劇場公開日 2024年1月26日

「「推し」に人生を注いだ人に痛い程刺さる」サイレントラブ おもちさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「推し」に人生を注いだ人に痛い程刺さる

2024年1月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

萌える

これから観る方、観る検討している方向けのレビューです。

●あらすじ
高校時代の喧嘩の負傷で喉に傷を負い、声が出せない「蒼」と事故で視力を失ったピアニスト志望の「美夏」は、視力喪失のショックで自暴自棄になり校舎の屋上から飛び降りようとする美夏を居合わせた蒼が反射的に引き留めたところで出会う。美夏が落とした音が鳴るストラップ(※楽器:ガムランボール)を拾った蒼だったが、返し損ねたまま次に出会ったのはグランドピアノが置かれた旧講堂。そこで美夏が奏でる美しいピアノの演奏に心を奪われる。美夏が視力を失っても尚「ピアニスト」の夢を諦めない姿に胸を打たれ、蒼の中で「夢を応援したい」という「無償の愛」が生まれるー。

●↑まず、ここまでで蒼と美夏は一切意思疎通がとれていません。蒼が転倒した美夏を助けた際も、美夏は見えないので「誰?」と問いますが蒼は声が出せないので答えられないのです。

他の方の感想を観ると、結構「蒼が何故そんなに美夏に肩入れしたのかがわからない」と書いてありました。
蒼の美夏への想いは、このレビューのタイトルにも繋がる「推し」の幸せや夢を願う感覚に似ていると思います。私は突然ビビッと来て推しに出会ったタイプなので、得に気になりませんでした。
「無償の愛」「推しの笑顔が見たい」「推しに幸せになってほしい」「推しの夢を応援したい」。蒼は勿論そういうタイプではないですが、この感覚にかなり近く感じ、蒼への感情移入に没頭しました。
その優しい愛の反面、実はこの映画、真っ黒な「影」が存在します。蒼への感情移入によりその「影」への存在が憎くて、辛くてすごく泣きました。しかし、全ての事には理由があり、運命が全てを繋げてくことで「起承転結」がしっかりとした良い映画でした。ラブストーリーですが、ラブストーリー以外の部分に重きを置いても楽しめます。

●主演の山田涼介さん
本当に劇中の回想シーンでしか声が聞けません。
でも、蒼が何を考え、どうしたいのかは全て伝わってきます。
あと、蒼は格闘技を習っている為、めちゃくちゃ強いです。低身長で華奢な蒼(山田さん)が屈強な男達をバッタバッタなぎ倒して行く姿はかっこよすぎて痺れました!(←どんな映画!?となったでしょう^^是非観て確かめてきてください!)

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おもち