「静寂さえも音として。」Ryuichi Sakamoto | Opus ひなたんくさんの映画レビュー(感想・評価)
静寂さえも音として。
坂本龍一というひとは、ある種のカリスマだ。
けれど作曲家としてだけでなく、ピアニストとしての彼単体を扱う映画として、
この形での映像化はとても面白く、本質的であったように思う。
運よくDolby Atomosでの上映で観ることが出来たおかげで、
コンサート会場に居るような静けさ。
息をする音、席をずらすような音、
かすかな音さえも感じるほどに皆が静寂を保ち、
またその静寂さえも音として感じるほどに、凛とした映画だった。
音楽を楽しむ。
それは映画館で映画を観るひとつの理由足り得る。
値するような映画であればなおのこと。
そしての映画はそれに値するだけの演奏を楽しむことができる、
素晴らしいものだったと思う。
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