「【”夫々の女性達の大義”1935年の女性の人権が軽視される巴里を舞台に、愚かしき男達を出し抜き、未来を切り開こうとする女性達の奮闘をユーモラスに描いた作品。流石、F・オゾン監督と思った作品でもある。】」私がやりました NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”夫々の女性達の大義”1935年の女性の人権が軽視される巴里を舞台に、愚かしき男達を出し抜き、未来を切り開こうとする女性達の奮闘をユーモラスに描いた作品。流石、F・オゾン監督と思った作品でもある。】
ー 今作は、良く出来たストーリー展開に没入した作品である。そして、美術、意匠も俳優陣達の演技も良き作品でもある。-
■有名プロデューサーが自宅で銃で殺される。容疑者は、彼の舞台出演が決まっていた女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)である。最初、彼女は否定するが途中で一転し、殺人を肯定する。
<感想>
・マドレーヌが愚かしき判事の前で、抗弁するがアッサリと殺人を肯定するシーン。
ー 脳内で”ん?”となるが、彼女はルームメイトの弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)に弁護を頼み、二人で一計を案じるのである。-
・法廷に場所を移してからが爽快である。
ー マドレーヌは裁判で殺人犯を演じつつ、ポーリーヌが書いた草稿を暗記し、性的搾取をしようとしたプロデューサーの行為を糾弾し、且つ身勝手な男性支配の社会から自由を得ようとする想いを雄弁に語るのである。
流石、女優である。そして、彼女は正統防衛を主張し、見事に無罪判決を勝ち取るのである。-
・そして、多くの市民から花束などを貰い、二人はボロアパート生活から脱出するが、トーキー映画のスター女優だったショーメット(出た!イザベル・ユペール)が現れ、”自分がプロデューサーを殺した。”と言って彼女達を脅すのである。
ー だが、マドレーヌとポーリーヌはショーメットに”ある約束”をし、仲間に引き入れるのである。-
<ラストも爽快である。マドレーヌの姉役として舞台に立ったショーメットは、悪徳プロデューサーを銃で殺し、マドレーヌと共に拍手喝采を浴びるのである。
今作は、愚かしき男達を出し抜き、上手く利用し、自らの人生を切り開いた3人の女性達の姿をユーモア要素を絡めて描いた作品なのである。ブラボー!>