「チキン:ミッション」チキンラン ナゲット大作戦 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
チキン:ミッション
クレイ・アニメで有名な“アードマン・アニメーションズ”が、2000年に長編第1作として製作。
その23年ぶりの続編…!
前作見たのも20年以上前なので、ほとんど忘れてる。同スタジオの『ひつじのショーン』と混同しちゃったり。
でも前作を見てないと話についていけないって訳ではなく、話自体も分かり易く見易いので、案ずる事ナシ。
前作を超簡単におさらい。
強欲な女主人トゥイーディが支配する刑務所のような養鶏場から、ニワトリたちの大脱走!
晴れて成功し、ニワトリたちは楽園のような島へ。
雌鶏=ジンジャーと雄鶏=ロッキーの間に娘モリーも生まれ、幸せに暮らしていた。
モリーは好奇心旺盛。活発。
ジンジャーもかつてそうで大脱走の時リーダーシップを発揮したが、今は現状維持。島に人間の開発の手が迫るも、“隠れる”。
ロッキーも“さすらいの一匹雄鶏”として名を馳せたが、それもかつての事。
子供が生まれると親は…。それが親ってもん。
モリーは島の外に興味津々。
ジンジャーは島にいれば安全。島が自由。
それに対しモリーは、島に自由なんてない。
どっちの言い分も分かるだけに…。
ある日モリーは、マイペースなニワトリ、フリズルと出会う。
彼女に誘われて、愉快な絵柄のトラックに乗る。
何処行くの? 遊園地?
それに気付いたジンジャーたちは追うも、トラックはある施設に入ってしまう。
“ニワトリのハッピーエンド”という看板のそこは…
中はとっても楽しそう。
すでに多くのニワトリが。
モリーとフリズルもエンジョイ。
一方、ジンジャーたちは救出作戦。前回は脱出、今回は侵入ってのが面白い。
エンジョイするモリーだが、首輪を付けられたニワトリたちがヘン…? 能天気、頭空っぽ…。よくよく見ると、施設内も何かヘン…?
ここは一体…?
一人の男がニワトリたちを監視。
運営者で、ドクター・フライ。
ここは、世界一のナゲットを作るナゲット工場だった…!
ドクター・フライのプレゼン。
恐怖に硬直したニワトリの肉は美味しくない。
ハッピーなニワトリの肉は美味しい。
本当かどうかは別として、見ているこちらは複雑な気持ち。何故なら皆、ナゲットを食べる。何故なら私は、焼き鳥など鳥肉が大好き。ゴメンよ、チキンたち…。
ニワトリたちを首輪で洗脳して、そのままチキン製造機へ。
クレイジーだけど何処か抜けていて、悪役にはちと役不足のドクター・フライ。
彼にはパートナーがいた。
ここで会ったが百年目。ミセス・トゥイーディ…!
前作は脱出劇だったので某名作映画オマージュだったが(辛うじてそこは覚えている)、今回は侵入~救出で某スパイ映画オマージュ。
因縁の相手を再び敵に据えて、ピンチに次ぐピンチ、機転や反撃はなかなかスリリング。
勿論、親子愛もそつなく。実は似た者同士のジンジャーとモリー。
フリズルや他のニワトリたちを見捨てられない。かつて皆を率いたジンジャーと同じ。
しかし、トウモロコシの粉砕機に落ちて大ピンチ! まさかここで序盤の“ポップコーン”がキーになるとは…!
相変わらず緻密なクレイ・アニメは見事。
可愛い?可愛くない? キャラも愛着沸いてくる。
ファミリー・アニメーションなので、最後は予定調和。トゥイーディを成敗。
トゥイーディは憎らしいが、意思を持ったニワトリたちの反撃も考えてみると怖い…?
何はともあれ、ハッピーエンド。いや、ハッピースタート。
アードマン・アニメーションズに深刻な問題。
粘土不足で後作品一本分の粘土しか残ってないという。
良質アニメーションを送るスタジオの継続を絶やしてはならない。
スタジオに世界中から粘土の寄付を!…しか思い付かないが、何かいい解決策を!