劇場公開日 2024年1月26日

「これは、いか~ん!!」サイレントラブ 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0これは、いか~ん!!

2024年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

俺的にはすずに続くNO.2お気に入り女優の浜辺美波主演なので大いに期待していた。 彼女は“君の膵臓を食べたい”で虜になったのだが、その後出演の作品はコメディーあるいは特撮モノばかり。 もう少し文芸作品的なものにも出てもらいたかった俺にとっては、「今度こそ?」と期待した作品でもあった。

がしかし、期待が大きかった分・・・

【物語】
蒼(山田涼介)は将来に希望も持てずに、漫然と日々を過ごしていた。生計は音楽大学の清掃や用務員的作業で立てていたが、ある日、ピアノ科の学生・美夏(浜辺美波)と出会う。

彼女は交通事故による網膜剥離を患い、突然視力を失っていた。手術は成功したものの、視力が回復するか否か、いつ回復するのか分からない強い不安を抱えていた。 そんな中でも夢を諦めすピアニストを目指す美夏の強い信念に心動かされた蒼は彼女をあらゆる危険から守ろうとする。

しかし、ある出来事から声を発しなくなった蒼が思いを伝える方法は、彼女の手のひらに指で触れることと、ガムランボールの音色だけだった。

【感想】
かなりガッカリ。

軸となるストーリーは斬新性が無く、「どこかで見たような展開のツギハギ」感を拭えない。
でも、“斬新なラブストーリー”と言える傑作は稀で、大半は使い古された設定のアレンジなのだから、それは許そう。俺が許せないのはストーリーの枝葉の部分のリアリティーの無さだ。

主人公の日常の描写だったり、周囲の人達との会話だったり、エキストラを含むその他大勢の人の言動だったり。枝葉のリアリティーが有って初めて、幹の「あり得ないお話」に乗れるのだ。枝葉にもリアリティーが無ければ、シラケるのみ。

例えば、美夏が杖を突いて一人で街を歩く。突然視力を失った人が1人で街を歩けるようになるまでどれだけかかる? ドラマ設定上、どう見ても退院後1~2週間なのに、そんな簡単に修得できることとはとても思えない。 そういうこと調べたのか?

あるいは終盤のクライマックスを迎える作業現場。少しでも、あの手の現場の安全管理を知っている人にはあり得ない言動(美夏というより作業現場の人の)。いくら演出でもだ。別にあんなあり得ない言動をさせなくても、あのシーンは創れたはず。
そんな方に目が行くから、クライマックスで全く感情移入できず。

一事が万事、「そんなの有り得ないだろ」がそこかしこに。

もう1つ大きなガッカリは浜辺美波が可愛くない。
理由は役柄上ほとんど笑顔が無く、表情が冴えないからだ。 やはり表情は重要だなと思う。 作品・設定上仕方の無い部分なのだけど、もう少し撮り方はあると思う。笑顔が少ないのは仕方ないとしても、ラストには飛切りステキな印象的な笑顔のシーンを持って来るとか。 要するに、「ヒロインをキレイに撮る」という努力が監督に欠如してると言いたい。ヒロイン至上主義の俺には、致命的なマイナスポイント。

ということで、
主演俳優に興味の無い人にはと勧められないし、美波ファンにさえ勧めない。
観て良いと思えるのは、精々山田涼介ファンくらい?

泣き虫オヤジ