。
それでも、新しい視点を与えてくれた点は評価したい。
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