私がやりましたのレビュー・感想・評価
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懐かしのフレンチコメディ
懐かしテイストのコメディ作品。昔、ハリウッドでもフレンチでも、こういうテイストのコメディ作品よくあった事を思い出す。設定が1930年代とのことでシーン毎の様々なものが面白く、おしゃれ。現実的ではなくて、あり得ない話の進捗なのだけど、それがクラッシクコメディの要素。ロマンチックだったり、人情味溢れるテイストが大抵入っているものだけど、本作にはそこは欠けていたのはちょっと残念かな。冷静に見るとこの表現、現代の設定なら完全にアウトというセリフのオンパレードなのだが、意図して撮られているのかどうか。そこがフランス映画ならでは、なのかも。
23-131
フランソワオゾンの新作。
1935年のフランスを舞台にした
クライムミステリーって言うより
クライムコメディですね。
主演の2人がキュートで素敵でした。
男を頼るようで、手玉に取りながら
自らのキャリアに利用する。
男共のお馬鹿っぷりが
笑えるけれど情けない。
フレンチユーモア満喫できました。
戦前の設定だったのね。
知らずに見始めて途中で(字幕に「1932年」って出て)気が付かされた。バカですねー。
それはさておき映画。
サスペンスコメディの作りなんだけど、
サスペンスと言っても、心臓がキューッ!ともしないしハラハラ、ドキドキもしない。物語の底辺に流れているのは殺人事件なんだけど、中心はヒロインのロマンスとか夢とか、そういうのが主な話。
登場人物のコメディな演技には、にゃッとしたりクスッとなったりと、見終わって少し幸せな気持ちになったと思える映画。
私は見て良かったです。
画竜点睛
1930年代の美術は素晴らしい、
シナリオの状況展開もおもしろい、
演出上の登場人物の、
精神的配置も巧み、
物理的距離感もバランスがいい、
小道具の捌き方など芝居の技術も高い。
準備に時間をかけたのだろう。
しかし、
ストーリーに沿って、
一喜一憂できない。
ワクワク、ハラハラする展開のはずなのに。
理由は主人公や登場人物の気持ち、葛藤を、
もう一歩踏み込んで描いてほしかった。
せっかくアリス・ギイや、
ワイルダー に触れているのだから、
彼女たちがやっていた事をトレースだけでもしていたら見違える作品になっていただろう。
画竜点睛を欠く、
は、
重要な最後のひと作業が欠けている、
かもしれないが、
本作は、
シナリオの最初のひと作業が書けていない。
うまい事書いてる気になってる自分に唾を吐く、ペッペッペ、、、。
私がやりました。
おしゃれ、やられた!
おしゃれ。レトロで魅力的な町、女優。
最後にあっ!やられた!と思った。気分転換したり、おだやかに、ゆったりした気分で映画館から出たい方におすすめ。
めっちゃ面白かったです
映像云々抜きにして、内容だけで楽しめました。女優とか演劇、台詞めいたものを法廷に絡めたり、モノトーンやトーキー時代の映像を巧みに差し込んでくるアイデアなんかが抜群です。男女差別を利用しながら狡猾なストーリーを展開させていくあたりもさすがといったところ。締め方なんかも見事で、短時間でボリュームあるエンタメを見切った感が半端なかったです。
結局のところ真相はどうでもいい
フランソワ・オゾン作品は、やはり毒気がある方が好き。
男女ともに魅力的なキャラクターではあるけれど、特に良い人な訳でもなく、ちょっと自虐もあり、それぞれがお互いを少し小馬鹿にしたセリフだったり、なんだか滑稽。
フランスのコメディ特有のシニカルな雰囲気に、オゾン監督の持ち味を加えると、こんなに面白くなるか。
若い2人はキラキラでオシャレさんなのに対し、ショーメットは下品で悪趣味、森の魔女のような風貌で、最高にダサくて良い。
確かにクセのある声だとは思うけど、大女優をトーキーに失敗した女とはなかなか…。
パルマレードさんは、パンフレットを読むまで『パリタクシー』のドライバーだと気づかなかった。
登場人物のその後も芸が細かい。
可愛らしい映画
フランスでまだ女性に参政権すらない時代の男尊女卑の時代に生きる女性のたくましさを面白可笑しく描いた作品。それぞれのキャラクターに愛嬌があって可愛らしい映画でした。
新人女優のマドレーヌも可愛らしかったですが、それより親友の新人弁護士ポーリーヌの知的さと健気さに惚れちゃいました。
フランス語を聞いていると眠くなってしまう私
実は苦手意識のあるフランス映画。理由はお恥ずかしいですが、どうもフランス語を聞いていると眠くなってしまう私。昨夜は寝不足気味だったことに加え、今作は会話劇の要素が強かったために正直途中までかなりしんどかったですが、そこはフランソワ・オゾンですから一定の面白さは約束されており、何とか乗り切ることができました(苦笑)。
とは言え私、フランソワ・オゾンはまだまだ抑え切れてはおらず、知る限りの印象としては、割といろんなタイプの作品を撮られています。その中でも今作は特にユーモアたっぷりで且つあっけらかんとしているためとても微笑ましく、主役であるマドレーヌ役のナディア・テレスキウィッツのチャームも相まって、とても幸せな気持ちで鑑賞できます。
特に、1930年代後半という時代設定に対して、ごくごく自然に現代的な「ジェンダー平等」で展開する巧みさは思わず唸るものがあります。
と、けなす要素は皆無ですが、果たして傑作並みの作品性かと問われればそれほどではないものの、もしフランソワ・オゾンを知らずにたまたま配信で観ても「これは当たり」と思える良作だとは思います。
満足度の高いコメディ
すごい完成度のコメディ。
特にオデット役のイザベル・ユペールの怪演が印象的。
全体に、男性の既得権益的なところに乗っかった差別的でダメなところと、女性の強かなところをユーモアたっぷりに戯画的な強調(カリカチュア)をしていて、オチもそれに沿ったものとなっていた感じ。
予告編で抱いたイメージよりオデットと主人公のやり取りが短く、103分の中にテンポよくしっかり要素が詰まっていたのが好印象。
『映画大好きポンポさん』じゃないけど、イタズラに3時間4時間と長くなって忍耐力を試される映画より、短い方がずっと満足度が高いかも。
セリフ多い!楽しい!
最近有無を言わさず(有無を言わずw)殺しまくる作品ばかり観てたので(もしくは怪獣の雄叫び)とにかくセリフの応酬が楽しめました。
キャラクターがとてもわかりやすいのでこれまた面白い。
ユペールのコメディ、初めて観ましたけどやはり最高でした。
皮肉屋さん揃いというか、風刺が効いているというか
面白かった!台詞がボンボン飛び交う会話劇がテンポよく展開されていって、最後まで飽きることなく観続けられました。
前半の法廷劇、二人の女性が練り上げたポピュリズムに乗っかった見事な作戦と男性社会に胡坐をかいた判事や検察官の無能っぷりの対比が小気味よい。
それが後半、イザベル・ユペールが登場してからのカオス、イザベル・ユペールと言えばワタシの中では「グレタ」でクルクルステップを踏みながらプスッと人を刺す不気味な怖さが印象的でしたが、本作でのイッちゃってるキャラはそれを完全に超えた圧巻振りでした!
フランソワ・オゾン監督って、今年公開の「苦い涙」位しか馴染みが無いのですが、シニカルな会話劇を上手に構成される方だな、もっと観てみたいと思わせてくれる一人になりました。
それにしても、舞台となった1935年当時のファッションのなんと優雅なこと!女性に参政権は無いとか未成熟な社会ではありますが、観ているだけで華やか、魅了されます。
その何年か後に第二次大戦が勃発し、世界各地が悲惨な状態に陥り、大勢の命が奪われ自由が制限されるのですから、戦争って本当に愚かだと痛感させられました。
あと、余談になりますが、前の席に座った男性が大きい人だったので、どんな姿勢をとってもスクリーンの一部がその方の頭で切れてしまって、字幕が読みにくいったらありゃしない😢でもね、帽子被っているなら「脱いでください」と言えるけれど生身のサイズの問題だから「もう少し頭下げてくれませんか」の台詞は告げられませんよね・・・はぁ~っ、終わったらめっちゃ肩凝ってた。
1935年当時のの世俗・風俗再現のノスタルジーとエスプリに浸る
「私はモーリーン・カーニー」に続き、まさかのイザベル・ユペール2作連続の逆冤罪モノ。後半から登場して、若く美しい二人の女優さんたちを喰ってしまうかの名俳優必殺仕事人振りには脱帽。最後のシーケンスのクルエラ風衣装で小走りする時ダルメシアンとすれ違う場面には ほっこり!!
それはさておき、冒頭からワクワク。戦間期のパリとその近郊を丁寧に再現した美術と衣装と映像の質感。ある部分の「いかにもの!」セットも、オシャレで魅せられました。
無駄のない脚本、一人一人がこの役柄にはこのセリフだよね、と誰もが思うこと言ってくれる痛快さ、ポーリーヌのマドレーヌへの秘めた思い、愛とは打算とは、今日も変わらないフェミニズム目線で見るも良しと思うけど、映画として「楽しむ」のがお得と思いました。
様式的にも最初と最後のシーンが小気味よく連動していて、とにかく監督のセンスが好きです。
1930年代のフランスを舞台にした現代への強烈な風刺
いやーさすがフランソワ・オゾン、やってくれますね。2回転半ひねりぐらいの傑作風刺コメディです。
有名プロデューサー殺害の濡れ衣を着せられた無名女優が、あえて犯行を自供して世間の注目を引くとともに同居中の女弁護士の協力で正当防衛を主張して無罪判決を獲得して一躍有名人となる。と、この成功を妬んでなんと真犯人が名乗り出る。するとこの二人、真犯人をも利用してして新たな絵図を描いていく。舞台は戦前ですが、明らかに現代社会風刺です。周囲のボンクラ男たちを手玉にとりのし上がって行くガールズサクセスコメディとも言えましょうか。
エンドクレジットに重なって語られるお約束の「登場人物たちのその後」も笑えます。
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