「芸術は長し、人生は短し」Ryuichi Sakamoto | Opus chaiさんの映画レビュー(感想・評価)
芸術は長し、人生は短し
僕が坂本龍一の音楽に触れたのはもうだいぶ昔になる。
イエローマジックオーケストラ
衝撃的だった
当時から歌謡曲などには興味が持てず洋楽中心に聞いてきたが彼らの音楽はそのどれにも当てはまらなくとても新しい音楽が始まったとワクワクそして楽しみになった事を覚えている。
それから坂本龍一の音楽を聴き続けてきた。
そして去年、先に高橋幸宏さんが亡くなった。とてもショックだった。そして続いて坂本龍一さんの逝去の報を聞きああ僕の一つの時代が終わってしまったと思った。
そしてこの映画の公開。
雨の日に銀座で鑑賞。
涙が自然と流れ落ちてくる
神は神がいればの話だが全ての命に平等に死が訪れる
才能あふれるアーティストにも名も知らぬ人たちにも
彼は死ぬ間際まで音楽と向き合い死と向き合い最後まで生きて死んで行った
演奏中も何度も間違えてその都度引き直して
その姿は悲しくそして美しかった
「芸術は長し、人生は短し」
人が死ぬという事はいろんな事が起きる
残されたものは戸惑うし悲しみだけでなく怒りや疑問まで生まれてくる
死はいつも隣にあって気づかないうちにそばまで来てる
改めて死を意識したがその死の恐怖や葛藤を前に心が澄んでいく教授の音楽に対する思い。
もちろん無念な気持ちもあるだろう。
その本当の心は誰にも推しはかることは出来ない
でもここに、この映像の中に教授は生きていて見る者に色んな思いを伝えてくれる。
それは音楽だけでなく見る者それぞれの人生を鏡のように写してくれる
自分はどんな最後を迎えるのか。
答えはわからないがこの映画を通じて生きることと死ぬことを改めて考えさせられた
教授に感謝
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