「こんなに笑えるコメディが撮れるなんて」私がやりました つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなに笑えるコメディが撮れるなんて
フランソワ・オゾン監督といえば、シリアスでエロティックなサスペンスを作る人というイメージだ。そんなに多くの作品を観ていないので間違いかもしれない。いや、本作を観れば間違いだったと言わざるを得ない。
元々オゾン監督はそんなに得意ではない。しかし、この作品がポップなコメディに見えたから鑑賞した。
事前に「軽そう」と思っていたとしても驚くほどにコメディで、驚くほど笑えた。
特に予審判事のシーンはぶっ飛んでる。この人の言っていることのメチャクチャさといったらない。
一応、本人は真剣だというところも笑える。
少し古い時代の物語で、女性が立ち上がって当時の社会の常識に抗うという意味ではオゾンらしいともいえる。特に必要ではなさそうな女性のヌードシーンもあり、これもオゾンらしい。
そういった視点から見れば、元々自分が考えていたオゾン像とそんなに違わなかったのかもしれない。ただ、こんなに笑えるコメディが撮れるとは思ってなかっただけで。
割とシュールなコメディが多い印象のフランス映画の中にあってストレートに笑えたというのも良かった。
今年のベスト、とまではいかなくとも、それに準ずるくらい面白かった。
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