「BE QUIET」サイレントラブ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
BE QUIET
えぇ、、なんで「君と世界が終わる日に」より遥かに評価低いの...。自分が感性終わってる...?世間と意見合わなさすぎてビックリなんですけど。内田英治監督の作品って、結構当たりハズレ激しめで、脚本の完成度にバラつきがあるんだけど、今回はかなり丁寧に練られていていい映画だったと...そう思った。
まぁ、確かにツッコミどころはあった。日本のこの手の映画ではありがちだが、警官の動きが非常に都合がよく、リアリティが無い。「おまえの罪を自白しろ」より全然マシだけど。鍵の管理は酷いし、老朽化とはいえ思いっきり引いたら開くドアもヤバい。闇社会のシステムや親友なんかも色々と粗がある。だけど、そんなツッコミどころがそれほど気にならないくらい、演出が優れていた。うん、間違ってないはず。
内田英治監督の作品はどれもこれも、映像と音楽のマッチが完璧で、「いい映画を見てるな、今」とすごく思える。しかも本作の音楽を手がけたのは久石譲。予告の段階で内田英治×久石譲は間違いないでしょと期待していたんだけど、その読みはバッチリ。情報量の少ない作品の中で響く、美しい音色が胸にグッと刺さった。サイレントラブというタイトルなのに、ピアノを用いる脚本を考えた監督は流石だし、どこか寂しさが感じられる作風にピッタリの楽曲を作り上げた久石譲には頭が上がらない。
浜辺美波と山田涼介の演技力は言うまでもない。今にも崩れ落ちそうな表情が抜群に上手い浜辺美波。劇中、過去パート以外口を開くことは無いのに、恋をすること生きることの葛藤がひと目でわかる、恐ろしいほどの顔の演技を見せてくれた山田涼介。やっぱり最高だった。個人的には野村周平の役回りがすごく好きだった。「帝一の國」ぶりにいい役に巡り会えた気がする。あと、古田新太も超いい。おっさん、かっけぇぞ。日本映画特有のお涙頂戴的な展開でもなく、優しく静かに幕を閉じる。こういう、恋愛し過ぎていない恋愛映画、愛おしいな。評価はかなり良くないけど誰でも楽しめる、人間ドラマとして映像作品として上品な作品でした。
しかしながら、サイレントラブなのに、ノンサイレントな劇場。後ろに座る、女子大学生と思われる2人組は劇中永遠とひそひそ喋り続ける。喋るのは映画が終わったあとでいいんじゃない?その上、飲食物持ち込みしてるし、携帯のバイブは鳴り止まない。まだ映画館は早かったかな。そんなにマナーフル無視するようなら、Netflixの配信を待って家で見てください。家ならいくらでも喋ってください。あんたらなんか、映画館側から願い下げじゃ。
今晩は。
私は映画館でマナーを守らない輩には、老若男女関わらず注意します。けれども周囲に人が居る場合には色んな戦法が在りますが、私の居住区では3割入れば満員なので(含む週末)シンプルに”静かにして下さい。”と言うと暗闇である事と、私の声が天鵞絨のように通る声なので、直ぐに静になります。折角貴重な時間をかけて映画館に行くのですから、ヤッパリ静に観たいですよね。では。